9月24日 NHK[おはよう日本」
ラグビーW杯の会場の1つ
愛知県の豊田スタジアムで使われている芝生は
8年前の東日本大震災の被災地で生産されたものである。
9月23日
最初の試合となるウェールズ対ジョージア戦が行われた豊田スタジアム。
その会場を特別な思いで訪れた男性。
大坪征一さん(79)。
宮城県山元町で芝生を生産する会社の社長である。
(大坪征一さん)
「夢心地。
手塩にかけたものを使ってもらってありがたい。」
ふるさとの山元町は8年前の東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた。
荒れ果てた土地を緑に変えて
復興の象徴にしたい。
大坪さんは地元の人たちとともに震災の翌年から芝生の栽培を始めた。
名づけて“復興芝生”。
激しいプレーにも耐えられると高い評価を得て
W杯会場の豊田スタジアムで採用。
大会で使われる芝生は今年6月 スタジアムに敷き詰められた。
そしてついに初戦を迎えた。
自身も60年以上ラグビーをプレーしている大坪さん。
震災後の8年の思いとともにこの時を迎えた。
(大坪征一さん)
「被災した土地を復興したいという心境。
キックオフが待ち遠しい。」
大坪さんが見守るなか試合が始まった。
屈強な戦士たちが走り回り
スクラムで力の限り押し合った。
復興芝生の上で激しい戦いが続いた。
(大坪征一さん)
「こける人がいなかった。
まっすぐ走っていた。
ステップ踏んでもしっかり走りきっていた みんな。」
80分間
自らが育てた芝生が世界レベルのプレーの足元を支えた。
試合後 選手たちも復興芝生に太鼓判を押した。
(ジョージアの選手)
「すばらしかったです。
良い仕事をしてくれていると思いました。
言うことなしですよ。」
(大坪征一さん)
「内心ハラハラしていたが
思っていたより芝生が良かった。
みんなが一体となって夢を実現した。
みんなで分かち合いたい。」