2021年4月22日 NHK「おはよう日本」
NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公で
「近代日本経済の父」とも呼ばれる実業家 渋沢栄一の考え方をもとに
お金の歴史や役割を学ぶ新しい絵本が完成した。
絵本を手掛けたのは
渋沢栄一の孫の孫 玄孫(やしゃご)にあたり投資信託会社の取締役会長を務める渋沢健さんと
丸亀市の絵本作家 岡田さえさん。
約半年前から始まった絵本の制作。
健さんが栄一の考え方をかみ砕いて説明し
岡田さんがイラストで分かりやすく表現する。
(絵本作家 岡田さえさん)
「大人は言葉でパーンと入るけど
どうやったら子どもに伝わるのかなと。
お金も人も社会も
全部が循環するということを
きちっと表現できるような絵本を仕上げたいと思っている。」
りんごを独り占めしておなかを壊した男の子。
りんごをお金に
男の子を会社の経営者にみたて
経営者が儲けを独り占めすることは自分自身の幸福につながらないことを表現した。
(渋沢栄一のやしゃご 渋沢健さん)
「“よく集め よく散ぜよ”という渋沢栄一の教えがあるのですが
それをシンプルに伝えると
自分のためだけではなくみんなのためにも使いなさいということ。
ある意味で当たり前のことを再確認してもらうことを期待しています。」
また他のページでは
お母さんのお手伝いをしておこづかいを受け取る子どもを描いた。
栄一が考えるお金の循環は
「ありがとう」と切り離せないこと。
健さんが一番伝えたかったことである。
(渋沢栄一のやしゃご 渋沢健さん)
「お金というのは
この世の中で廻り回って自分のところに来ることであって
その中では必ず誰かがそこで働いていて
誰かがどうもありがとうって言っている。
その連鎖だと思う。」
ひとりひとりの力やお金を合わせることで
大きなことを成し遂げられるという意味の
「しずくの一滴一滴がやがて大河になる」
という栄一の言葉を引用し
ありがとうを増やすことが明るい未来につながると表現している。
(渋沢栄一のやしゃご 渋沢健さん)
「1人だけでは助けられないが
みんなが小さいお金だけどそれを寄付していけば
みんなと一緒に助けることができるということになると
ME=自分だけではなく
WEでお金を使って
いろいろなことができるということにお子さんが気がつくと思う。
ここはすごく上手に表現してくれたと思う。」
(絵本作家 岡本さえさん)
「渋沢健さんに監修してもらって
わかりやすく表現できるものが出来上がってきて
お金に振り回されるのではなくて
お金をきちっと使って
理解して
ありがとうを増やしていく。
それでみんなで明るい豊かな社会づくりをしていく
というように伝えられたらいいなと思う。」
絵本は2万2,000部発行され
全国の商工会議所から各地の図書館や小学校などに贈られる。
岡田さんと健さんによって新しく紡がれた栄一の言葉。
絵本という形で全国に広がっていく。
(渋沢栄一のやしゃご 渋沢健さん)
「150年前に言った言葉が
今の時代にそれを違う言葉で表現する。
渋沢栄一が持った心はそのままきちんとこういう形で絵本で表現できたということは
栄一はすごく喜ぶんじゃないかと思う。
よい良い未来 あしたを目指すという
まさに青天を附けというメッセージがあると思うので
ぜひ親子でこの本を読んでもらいたい。」