日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

新潟 過疎地の進学校の挑戦

2021-05-16 07:16:34 | 報道/ニュース

2021年4月22日 NHK「おはよう日本」


新潟県の人口9,000の町にある高校。
高い進学実績と地域で必要とされる存在の両立を目指している。

新潟県津南町にある県立津南中等教育学校。
平成18年に開校した中高一貫校で
全校生徒は300人余。
教育の地域格差をなくしたいと
全国に先駆けてICT教育に力を入れてきた。
(津南中等教育学校 教務主任)
「去年の進学実績
 70人いて
 34人が国公立大学
 18人が私立に。」
一昨年度の国公立大学の合格率は県内3番目。
これまで東京大学や京都大学など多くの卒業生を難関大学へ輩出した。
今年も春を前に続々と届いた合格の報告。
しかしその喜びの裏に学校側が向き合わなければいけない課題がある。
この学校では多くの生徒が県外に進学する。
地域からは“過疎化が進む町の活性化に貢献していないのではないか”という声が根強くあるのである。
教育を地域の活性化にもつなげられないか。
力を入れ始めたのが“津南妻有学”と呼ばれる学校独自の探求学習である。
生徒が自ら地域の課題を見つけ
1年かけて解決策を立案する。
(生徒)
「防災です。
 津南は空き家が問題になっているんです。」
「大地の芸術祭というアートフェスティバル。
 海外からの観光客にもっと楽しんでもらえるように。」
学校の外に出てさまざまな人と触れ合い
若者の目線でアイデアを出し合うことで
地域の将来を自分事として考える生徒も増えてきた。
高校2年生にあたる5年生(当時)のKさん。
グループで取り組んだのは観光業の活性化。
「津南町の植林された杉を伐採して
 広葉樹を新しく植えて
 伐採した杉も商品にして販売するプロジェクトを考えています。」
杉を美しく色づく広葉樹に植え替えることで
紅葉の季節の景観を良くし
伐採した杉の木の加工品を売り出すというこのプロジェクト。
地域の大人たちと交流しながら作り上げてきた。
卒業後は県外の医学部への進学を目指しているKさんだが
地域振興への思いも芽生え始めたという。
(Kさん)
「将来はできたら今はお医者さんになれたらいいなと思っていて
 それとはまた別でこういう活動もできたら楽しいだろうなと思っています。」
今年2月に開かれた学習の成果発表会。
会場には生徒の他に
町の職員や経営者など合わせて200人が集まり
オンラインで地域活性化の専門家なども参加した。
小西さんのグループも1年の成果を余すところなく伝える。
「実際に自分たちの手で杉の木箱づくりも行いました。
 杉を使った商品は海外など町の外に需要があるということ
 現在 私たちは海外や高級層をターゲットにした商品作りを進めています。」
(津南町 観光地域づくり課)
「私どもとしても実際に施策に生かせるものもあったのかなと思う。」
(Kさん)
「実は私たちが知らなかったり
 知ろうとしなかっただけで
 本当はこんなにいいものがあるんだって知れたし
 地域とのつながりを長く持ち続けられたらいいなと思っています。」
(津南中等教育学校 教務主任)
「いろんなところに出ていって
 いろんな人から刺激を受けて
 人間として成長して
 戻って来なくても
 ここに関わりながら何かしらできる大人になってくれるといいなと思っている。」
高いレベルの教育と地域への貢献をどのように果たしていくのか。
これからの地方の教育のあり方を探る挑戦は続く。



コメント    この記事についてブログを書く
« “渋沢栄一の考え”を絵本に | トップ | 中国製品のアパレルブランド ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

報道/ニュース」カテゴリの最新記事