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京大発 “変人の流儀”

2020-05-07 07:28:00 | 報道/ニュース

4月17日 NHK「おはよう日本」


“変人”は社会の迷惑か
それとも人類の存続に欠かせない救世主なのか。
京都大学のユニークな変人たちのメッセージを集めた本が
“変人”の意味を世に問いかけている。

いま京都大学から生まれた1冊の本が話題となっている。
タイトルは「京大変人講座」。
頁をめくると
“変なヤツが世の中を支えてきた”という熱い叫びが。
紹介されるのは個性の塊のような教授たち。
“鮨屋の親父はなぜ怒っているのか”を本気で問う経営学者。
“アリの社会に人間模様を感じてしまう”生物学者。
この本は
“学問に深く恋をしてしまった研究者の叫びに耳を傾けてもらいたい“
と作られたという。
発起人は地球流体力学が専門の酒井教授。
目に見える成果を強く求められるようになった研究現場に危機感があったという。
(京都大学 酒井教授)
「大学の中で何が起こっているか
 世間の人は知らなくても一向にかまわなくて
 世の中の役に立つモノだけが目に見えてくる。
 どれだけ失敗してどれだけ訳の分からないことをしていても
 見えなかった。
 いま情報化の時代にそれは成り立たなくなっている。
 見えてしまう。
 すべて見えてしまったときに普通の人から見ると
 何のためにやっているのか分からない。」
酒井教授の研究室には何に使うかわからないガラクタのようなモノがたくさん。
「この部屋を見て“なんかいいですね”という人と
 “なんですか この汚い部屋 捨てたらどうですか“
 かなりはっきり分かれる。
 ガラクタを使って何か作ったことのある人と
 幸か不幸かずっときれいな道を歩んできた人か。」
“ナンセンスなモノ”“説明できないモノ”からしか本当の核心は生まれてこない。
それは酒井教授が自身の経験から学んだことだった。
10年ほど前 都市部のヒートアイランド現象について研究をしていた酒井教授。
しかし行き詰まっていた。
そんな時ある人に出会う。
“幾何学模様に美しさを感じてしまう”という同僚の数学者だった。
彼が取り出したのは1つの立体模型。
ある角度で見ると穴が無いように見えるのに
ちょっと角度を変えると三角形の穴だらけ(シェルピンスキー四面体)。
これが“なんとも美しい”と熱弁されたのである。
(京大 酒井教授)
「数学者って暇ですねって言って帰りました。」
しかし家に帰って負担に入った酒井教授。
ふと ひらめく。
生み出したのは無数の三角形が連なる幾何学模様の日よけ。
日光を遮り
かつ風通しも良い。
画期的な日よけだった。
変人のような数学者との出会いで生まれた発明。
京大に眠る変人を発信することで
効率性を求める現代の風潮に警鐘を鳴らしたいと考えている。
(京大 酒井教授)
「効率や正しさを求めるなら
 ロボットになりなさいと言っているようなもの。
 ロボットは自然界で生きていけない。
 今のルールに従っている限りうまくいくけど
 ルールが変わったら生きていけない。
 今までの考えや価値観が役立たないときに役立つモノは?
 いま役に立たないモノ。」
一昔前まで京大ではホメ言葉だった
“あの人 変人だよね”という文化。
果たして復活の日は来るのか。




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