12月5日 NHKBS1「国際報道2019」
中国では
衛生面での問題などもあって
“誰が使ったものが分からないものは購入したくない”という意識が強く
中古品は敬遠されてきた。
それがいま若者を中心に変わり始めている。
背景には景気減速による消費スタイルの変化や
日本の影響もあるということである。
毎年11月11日に行われる “ネット通販の大規模セール”。
今年の売り上げは約4兆1,700億円。
1日の取引額として過去最高を記録した。
しかしそんな中国でも
これまで右肩上がりに拡大してきた消費行動に変化が起き始めている。
北京市内で行われた雑貨品のセール。
若者が真剣なまなざしで品定めするアクセサらーやぬいぐるみ。
実はすべて中古品である。
(客)
「同じものを持っているんですがもう1個買いました。
ビンテージショップでよく買い物をします。
今日履いているこの靴も中古品です。」
中国ではいま若い世代を中心に中古品への関心が高まっている。
背景にあるのが日本の影響である。
仕事や旅行で日本を訪れた際に
古本や古着の文化に触れ
“いいものを安く買いたい”という考え方が広がっているのである。
(客)
「日本の古着は可愛くて興味があります。
デザインもいいし価格も手ごろですよね。」
北京市内の商業施設にあるバッグの専門店。
この店で扱っているバッグはすべて中古品。
店内にある中古のブランドバッグのほとんどが日本から買い付けてきたものである。
(客)
「中古のバッグは個性的でいいですね。」
なかには新品の3割~4割で買えるものもあり人気を集めている。
(中古ブランドバッグ店 店長)
「若者は新品に手が届かないから中古品を選ぶんですよ。
私自身もよく日本に行っていて
だんだんと中古品を受け入れるようになったんです。」
実際の店舗だけではない。
いま中国では中古品を売買するアプリが急増。
市場規模は来年には5年前のほぼ8倍の16兆円にまで成長するという試算もある。
市場規模拡大に期待を寄せるアプリ運営会社は
(中古品アプリ運営会社 PR担当者)
「若者は有名ブランドかどうかではなく
より個性的な中古品を選びます。」
こうした中古アプリを活用するひとり
北京在住の程さん(32)。
以前岩手県で働いたことがあり
そこで古本や古着の店を目にして
中古品の良さに気づいたという。
現在ネットメディアで働く程さん。
仕事がら本を買うことが多く
アプリを使って古本を買うことで大幅に節約できるようになった。
(程あんん)
「この辺の本はすべてアプリで買いました。
定価の6~7割安いです。」
買った本が不要になった時にはアプリを使って下取りに出すこともでき
業者が自宅まで本を回収に来てくれる。
回収された本はアプリの運営会社がクリーニングをしたうえで
再びネットで販売される仕組みである。
(程さん)
「この本は高かったんですが
売るときも高く売れるよう書き込みはしないんです。」
この日 程案はアプリの運営会社が経営する北京市内の古書店を訪れた。
購入したい本を実際に手に取って吟味したいときには
こうした実店舗も利用できる。
書棚を見ると日本に関連した本も少なくない。
日本のマンガの翻訳版や
日本から輸入したレコードも人気だということである。
(程さん)
「新品がどうかは実際に使う場合まったく問題になりません。
もっと中古品を活用して
自分に合った賢い買い方ができるようにしたい。」