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カジノ導入のシンガポール ギャンブル依存症対策は

2018-08-07 07:00:00 | 報道/ニュース

7月17日 国際報道2017


世界から年間約1,600万人が訪れるシンガポール。
そのランドマークとなっているのが
2010年にオープンした統合型リゾート施設「マリーナ・ベイ・サンズ」である。
屋上にプールを備えた大型ホテルにショッピングモール。
そして特に人気となっているのがカジノである。
去年のカジノによる収益は約2,800億円と
施設全体の収益の大部分を稼ぎ出した。
観光の振興や雇用の創出にも大きく貢献している。
一方でギャンブル依存症が大きな問題となっている。
携帯アプリの配車サービスで運転手をしている男性は
以前は会社を経営していたが不動産投資に失敗。
借金返済のためカジノに入り浸るようになったと言う。
借金はどんどん膨らみ
ついには自己破産に至った。
(ギャンブル依存症の男性)
「ギャンブル依存症の人はすべてを失っても一発逆転を狙いかけ続けてしまうのです。」
シンガポールでギャンブル依存症などの疑いのある人の数は約2万8,000人。
そうした人たちを少しでも減らそうと対策がとられてきた。
シンガポールにあるホテルのカジノでは入り口で身分証を提示して入場する。
シンガポール政府はカジノ入場の際に本人の確認証の提示を義務化。
本人や家族などの申請で入場禁止の措置をとることも出来るようになっている。
また外国人は無料で入れるが
地元の人に対しては約8,000円の入場料を課している。
さらにカジノを運営する側にもギャンブル依存症の対策が義務付けられている。
この日はカジノの従業員を対象に依存症の疑いのある客への対応を学ぶ研修が行われていた。
(アメリカ人の講師)
「客が“もう来ないつもりだったのに来てしまった”と言っていたら
 それは良くない兆候です。」
それでもギャンブル依存症に陥る人は後を絶たない。
カジノで借金を抱えた人を支援している団体には多くの人が相談に訪れている。
違法に利子の高い闇金融に借金する人も多いため
団体では利子の見直しを交渉したり返済計画を考えたりしている。
依存症から立ち直った男性は
カジノで借金を作り厳しい取り立てを受けたことがある。
「壁に“金を返せ”と書かれました。
 近所の人が私のことをどんな目で見ているかと思うととても恥ずかしかったし
 恐怖さえ感じました。」
男性が立ち直るきっかけとなったのが団体を通じて知り合った同じ立場の人たちである。
6年にわたって経験を語り合ったりお互いの行動を意識し合うようにした結果
カジノに行きたいという気持ちが抑えられるようになったと言う。
「多くの人が助けを求めていると感じます。
 仲間どうし互いを見守り合うことが大切です。」
(支援団体の代表)
「同じ経験をして互いを理解し合える人たちと交流を持つことが大事です。
 そうすれば心を入れ替えてギャンブルをやめ
 人生を再スタートできるのです。」
経済の活性化に貢献する一方でギャンブル依存症の深刻な課題を抱えるシンガポールのカジノ。
依存症にどのように対応していくのか模索が続いている。






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