1月13日 おはよう日本
尺八奏者の辻本好美さんは
尺八の伝統的な音色のイメージを変えたいと挑戦を続けている。
世界からも注目される演奏は女性らしさを生かし進化を続けている。
まるでジャズのような尺八の演奏。
辻本好美さんはこれまでの尺八のイメージを覆す演奏に取り組んでいる。
(観客)
「若い子も絶対つまらなくない。
和楽器に対しての入り口を広げてくれる。」
(尺八奏者 辻本好美さん)
「素晴らしい音色を持っている楽器として関心を持って聞いてもらいたい。」
辻本さんが本格的に尺八の演奏を始めたのは母校である和歌山県立橋本高校の部活動である。
父は尺八 母は琴の演奏者という邦楽一家に育った辻本さん。
尺八は幼いころからおもちゃ代わりに吹いていた。
練習を始めていくと次第に音色の奥深さにのめり込んでいった。
(尺八奏者 辻本好美さん)
「尺八は十人十色。
吹き手によって音色が全く違う。
すごくおもしろいし個性あふれる音色をしているのですごくそこに魅力を感じた。」
(邦楽部の塚本留美先生)
「高校時代の辻本さんは
“東京の方に行きたい 尺八を続けていきたい”と聞いていた。
いろんな才能を持った人の中で成功していけるのかなというのはちょっとありました。」
大学でも尺八を専攻。
しかし古くからの伝統的な演奏に限界を感じる。
“伝統楽器で新しい音楽の世界を切り開きたい”とピアノなど洋楽器との共演を始めた。
(尺八奏者 辻本好美さん)
「伝統音楽だけでは人の興味は柔軟ではない。
ほかの楽器とコラボしたり自分自身模索しながら活動してきた。」
転機が訪れたのは3年前。
演奏家として活動するなかで“洋楽を割楽器で演奏する”という番組の企画に声がかかったのである。
尺八の力強い音を生かせる局として選んだのは
マイケル・ジャクソンの「スムース・クリミナル」。
動画はSNSを通じて世界中で評判を呼ぶ。
“泣きそう・・”
“大興奮!!”
“尺八 神ってる!”
(尺八奏者 辻本好美さん)
「尺八というのが認められる
皆さんの興味をひけるすばらしいものなんだということをすごく実感した。」
国内外からオファーが相次ぎ
これまで20カ国以上で演奏。
さらに女性初の尺八奏者としてメジャーデビューも果たした。
いま辻本さんは新たな挑戦を始めている。
それは作曲である。
自らが作った曲で尺八の新たな魅力を表現する。
辻本さんの強みは女性ならではのやさしい音色である。
♪「シンクロ二ティ」
自分の出会いや経験がいくつも重なる様子を短いメロディーの繰り返しで表現した。
(観客)
「鳥肌・・・
涙が出ました。」
「こういう演奏も尺八で出来るんだ。
ものすごく新鮮。」
(尺八奏者 辻本好美さん)
「伝統音楽もやりながら新しい挑戦もしていきたい。
伝統のものももちろん
大事に大事につなげていきたい。」
自分ならではの尺八の音を求めて
伝統を生かした新たな音楽が広がっている。