★ネタバレなし★
私が映画批評なるものをしはじめた当初から、その映画を見るか見ないかの参考の一つとなっている前田有一の初の書籍。
不思議なことだが、私よりも映画を観ている人はたくさんいるが、私がホームページを管理し始めてからずっとコンスタントに記事を書き続けている人は多くない。
だから、尊敬の念も込めて買うことにした。
「超映画批評」のコンセプトが、ネタバレしないことを前提としているので、こちらはもっと突っ込んだ内容だと思って買って読んだ。
40を超える映画について触れられているが、結局、見たことがない映画については読めないので、読む人にとって実際にはもっと少ない量となるだろう。
私も半数程度しか見ていないので、さっと読み終わってしまった。
残念ながら、私のこの本への評価は高くない。
もっと突っ込んだ、詳細に書かれた内容を期待したのだが、そうではなかった。
ネタバレしないことを前提としたインターネットというメディアでは触れられない内容まで突っ込んでくれないと、ちょっとはぐらかされた印象を受ける。
論拠となるところを明らかにしながら、いいところもわるいところも、社会的な視点も、いつもは思わせぶりで終わっているところを具体的に書いてほしかった。
そうでなければ、サイトで読む記事で十分だ。
私の持論では、映画批評の本は、売れないし、評価されない。
なぜなら、見ていなければ、読まれないからだ。
どれだけ分厚い本にしても、その人が見ている映画しか読む対象とならない。
ネタバレしないと、見たことがある人にとっては内容のない文章になってしまう。
前田有一だからこそ、もっと尖った、もっと周りから賛否両論になるような内容を期待したのだが。
次作はそういうものを出してもらいたい。
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