南アフリカの優勝で、ラグビーワールドカップ2023年が閉幕した。
朝の4時キックオフが多かったので、日本に住んでいる私にとって、絶妙に見られる時間帯が多かった。
結果、朝早起きして主要な試合は見ることができた。
日本代表は思うような成績が出なかったが、準決勝あたりの試合を見ればわかるように、やはりこれ以上の成績を残すのは難しい。
あれだけのスピードで当たってくる巨漢を、しっかり止めてターンオーバ . . . 本文を読む
テクノロジーが発展していくということは、【他者への依存性を高める】ことである。
テクノロジーとは、人間が本来身体の内部に持っていたものを、外部化することにある。
大きな荷物をもつのが大変だから、重機で運び、物を壊すために手でやるべきことを、鈍器という身体の外部に委託していく。
だから、それを作る者が生まれて、一人でやっていたことを誰かに、何かに、依存していくことになる。
私たちはそうして発展して . . . 本文を読む
最近の新書コーナーで平積みされている話題作。
出た当初から気になっていたが、ちょっと他の作品を読んでいたので乗り遅れた感がある。
今井むつみの著作はいくつか読んでいて、学生時代からの付き合いである。
今回は、タイトルが非常に重く、言語の起源について探ろうという意欲作である。
ただ、手法としてはこれまで通り、未就学児を中心とする子どもたちの発達段階をみつめることを出発点としている。
中でも注目し . . . 本文を読む
特に日本人は、言えば分かる、人と人とはわかり合えるものだ、という前提で対人関係を考えているところがある。
それは日本語というきわめて言語外状況に依存する言語の特徴を考えてみてもわかることだ。
SNSにおけるトラブルには、その「相手はわかってくれる」ことを前提にしていることによる齟齬が多く含まれているように思う。
短文でのやりとりが多くなればなるほど、その発信者と受信者の食い違いは顕著になるだろう。 . . . 本文を読む
やたらと多趣味な上の子を、今度はプロ野球に染めようと思ったわけではないのだが、我らが阪神タイガースが優勝するほどの勢いがあったこともあり、結果この半年で私がプロ野球を話題にすることが増えた。
開幕前までほとんどルールも何もわからなかった小学生は、今では阪神の選手の背番号とフルネームが瞬時に言えるようになってきた。
シーズン終盤には、オーダーを言えば、打順を覚えて次の打席が誰から始まるのか、というよ . . . 本文を読む
ワークライフバランスとは何だろう。
仕事とプライベートとの割合を、【ちょうど良い具合】にするべきだという理想を謳ったものだ。
子育て世帯にしてみれば、そんな絵に描いたような餅はただ言葉だけが上滑りして、空虚なものに感じる。
子どもが保育園で、目の前にないアイスを巡って同級生と言い合いになったことがある。
「○○のアイス食べたるねん」
「ええ~、それ○○のアイスやのに!」
目の前にないアイスなのに . . . 本文を読む
夏の終わりに、コロナになった。
症状は、夏バテや熱中症のようなものだと思っていたら、そうではなかったようだ。
数日間の監禁生活を経て、無事回復したわけだが、それからどうも調子が悪い。
たまっていた仕事は誰かが処理してくれるはずもなく、山積みになって、私のせいで職場の周りの人まで次々に倒れていったという話も聞かされた。
(まったく罪悪感はありませんけどね。)
仕事をこなしてもこなしても、区切りが見 . . . 本文を読む
評価点:52点/2023年/アメリカ/109分
監督:アントワーン・フークア
残酷描写に必然性を感じないため、品のない印象を受ける。
イタリアのシチリア島を訪れたマッコールは、ブドウ園に潜んでいたマフィアを一掃した。
その帰り、銃撃されて重傷を負うことになる。
その近くの街で倒れていたところを、発見されて地域の医者に助けられた。
次第に回復していくマッコールは、とっさに「ロベルト」と名乗り、 . . . 本文を読む
ソシュールなどの構造主義の旗手となった考え方や、ポスト構造主義の思想家たちの影響もあり、経済学、ことにマルクスについてはいくらか調べていた。
そのこともあって、経済学についてはほとんどまともに勉強したことはないが、関心が強かった。
岩井克人がその半生を語るこの著作についても、文庫本になる前から気になっていたが、かなりの長編であることを知っていたので手に取れなかった。
もう一度調べると、文庫本になっ . . . 本文を読む