島根県の山奥にあった、赤朽葉家一家の伝説について描かれたフィクション。
万葉は拾われた子だった。
そして若夫婦に育てられた彼女は、未来視ができた。
千里眼として恐れられるようになるまで、彼女は幻か現実かわからない様子を見ていた。
あるとき、大屋敷に住む赤朽葉タツに、「私のところに嫁にこい」と言われる。
それが、のちに赤朽葉万葉となる、彼女の運命的な出会いであった。
奥さんが桜庭一樹のファンで、 . . . 本文を読む
少し前に読んだ鷲田清一の本に、表題のようなことが書いてあった。
なるほど、語るということは、騙ることになるのか。
私がネットに触れ始めたとき、情報の授業で「インターネットは本音をすぐに出せるようなメディアだ」というようなことを教わった記憶がある。
テレビやラジオは一方向的な表現媒体であるのに対して、インターネットは双方向的で、今まで隠されていたことが気軽に表明できるようになった。
だから、本音が . . . 本文を読む
数年前に買ってそのまま本棚を占めていた本。
なんとなく手に取った「モモ」が衝撃的で、代表作でもあるこの「ネバー・エンディング・ストーリー」を買っていた。
とうぜんだが、豪華装丁版で買った。
装丁がこの作品の総てである、という言い方もできるだろう。
子どもが生まれて、子どもより早く読んで、そして子どもにプレゼントしたいと思って買ったのだ。
映画は子どもの頃、見た記憶がある。
アトレーユがその愛馬 . . . 本文を読む
妻の本棚にあって、おすすめされていた本。
朝日の「平成の30冊」の中にもあったため手に取った。
人類の歴史に関する本で、いわゆる有史以前の人類の動きや変遷を捉えている。
20年も前の作品だが、いまでもその仕事は色あせていないだろう。
これほどの緻密な研究を、そして総括的に捉えたものはかつてなかったと言っていい。
歴史にはその時代の人間の意図が含まざるを得ないことは当然だが、この作品の壮大な物語は . . . 本文を読む
けっこういい年になってきて、部下はいないが後輩がいる、という状況になってきた。
マニュアル作りを指示されることも多く、マニュアルをせっせと作ることになる。
だが、これが結構役に立たない。
マニュアル化というのは難しいのだと今更ながら痛感している。
思えば当たり前なのかもしれない。
AIに仕事を奪われないようにしろ、人間にしかできないことをしろ、といわれる昨今、マニュアルが通用するような仕事は、作 . . . 本文を読む
評価点:86点/2018年/アメリカ/115分
監督:ガス・ヴァン・サント(「グッド・ウィル・ハンティング」他)
私を、許してほしい。
車椅子の風刺漫画家のジョン(ホワキン・フェニックス)は、聴衆の前に立ち、講演を始めた。
「私はアルコール依存症のジョンだ。」
その半生を語り始めた。
彼は四六時中酒を呑んで酔っ払っている青年だった。
あるとき友人に誘われパーティーに向かった。
そこでもずっと . . . 本文を読む