★ネタバレなし★
前著「生物と無生物とのあいだ」の実質的な続編となる。
前作は話題になったので、おそらく知っている人も多いだろう。
なぜ話題になり、そして僕はこの「世界は分けてもわからない」を読んだのか。
それは単純に文章が巧いからだ。
理系の文章は僕はほとんど理解できない。
理系ではなく思いっきり文系人間なので、数学はおろか理科なんてもっての他だ。
だが、この人は文章が巧い。
それこそ、下手な . . . 本文を読む
評価点:62点/2010年/アメリカ
監督:アレン・ヒューズ、アルバート・ヒューズ
その本で、その世界が救えるとは思えない。
近未来、30年前に起こった核戦争により、世界は核の炎に包まれた。
人類は絶滅したかに見えた。
だが、人類は生きていた。
一人の男イーライ(デンゼル・ワシントン)は、西へ西へと一冊の本を届けるために旅を続けていた。
ある日、街を興したというカーネギー(ゲイリー・オール . . . 本文を読む
居酒屋に行くと、真っ先にトマトサラダを頼む。
スピードメニューであることもさることながら、飲みに行くときの定番メニューである。
とりあえずビール、と同じくらい当たり前の光景。
出されたトマトを見て味わいながら、いつもではないが、僕は密かに昔を思い出す。
僕とトマトとの思い出は幼稚園までさかのぼる。
思えば、僕はその幼稚園で人生のほとんどの苦行を体験したのかもしれない。
姉と同じ私立の幼稚園へ、親 . . . 本文を読む
評価点:52点/2010年/アメリカ
監督:ジョン・ファヴロー
前作と次回作とのつなぎ、という印象がぬぐえない。
大富豪で、アイアンマンであることを公表したトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、兵器であると国防総省から喚問を受けていた。
一方、アイアンマンのコアであるリアクターを共同開発したヴァンコの息子イワン(ミッキー・ローク)は、一人英雄気取りのトニーへの怨念を募らせていた。
. . . 本文を読む
映画を見にいったので、その勢いで他に読むものもあったのに、こちらを先に読んだ。
周りの評判では上々だったこともあった。
先に映画を見にいってしまったので、原作や作者ファンの人とはおそらく状況が違う。
そのため、僕の評価はいくらか原作には不利になった格好だ。
ストーリーはもはや語る必要はあるまい。
手法は、複数の語り手による告白という形態をとっている。
その状況は語り手自身によって、間接的にあるい . . . 本文を読む
評価点:85点/2010年/日本
原作:湊かなえ
監督・脚本:中島哲也
告白される内容は、決して「本音」ではない。
シングルマザーの化学教師森口悠子(松たか子)は、年度末の三月、担任するクラスに衝撃の告白を始める。
一人娘の愛美が死んだ真相は、事故死ではなく、このクラスメイトに殺されたのだ、と。
衝撃が走るクラスは、騒然となり、該当する犯人A、Bを予想し始める。
そして、彼女の告白が終わる頃 . . . 本文を読む
評価点:84点/1988年/香港
監督:サモ・ハン・キンポー
漢文が文学の源泉であるように、香港映画は映画の源泉である。
香港のジャッキー(ジャッキー・チェン)は、きわどい犯罪事件で見事に無罪を勝ち取ることができる敏腕弁護士だった。
ある日、養殖所を営むイップは、工場排水による公害に悩まされていた。
その工場を訴えた際、工場側はジャッキーを雇うことにした。
何とか無罪を勝ち取るために盗聴器を . . . 本文を読む
評価点:72点/2004年/アメリカ・スペイン
監督:ブラッド・アンダーソン
そうか、そういうダイエット方法があったんだ! とは思えない作品。
体重54キロとなった長身のトレバー(クリスチャン・ベール)は、一年間眠れないという状況だった。
工場で働く彼は、夜1時半まで空港のカフェで過ごし、その後娼婦と寝るという日常を過ごしていた。
みるみる痩せていく姿に周りは距離を置くようになり、本人も周り . . . 本文を読む