昨年のNHK紅白歌合戦の視聴率が非常に厳しいものだったという。
NHKに対する風当たりは近年ますます厳しいものになってきた。
このニュースは、視聴料を巡る議論にますます拍車をかけそうだ。
(だが問題の本質は、NHKの番組の質ではなく、単にお金を払いたくないという人が多いだけの気がするが)
時代に逆行するようだが、私は結婚してから紅白歌合戦を見るようになった。
ふだんほとんどテレビを見ない私の一家 . . . 本文を読む
子どもと遊ぶ。
その様子を見ていると、彼らがやっていることが、ほとんど仕事でも必要な能力を、自然と身につくだろう、と思える。
能力差がある相手となら配慮する。
ルールを説明して共通の理解を得る。
その場でルールを変える。
飽きたら別の遊びを始める。
その家や場所でやってはいけないことを確認しながら遊ぶ。
相手の表情や反応をみて、遊ぶ内容や方法を修正していく。
工夫と配慮に満ちた小学生たちのやり . . . 本文を読む
何かと話題の生成AI、チャットGPT。
この流れを止めることはできないし、無関心を装うこともできないだろう。
しかし、だからといって無邪気に喜んでいるわけにもいかない。
チャットGPTが何をもたらすのか、ということを考えておきたい。
チャットGPTを少し触れば、その性能に驚かされるだろう。
まず「てにをは」のミスがない。
第一言語が日本語でない人は、手こずるという助詞の使い方にミスがない。
こ . . . 本文を読む
日本の最も危機的な問題の一つは、少子化だ。
あえて、少子高齢化と一つにしないでおこう。
少子化と高齢化は表裏一体のように見えるが、実際には別個の事象だ。
高齢化が進んでいても、少子化を食い止めることは十分可能なはずだからだ。
私は、この少子化問題が、どこか環境問題に似ていると感じている。
環境問題を考えるとき、例えばそれが、地球温暖化や化石燃料の枯渇といった問題を考えるとき、その立脚している場所 . . . 本文を読む
おもてなしの国、日本。
いつからそういうことが「常識」になったのか私には分からない。
いつの間にか「お客様は神様」という言葉が一般化して、私たちは客として振る舞うとき、金さえあれば全能の神になった気持ちになることができる。
それは、子どもでも大人でもお金さえあれば同じようにもてはやされるという全能感だ。
そこに「身分」や「職業」「年齢」「性別」さえも関係がない。
お金があることだけが重要で、それ . . . 本文を読む
大手回転寿司チェーン店における迷惑行為を動画としてインターネット上に投稿したことが話題になっている。
私はどこのだれがしたのかあまり興味がないのでニュースは追っていない。
どうやらこれまでの他の迷惑動画同様に、痛烈な私刑が流行っているようだ。
株価も大きく下がり、業務形態そのものを見直せざるをえない事態につながりそうだ。
私はこれについて、少し違った視点から考えてみたい。
そのため、「誰が悪いの . . . 本文を読む
人間は何度か主人公であることを奪われている。
その一つが、心理なるものを奪ったフロイトの分析である。
人間に把握できる精神なるものは実は幻想であり、そのほとんどは自身では把握できない無意識の塊であることをフロイトは明かした。
また、ニーチェは神から愛されたものとして人間を規定することを放棄させ、神は人間が生み出した幻想であることを明かしてしまった。
そして情報社会は人間が労働から生み出す主体的な動 . . . 本文を読む
何のために生きるのか。
結婚してどんなメリットがあるのか。
子どもなんてお金(コスト)がかかるだけだ。
働かなくてもいいなら、働きたくない。
映画を見る時間がもったいないから、時短で見よう。
私たちはいつの間にか、本来の目的や価値を見失って矛盾にはまり込んでしまうことがよくある。
本末転倒というやつだ。
そのことで、今という時間を見失ってしまったように、私には思える。
いや、私自身もこの現代人の . . . 本文を読む
コロナの影響で、マスクをすることが前提となり、新しい生活様式が定着した。
電車でマスクをしていない人はほぼいなくなり、大声で話すという大阪の名物は影を潜めた。
商店でもマスクをしている人ばかりだし、食事もほとんど会話がない。
相手の素顔を見ることはほとんどなくなってしまった。
相手との心理的距離、社会的距離はどのようなもので測るのか。
コロナ前は、おそらく五感が重要な意味を持っていた。
視覚、 . . . 本文を読む
山極寿一の本をいくつか読んだ。
彼はほぼ同じようなことを繰り返して様々な本に書いている。
その一つは、人間がこれほど社会的な動物になったのは、食卓を囲むという習性があるからだ、という点だ。
他の類人猿は血縁やごく少数のコミュニティだけで食事を取る。
だが、人間は食卓を囲む相手は多種多様だ。
それは現代社会だけではなく、昔からそうだったと考えられる。
脳が大きく、成長するまでに時間がかかる人間は、子 . . . 本文を読む