一連のコロナによってこの地上で最も枯渇しているのは倫理ではなく相手への配慮であることがわかった。
マスクをすることで守れるのは自分ではなく他人であるからだ。
だから手洗いにしてもうがいにしても他人への配慮の表れとして行うように喧伝される。
時に過剰な不安を煽りながら。
同時に、ロックダウンや自粛【要請】にしても、医療従事者というその他の多くの人には見えにくい他者への配慮が求められる施策によってコ . . . 本文を読む
評価点:78点/2018年/アメリカ・オーストラリア/95分
監督:リー・ワネル
この映画は本質的な問いかけをしているのかもしれない。
近未来。
多くのことがオートメーション化されることが当たり前になった時代。
車はもはや運転するものではなく、機械が自動的に運んでくれれるものになった。
そんな世界でも車のメンテナンスを生業にするグレイ(ローガン・マーシャル=グリーン)は、妻とともに顧客のエロ . . . 本文を読む
評価点:77点/2020年/日本/102分
監督:杉原輝昭
物語の結構がうまい。
イズを取り戻した或人社長(高橋文哉)は、突然エス(伊藤英明)と名乗る男に脅迫された。
エスは仮面ライダーエデンとなり、世界を滅亡させることを宣言する。
60分以内に止めなければ世界は崩壊するという。
同時に世界各地で謎の赤いガスがまき散らされるというテロが発生する。
煙を吸った人はその場で倒れ、意識不明に陥って . . . 本文を読む
これを書きあげようと思ったのは数年前だった。
だが、考えられる観点が少なく、そして説得力ある文章にできる自信もなかったので書いてこなかった。
もちろん、書こうとしている今でも説得力あるどころか、かなり横暴な議論になっていることは承知しているが。
そのとき、最初に考えついた観点は、今回取り上げる〈他者〉である。
本とインターネットとを分かつ最も象徴的な対比は〈他者〉の有無ではないか、ということだ。 . . . 本文を読む
さて、終わりが近づいてきた。ようやく。
5つめの観点は、情報の質についてだ。
以前にも書いたように、本は内部に目的があり、インターネットは外部に目的がある。
インターネットはそれ自体の記事で利益を上げること(目的を完遂すること)をせずに、それを利用させることで別の利益に繋がるような広告の役割を果たす。
これが、情報の質にも影響する。
目的の内外によって、本はフィクション(虚構)を描くが、インタ . . . 本文を読む
4回目の今回の観点は、目的、である。
本とインターネット、その目的は何だろう。
それを一義的な回答で集約することは難しい。
ともに、言葉や画像など、さまざまな方法で伝える、メッセージであるからだ。
キレイな対比は取りにくいのは、これまでの観点と共通していることだ。
しかし、こういう言い方は通用するのではないかと考えている。
それは、本は内部に目的を持ち、インターネットは外部に目的を持つ、という . . . 本文を読む
本とインターネットとの違いは何か。
今回の観点は、異化と同化、というものだ。
異化と同化についてはこれまで何度か書いてきたので、そちらを読んでいただこう。
まあ、読まないだろうけれど。
結論から言えば、本を読む人は異化を求めている。
一方、インターネットを開く書き込む人は、同化を求めている。
もちろん、反対の場合もある。
けれども、多くの場合、同化と異化は棲み分けされているように感じる。
た . . . 本文を読む
評価点:55点/2019年/アメリカ/119分
監督:ジョン・ファブロー
「仏作って魂入れず」
サバンナの王、ライオンのムファサに子どもシンバが生まれた。
サバンナは喜び宴を催したが、ムファサの弟スカー(傷の男ではない)はそれを快しとしなかった。
物心がついたシンバをそそのかし、サバンナの禁忌であるゾウの墓場に連れて行く。
シンバとその幼なじみナラ(奈良ではない)は、ゾウの墓場を縄張りにして . . . 本文を読む
本とインターネットはどこが違うのか。
インターネットは登場した当時、他のメディアとは違って双方向のメディアであることが注目されていた。
もちろん、今でも双方向であることには変わりない。
しかし、実質的に双方向ではない、という点も既に自明のことであるように思う。
当初描かれていた、教科書のようなインターネットでは、人と人が活発に議論交流できるような、真の意味での双方向性を掲げていた。
現在、そう . . . 本文を読む