人間は何度か主人公であることを奪われている。
その一つが、心理なるものを奪ったフロイトの分析である。
人間に把握できる精神なるものは実は幻想であり、そのほとんどは自身では把握できない無意識の塊であることをフロイトは明かした。
また、ニーチェは神から愛されたものとして人間を規定することを放棄させ、神は人間が生み出した幻想であることを明かしてしまった。
そして情報社会は人間が労働から生み出す主体的な動 . . . 本文を読む
評価点:73点/2021年/アメリカ/136分
監督:マイケル・ベイ
アンビュランスの、アンビバレンツなアンバランス。
幼い息子を持つ元軍人のウィリアム(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)は、妻ががんになったが高額の実験的治療にかかるお金を工面できなかった。
妻には内緒で、育ての親LTの息子、ダニエル(ジェイク・ギレンホール)にお金の相談に向かった。
彼の父、LTは伝説的な銀行強盗で、その . . . 本文を読む
評価点:63点/2022年/日本/124分
監督:新海誠
入口と出口が違う。
すずめ(声:原菜乃華)は熊本に住む女子高生。
ある日通りがかった男(声:松村北斗)から、この辺りに廃墟はないかと尋ねられる。
咄嗟に忘れられた集落を答えた。
気になるすずめは授業を抜け出してその廃棄を訪れる。
そこで不思議な扉をみつけ、そばにあった石を引っこ抜く。
それが物語の始まりとなった。
新海誠の待望の新作 . . . 本文を読む
評価点:76点/2022年/アメリカ/126分
監督:オリヴィア・ニューマン
語りのズレと、完璧な映画化と。
チェイス・アンドリュース(ハリス・ディキンソン)の遺体がカロライナ地方の湿地で発見された。
火の見櫓から落下したと思われるが、周りには指紋や足跡一つ残されていなかった。
逮捕されたのは湿地に一人で住む、娘カイア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)だった。
彼女の家からは、チェイスの遺体 . . . 本文を読む
最後の最後で、圧倒される。
カイアは幼少期、母親が家を出て行くのを見た。
そのときいつもの買い物に行くような様子ではなかったことを覚えていた。
次いで、兄と姉が相次いで家を飛び出した。
カイアは酒に溺れる父親とともに、人々が寄りつかない湿地で過ごすことになった。
カイアが24歳になったころ、湿地で一人の若者の死体が発見される。
地元で有名なクオーターバックの選手だったチェイス・アンドリュースは湿 . . . 本文を読む