評価点:82点/1986年/アメリカ
監督:トニー・スコット
いわずと知れた戦闘機乗りのお話。
一流だが無鉄砲な性格のマーベリック(トム・クルーズ)は、その腕を買われ
世界最高峰の米軍の、エリート・チームに推薦される。
しかし、チームに入っても無鉄砲な性格には変わりない。
美人教官のチャーリー(ケリー・マクギリス)にアタックし、見事に恋を射止める。
しかし、訓練中、危険な行動ばかりとるマーベリックは、周囲から批判の声が絶えない。
そんな中、相棒のグースが、訓練中の事故のために命を落とす。
彼は、事故の責任は自己にあると、落胆してしまう。
トム・クルーズが大ブレイクした本作。
実は難読症で、大変な苦労があったのだという。
もうかなり古くなってしまったが、それでもこの映画は面白いし、よくできていると思う。
▼以下はネタバレあり▼
1980年代半ばといえば、アメリカとソ連との冷戦体制がピークを迎えていたころである。
その後、ベルリンの壁崩壊や、ソ連の政権の解体など、アメリカの敵がいなくなる時代に突入する。
その意味で、あからさまに「mig」と連発できたこのころは、アメリカにとって、「戦争をすることに対して呵責が必要なかった」時代、といえるのではないだろうか。
実際には、ベトナム戦争の爪あとが深く残っている時代だったが、それでも、今のように反戦・世界平和か、自国の利益かという大きな矛盾を抱えなくても戦争ができた時代だった。
この映画を観ていて、「ああ、もうこんな映画は作れないだろうな」と、妙に感慨深く思ってしまった。
ともあれ、この映画は、戦争映画とは違う。青春ドラマ、と言ったほうがいいだろう。
青年が挫折(友人グースの死)と恋(チャーリー教官)を経験し、大人(教官)になる。
しかし、この映画のすごいところは、いちいちカッコいいことである。
主人公の話すしぐさ、悩む表情、何気ないジャケットの姿、バイクに乗り、サングラスをかける雰囲気。
全てがかっこよく撮られている。
それは、トム・クルーズということもあるだろうが、アメリカ空軍という当時としては花形の、正に世界最高峰の舞台が設定されているからだ。
この映画をみて、どれだけパイロットにあこがれたアメリカ人がいたのか。
それは、日本人の僕も例外ではない。
いかんともしがたいほどの、「憧れ」の世界である。(かといって自衛隊を目指したわけではないけれども)
ストーリーは、はっきりいって、今見れば陳腐かもしれない。
しかし、この世界観は、いつまでたっても色あせない。
戦争賛成、と言いたいわけではもちろんない。
そこにカッコ良さを見出すこと自体が、戦争をあおっているのだ、という批判は、そうかもしれない。
しかし、やはり、カッコいいのだ。
それは、思想や主義、理性を吹っ飛ばして、カッコいいのだ。
戦闘シーンも、CGが使い古された昨今においても、充分見ごたえがある。
多少、使いまわしているようなところも見受けられたが、やはり本物をつかって撮られたF14は、CGなどという作り物とは違う迫力がある。
今は、もうこうした撮影はできないのかもしれない。
また、できたとしてもCGで済ませてしまうだろう。
本物しか使う事ができなかった(無論、模型をつかったシーンもあるが)ころの
良さがあり、それはもしかしたら、今の撮り方よりもすぐれているのかもしれない。
「訓練」という無菌状態で経験する挫折は、やはり青臭さが残る。
また、戦争をしているのだ、という強烈な重さもない。
しかし、それもまた、今では描けなくなった「軽さ」なのかもしれない。
映像は本物以上にリアルに、ストーリーも現実的なものに、という現代の映画には、
もうこんな映画はこんな映画は撮れないだろう。
そんなところに、改めて観た僕は、少し喪失感のようなものを覚えた。
この映画のウリの一つに、耳に残る音楽がある。
主題歌もさることながら、効果音もいい。
おなかにむかって鳴る重低音は、臨場感を引き出す。
今回見て気づいたのだけれど、メグ・ライアンも出ていたんだよね。
出ているシーンをみて、「似てるな~」と思ったら、やっぱ出ていたみたい。
でも、僕の中でのこの作品の一番の役者は、もちろん「アイスマン」。
名前、カッコよすぎるだろ!
そうそう、この映画は多くの映画にも影響をあたえた。
チャーリー・シーンの「ホット・ショット」はあまりにも有名だけど、ニコラス・ケイジの「アパッチ」(1990年)も、もろにこの映画に影響されているよね。
(2004/4/7執筆)
ちなみに、この映画は僕が初めて手に入れたビデオだ。
なにかのキャンペーンで応募したら、当選して、トップガンのビデオが送られてきた。
懸賞で当たったのも初めてだったし、すごく思い出に残っている。
その頃から、映画が大好きだったようだ。
監督:トニー・スコット
いわずと知れた戦闘機乗りのお話。
一流だが無鉄砲な性格のマーベリック(トム・クルーズ)は、その腕を買われ
世界最高峰の米軍の、エリート・チームに推薦される。
しかし、チームに入っても無鉄砲な性格には変わりない。
美人教官のチャーリー(ケリー・マクギリス)にアタックし、見事に恋を射止める。
しかし、訓練中、危険な行動ばかりとるマーベリックは、周囲から批判の声が絶えない。
そんな中、相棒のグースが、訓練中の事故のために命を落とす。
彼は、事故の責任は自己にあると、落胆してしまう。
トム・クルーズが大ブレイクした本作。
実は難読症で、大変な苦労があったのだという。
もうかなり古くなってしまったが、それでもこの映画は面白いし、よくできていると思う。
▼以下はネタバレあり▼
1980年代半ばといえば、アメリカとソ連との冷戦体制がピークを迎えていたころである。
その後、ベルリンの壁崩壊や、ソ連の政権の解体など、アメリカの敵がいなくなる時代に突入する。
その意味で、あからさまに「mig」と連発できたこのころは、アメリカにとって、「戦争をすることに対して呵責が必要なかった」時代、といえるのではないだろうか。
実際には、ベトナム戦争の爪あとが深く残っている時代だったが、それでも、今のように反戦・世界平和か、自国の利益かという大きな矛盾を抱えなくても戦争ができた時代だった。
この映画を観ていて、「ああ、もうこんな映画は作れないだろうな」と、妙に感慨深く思ってしまった。
ともあれ、この映画は、戦争映画とは違う。青春ドラマ、と言ったほうがいいだろう。
青年が挫折(友人グースの死)と恋(チャーリー教官)を経験し、大人(教官)になる。
しかし、この映画のすごいところは、いちいちカッコいいことである。
主人公の話すしぐさ、悩む表情、何気ないジャケットの姿、バイクに乗り、サングラスをかける雰囲気。
全てがかっこよく撮られている。
それは、トム・クルーズということもあるだろうが、アメリカ空軍という当時としては花形の、正に世界最高峰の舞台が設定されているからだ。
この映画をみて、どれだけパイロットにあこがれたアメリカ人がいたのか。
それは、日本人の僕も例外ではない。
いかんともしがたいほどの、「憧れ」の世界である。(かといって自衛隊を目指したわけではないけれども)
ストーリーは、はっきりいって、今見れば陳腐かもしれない。
しかし、この世界観は、いつまでたっても色あせない。
戦争賛成、と言いたいわけではもちろんない。
そこにカッコ良さを見出すこと自体が、戦争をあおっているのだ、という批判は、そうかもしれない。
しかし、やはり、カッコいいのだ。
それは、思想や主義、理性を吹っ飛ばして、カッコいいのだ。
戦闘シーンも、CGが使い古された昨今においても、充分見ごたえがある。
多少、使いまわしているようなところも見受けられたが、やはり本物をつかって撮られたF14は、CGなどという作り物とは違う迫力がある。
今は、もうこうした撮影はできないのかもしれない。
また、できたとしてもCGで済ませてしまうだろう。
本物しか使う事ができなかった(無論、模型をつかったシーンもあるが)ころの
良さがあり、それはもしかしたら、今の撮り方よりもすぐれているのかもしれない。
「訓練」という無菌状態で経験する挫折は、やはり青臭さが残る。
また、戦争をしているのだ、という強烈な重さもない。
しかし、それもまた、今では描けなくなった「軽さ」なのかもしれない。
映像は本物以上にリアルに、ストーリーも現実的なものに、という現代の映画には、
もうこんな映画はこんな映画は撮れないだろう。
そんなところに、改めて観た僕は、少し喪失感のようなものを覚えた。
この映画のウリの一つに、耳に残る音楽がある。
主題歌もさることながら、効果音もいい。
おなかにむかって鳴る重低音は、臨場感を引き出す。
今回見て気づいたのだけれど、メグ・ライアンも出ていたんだよね。
出ているシーンをみて、「似てるな~」と思ったら、やっぱ出ていたみたい。
でも、僕の中でのこの作品の一番の役者は、もちろん「アイスマン」。
名前、カッコよすぎるだろ!
そうそう、この映画は多くの映画にも影響をあたえた。
チャーリー・シーンの「ホット・ショット」はあまりにも有名だけど、ニコラス・ケイジの「アパッチ」(1990年)も、もろにこの映画に影響されているよね。
(2004/4/7執筆)
ちなみに、この映画は僕が初めて手に入れたビデオだ。
なにかのキャンペーンで応募したら、当選して、トップガンのビデオが送られてきた。
懸賞で当たったのも初めてだったし、すごく思い出に残っている。
その頃から、映画が大好きだったようだ。
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