卵を分けて欲しいと訪ねてきても、むやみに家に入れてはいけません!!何が起こるか予測がつきません。慎重に・・・・・。とにかく慎重に・・・・!
ということでミヒャエル・ハネケ監督が97年に発表した傑作「ファニーゲーム」オリジナル版が場所をアメリカに移し、英語バージョンとして撮影された「ファニーゲームUSA」のレビューを紹介します。
映画史上かってない衝撃!新ジャンル、SSSとは?
あまりにも不条理で、動機無き犯罪はまさに驚きと腹立たしさと怖さが観るものに心理的ショックを与えるものだと思いました。鑑賞前から観ようかどうしようか?悩んでいたんですけれどね。思い切ってシアターに足を運びました。
他人事とは決して思えないその恐怖、何処かで起こっているような事件にも思えます。
STORY
ある夏の日、ヨットを牽引した4WDがハイウェイを爽快に走っていく。カメラは真上から車を捉えている。バックに流れる♪はヘンデルのオペラやモーツァルトなど・・・・。それが一転してアヴァンギャルドなジョン・ゾーンによるハードコア・ノイズに切り替わる。まるでこれから起きる不吉な出来事を予感してなのか?
ハンドルを握る夫のジョージ・ファーバー、助手席には美しい妻アン、後部座席には息子のジョージが座っている。愛情に満ち、経済的にも恵まれた家族の姿。一家は数週間、湖の別荘で過ごす予定を立てていた。
別荘に到着すると、隣の別荘に住む友人のフレッドとイブが白いポロシャツに半ズボンという出で立ちの見知らぬ2人組の青年と一緒に庭に立っていた。ヨットの組み立てを頼みたいと彼らに声をかける。まもなくフレッドが知り合いの息子だという青年ポールを連れて現れる。その2人の協力でヨットを湖に出す。フレッドの様子が少しおかしい?と気づくも・・・・。まさかその後予測もつかないゲームが始まるとは・・・・。
しばらくすると、玄関先にもう一人の青年ピーターが訪ねてくる。彼はイブの使いで、卵を4個分けて欲しいと頼みに来たのだ。丁重な態度の彼にアンは快く卵を渡すが、玄関先でピーターは卵を床に落として、すべて割れてしまう。アンは「気にしないで」と割れた卵を掃除すると、ピーターは低姿勢ながらも図々しく、さらに卵を4個分けて欲しいと言い出す。渋々と卵を冷蔵庫から出して渡そうとしたとき、ピーターは流しの横に置いていたアンの携帯電話を誤って水の中に落としてしまう。アンは怒りを抑えてピーターに卵を渡すとようやく彼を家から追い出した。
アン役(ナオミ・ワッツ)
だがその直後、玄関の外で愛犬ラッキーが異様に吠え始める。アンが玄関に向かうと、そこにはラッキーに吠えられたピーターとポールが家の中に入って立っていた。
ラッキーの姿は声とともに消えてしまいます。そんなアンはラッキーを探すのですが。何と!ラッキーは・・・・・・。
再々度、卵を落としたのでもう一度卵をもらえないかという。彼らの薄気味悪い態度にアンは怒りだす!とそこに夫と息子が戻って来た。
夫のジョージがアンに代わって事情を問いただすとポールはアンが誤解しているのだと言い張り、執拗に卵を要求する。それが口論となってポールに罵倒されたジョージは、思わず彼の頬を平手打ちしてしまう。
すると突如ピーターが玄関に置いてあったゴルフ・セットからドライバーを取り出し、zジョージの膝を打ち砕いた!
瞬時に残忍で冷酷な本性を現したポールとピーターは、一家を居間に押しやり薄笑いを浮かべながら「今から12時間後にお前たちが生きているか、死んでいるか賭けをしょう」と持ちかける。
悪い冗談にしか聞こえないこのゲームの始まりとともに青年たちの行動はしだいにエスカレートし、一家をじりじりと責めたてる。
各々が脱出と逆襲をあの手この手に試みるが、青年たちは恐ろしいほど冷静で計算高く、常に彼らの一歩先を読んでいた。
息子ジョージも彼らに抵抗するも・・・・。どうすることも出来ない。
息子ジョージ役(デヴォン・ギアハート)
息子ジョージは何とか逃げ出し、隣家へ助けを求めに行くが・・・・。そこで見た光景は、青年たちによってすでにフレッド一家も手をかけられていた。絶対絶命の一家!
とうとうポールに見つかってしまうジョージ、拳銃で身を守るも・・・・。
果たして一家は助かる手はあるのか・タイムリミットは刻々と迫り来る・・・・。戦慄の夜が明けたとき、ゲームの覇者としてこの場所で生き残るのは一体誰なのだろうか?
アンはピーター(ブラディ・コーベット)に救いを求めるが。
ここから少しネタバレかも・・・・。
息子ジョージは手をかけられてしまいます。そしてこの2人は一旦この場所から立ち去るのですが。
息子は亡くなってしまう。ジョージは足を怪我しているため、アンにひとりで逃げるように促します。ジョージ役(ティム・ロス)
さて逃げ切れるのか?彼らがまた戻ってくる可能性は大です。水に濡れた携帯の電源が入った!何とか助けを呼ぼとします。このシーンは思わず息を呑んで見入ってしまいます。
アンは逃げ切れなかった。再び彼らの手中に・・・・。
転がしたゴルフボールを手に、薄笑いのポール。一体何を考えているのか?
面白い場面というのか、非常に印象的なシーンがありました。アンが隙を見て銃でピーターを撃つシーンがあるのですが。何故か?ポールがテレビのリモコンで巻き戻すんですね。するとピーターは大丈夫。このシーンがちよっと意味深いものなのかなあなんて。
ルールは簡単 家族を選択し、
犠牲者を決定。 さあ、ゲームのスタート
観客はゲームの犠牲者になったかの様な錯覚に陥る。
映画史上覆す手法で完膚なきまでの悪夢をより強烈に再現したトリプルSムービー。危ない作品です。これを観て真似をする人がいるとやばいですね。
ポール役(マイケル・ピット) この表情が薄気味悪い。でもこの役がはまっていた。
観客に向かって時々メッセージなるものを送るあの目がなんともいえない。
ラストも彼のドアップでジ・エンド!再びあの音楽が流れる♪いやあむかっ腹の立つ!あいつらめ~~!って気分ですね。非常に不快感が残りました。
平和な家族を突然襲う不条理な暴力を挑発的に描いた鬼才ミヒャエル・ハネケ監督による衝撃の問題作を、主演にナオミ・ワッツを据えて監督自らがハリウッドでリメイク。共演は「海の上のピアニスト」のティム・ロス。
このリメイク版を撮影するにあたって、主役の女性をナオミ・ワッツにやってもらいたと希望したそうです。他の女優ではやりたくないというくらい、彼女の女優としての評価を高くかっています。これほどまでに悲しみや挫折を表現できる女優は滅多にいないでしょう。(インタビューより)
テイム・ロスの起用については。彼はたいてい悪くて、タフで、ハードボイルドな役柄が多い俳優なので、まったく正反対の役をやったら面白いのではと思いました。
青年2人と子役の決定は長い時間を要しました。これらの俳優さんたちも、どの役においても、すぐに「彼しかいない」と思えたような才能ある俳優陣です。
主役を演じたナオミ・ワッツは「これまでで一番苦労した作品」と告白した。監督は、リメイク版をオリジナル版と同じショットで撮っていたから、演じる側としては試練でした。と話す。
今回ナオミワッツは製作総指揮でもかかわっている。
ディア | 映画 |
上映時間 | 111分 |
製作国 | アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(東京テアトル) |
初公開年月 | 2008/12/20 |
ジャンル | サスペンス/ホラー |
映倫 | PG-12 |
マイケル・ピットくんの不気味な笑顔サイコーでしたよね。
ナオミ・ワッツも本当にハマり役でした。
こんなに悲劇と悲鳴が似合う女優はいませんー。
あの巻き戻しの場面は軽いような重いような不思議な感じでした。。。
マイケル・ピットはカメラ目線で不敵な表情を浮かべる演技が上手かったですね。
気がしました。BCさんの記事を読んで
またところどころが蘇ってきました。
マイケル・ピッドは、本当に不気味で
腹がたつくらい憎らしい演技でしたね。
オリジナル版ではポールではなく、
パウルでした。私はマイケル・ピット君の
方がハマっていたように思います。