テロより怖い、医療問題。
9月2日、京都シネマにて鑑賞。マイケル・ムーア監督の3年ぶりの最新作だ。私が観たのは、「ボウリング・フォー・コロンバイン」以来である。残念ながら、「華氏911」は未見である。ブッシュ大統領に突撃取材という話題の作品だったのに・・・・。観れなくて残念
さて今回の新たな標的はな・な・な・なんと誰もが関わりをもつ、医療問題だ日本でも、医療費の負担額は、随分厳しい状況3割負担の私とっても、かなりきつい薬を貰うたび、金額の多さに気分。しかしこんな事で憤慨してはいけない。先進国アメリカの医療問題の実態を知って、無茶苦茶なのだ。
まず一番のを呼ぶのに、事前申請が必要信じられない~~救急車って救急だから、呼ぶのに何故????ムーアは吼える「アメリカの医療制度はビョーキ(Sicko)だ」と・・・・。医療業界は限界態勢ブッシュ政権は大混乱のようす?医療業界のお偉方は髪の毛が抜けたらしい。ただちに「マイケル・ムーア対策マニュアル」が出来たそうだ。ご丁寧にも、ムーアそっくりさん実演付きDVDも製作されたらしい。(凄~いじゃん!)
また何とブッシュ政権はムーアに、突撃取材先キューバへの不法侵入国の容疑をかけて、上映中止をちらつかせたらしい(いやだね)
もっとなのは、何と来年の大統領選挙候補の多くが、「公的健康保険の導入」を公約に掲げ始めたということだ。
なんとアメリカの健康保険充実度は世界37位、こんな超大国なのに、先進国中最下位なのだ
唯一先進国で国民健康保険制度がないアメリカ。6人に一人が無保険で、毎年18,000人の人が治療を受ける事が出来ずに死んでいく。(わあ~なんてことなんだ)でも驚くのは、待ってください今回「シッコ」ではちゃんと保険に入っている人のお話なのです。なら、何の問題があるの?いや大ありなんです
アメリカの医療保険の大半はHMO(健康維持機構)という、民間の保険会社が医師に給料を支払って管理するというシステムなんですね。
そしてこの管理システムには、驚くべき裏の実態が!!!!保険会社は、医師が治療が不要と診断すると、無駄な支出を減らしたといういうことで奨励金を与え、加入者には何かと理由つけて、保険金を払わない。それからです、政治家に多額の献金で操り、都合のいい法律を作らせる。公的医療保険制度を求める動きに対して、「国による健保の管理は社会主義の第一歩だ!」と都合のいいことを言っている。結局、国民は高い保険料を払っても、一度大病を患えば、治療費を支払われずに病死「こんなの、もう沢山だ」とムーアは叫ぶ
本作「シッコ」では「アメリカに国民健康保険制度を実現させること」そして、「病気で苦しむ人たちを救うこと」だ
日本の医療制度も危ないかもーーー他人事でないかもしれない。医療費の大幅削減し、介護医療も民間だしね。確かに健保民営化もあるかもしれないよね。負担額ももっと増えるかも
生きるべきか、死ぬべきかーーーーアメリカでそれを決めるのは保険会社。
① 仕事中、事故で指を2本切断した大工さん、健康保険を持っていない彼に、医師は聞く「薬指をくっつけるのに12,000ドル、中指は60,000ドル、どっちにしますか?」そして選んだのは薬指、中指はない。
② 悠々自適な引退生活のはずの高齢者、毎日スーパーで働く会社を辞めれば、福利厚生の一部である保険を失う薬代を払えないからだ。健康保険をキープするために、死ぬまで働かなければならない。
③ 骨髄移植で命が救われるかもしれない重病の夫を抱える妻。彼の家族の骨髄がマッチすると判明大喜びしたのに、保険会社は金をなかなか下ろさない。待っているうちに、夫は亡くなってしまった「何故?」と良き夫で、良き父だった愛する男性の写真を手にして止まらない涙。
ムーアは、カナダ・イギリス・フランスを訪ねる他の国の医療制度は・・・・。どの国も、基本的に国が運営する保険でカバーされている。イギリスはNHS(国民保険サービス)の運営する病院では、交通費も患者に支払っていた。(これは凄いよね)フランスの中流家庭の妻の話、「一番お金がかかるのは食費、次に休暇」、アメリカでは実現できないのか?本当にアメリカはこんな社会でいいのか?
最後に、9・11で救命作業のために、自ら健康を犠牲にした救命員たちをキューバに連れて行く。なぜなら、キューバ南に位置するグアンタナモ海軍基地では唯一アメリカの無償治療が受けられるところなのだ。何とそこに収監されているアルカイダの一味はその恩恵を授かっているからだムーアは叫ぶ「9・11の英雄に容疑者と同じ治療を受けさせてくれ」でも返事はない・・・・。
仕方なくムーアは病人たちである彼らを“敵国”キューバの病院に連れて行く。医者達は無償で治療をしてくれた。優しい笑顔で、「大丈夫ですから!」と励ましてくれる自分たちの国で、そんな言葉をかけてもらったことはなかった。収入を工面して何とか購入している薬が、アメリカでは120ドルなのに、ここではたったの5セントだという
なにかがおかしいもう誰もが気づいている。利益を第一にする保険会社がすべて牛じるシステム自体がおかしいのだどうすれば、かえれるのか?ムーアは観客に呼びかける
儲け主義のアメリカでは、国民はないがしろにされているのだ。先進国とは名ばかりか・・・・・。日本も格差社会と突き進んでいるから、どうなるか分からないななんて・・・。マイケル・ムーアは救世主かも。アメリカの実態も、大したことはないんだね。
パンフレットを買うとこのシ-ル付いて来ます
追記:最後に、撮影に至るさまざまなお話をちょこっと
ムーアはまず、一般人から体験談を集めることに。自らのウェブサイトで呼びかける。保険会社とのトラブル・保険のないために、どんなことになったか?病院や医師がいかにあなたの治療を行わないように画策したか?等とさまざまな経験・体験を募集したところ、何と1週間で25,000通のメールが押し寄せたのだ
限られた上映時間なのですべてについては語れないため、ある程度、焦点を絞ることに。それが、保険加入しているにも関わらず、保険金支払いを拒否され、人生をめちゃくちゃにされた人々を取材することにした。
撮影はアメリカ国内からスタートした。クルーは全米に住む患者たちを取材するために駆け巡ったその後、イギリス・カナダ・フランスへと・・・・。他の先進国と比べて、アメリカの医療制度がいかに劣っているかを証明するために。
最終的に撮影日数は130日を超え、トータルで500時間以上に及ぶ映像が収録された。取材した話は150から200件。
「華氏911」のクリストファー・スワード、今回新しく加わった「不都合な真実」のダン・スゥイエトリクらとともに編集した。今回の撮影は、精神的にとても苦しかったとムーアは証言する。医療システムへの怒り取材した人々に対する悲しみで雰囲気が重苦しくなるのを、ユーモアで乗り越えようとした完成した映画はこれまでのムーアの映画とはかなり違う仕上がりになっている。ムーアもそれを認めている。「この映画はひとつの挑戦だった」と振り返った。
ということで、映画製作がどんな状況だったか?少し書き加えました
感心しながら読ませていただきました。
見てから10日も経つと、こまかいところを忘れていくので・・・。
おちおち病気もなってらんないですよね。でも、あの人たちの体格を見てると、健康に留意してるようにも見えないですよね。
自由の国は、目に見える管理というものに無用な拒否感を示すので、難しいのかなあ、などとも思ってしまいました。
管理と公的保護の違いの微妙なさじ加減ですね。
気合の入った記事ですね!
スタッフの取材努力は大変なものでしょうね。
映画にとりあげられたのはその一部ですが、スタッフは誠実に取材していると思います。