
昨日(17日)は、近所の小学校の卒業式でした。
低学年の子供たちは休みになっているらしくて、近所では午前中から子供たちのニギヤカな声が響きわたっておりました。
と、思っていると、何やら歌声が。
子供たちが歌っているのです。
「♪き~み~が~よ~は~」
! 君が代・・・?
「♪ち~よ~に~い~~や~ち~よ~に~」
・・・これは、今の小学生が右傾化しているととらえるべきか、国を愛する心が育っているととらえるべきか。。。
「♪さざえ~ いその~
いくらと なみへえ~」
・・・考えすぎでした。
天気の良かった昨日とはうって変わって、今日の空は朝から今にも泣き出しそう。
といっても、曇りの朝ってあまり寒くないので、助かるんですけどね。
灰色の空を見ているうちに、なんとなく聴きたくなったのが「レッド・ツェッペリンⅡ」。
ブルースを基調としたハード・ロックが、どんよりとした空に似合う気がします。
ぼくが初めてツェッペリンの曲を聴いたのは中学2年の時です。仲の良かったヨシダ君に教えてもらったんです。ヨシダ君は、ぼくが遊びに行くといつもぼくの知らないロックのレコードを聴かせてくれるのです。
初めて聴いたレッド・ツェッペリンのレコードが、名盤と名高い「Ⅱ」でした。
1曲目の「胸いっぱいの愛を」でたちまちノックアウトされました。
イントロからいきなり飛び出してくる重苦しく強烈なギターのリフにすぐ惹かれてしまいました。
そして中間部の不思議な浮遊感、ロバート・プラントのエキセントリックなシャウト、パーカッション。
これらの、どこかサイケデリックで呪術的な響きが醸し出す異世界のこれまたなんとカッコいいこと!
このアルバムの中でぼくが一番好きな曲は、「胸いっぱいの愛」と「サンキュー」でしょうか。中でも、アコースティック・ギターとオルガンが幻想的なフォーク調バラードの「サンキュー」にはとくに心惹かれますね。
ブルース・ナンバーの「レモン・ソング」も好きな曲です。粘っこいミディアム・スローの曲なんですが、途中でテンポが倍に変わった時の疾走感がこれまたタマらない。
8曲目の「モビー・ディック」は、ステージではドラム・ソロ用の曲としておなじみですよね。
レッド・ツェッペリンの曲は、ブルースを下敷きにしているんですが、他のブルース・ロック・バンドやハード・ロック・バンドとは雰囲気が違うような気がします。ツェッペリンには、フォークやトラディショナル・ナンバーなどの香りがいつもどこかに漂っているような感じがするからなのです。そして、そのアコースティックな響きと、ヘヴィ・メタリックでハードなサウンドが同居しているところが、彼らの面白さのひとつではないでしょうか。
ロバート・プラントのヴォーカルも、ビートルズやクイーンなどが好きだったぼくには異質に聴こえました。それまでは、ヴォーカルというのはあくまで曲(テーマ)の旋律を歌うものだと思っていたのですが、プラントの歌は、「喉という楽器」を使った「演奏」のように聴こえるのです。
ジョン・ボーナムが叩き出すヘヴィなリズムの気持ち良さも、これまた格別なんですよね。
デビュー当時、ツェッペリンはマスコミから「ブルースを改悪しただけだ」という批判を浴びていたそうです。でもこれ、逆に考えると、ツェッペリンというバンドが素晴らしい力を持っていたからこその批判ではなかろうか、と思ったりするのです。だって、話題性も音楽性も持っていないバンドは最初から批判の対象にすらならないでしょうからね。
「レッド・ツェッペリンⅡ」。
なんだか久しぶりに聴いたなあ。
やっぱりこの頃のツェッペリンって勢いが感じられますね。演奏自体もとてもエネルギッシュ、破壊力抜群です。
そして、今まで聴いたいろんなバンドと比べても、「貫禄」のようなものが際立って感じられるのです。
やっぱり凄いバンドだったんだな。
◆レッド・ツェッペリンⅡ/Led Zeppelin Ⅱ
■歌・演奏
レッド・ツェッペリン/Led Zeppelin
■リリース
1969年10月22日
■プロデューサー
ジミー・ペイジ/Jimmy Page
■収録曲
[side A]
① 胸いっぱいの愛を/Whole Lotta Love (Jimmy Page, Robert Plant, John Paul Jones, John Bonham, Willire Dixon) ☆アメリカ4位
② 強き二人の愛/What Is and What Should Never Be (Page, Plant)
③ レモン・ソング/The Lemon Song (Page, Plant, Jones, Bonham, Chester Burnett)
④ サンキュー/Thank You (Page, Plant)
[side B]
⑤ ハートブレイカー/Heartbreaker (Page, Plant, Jones, Bonham)
⑥ リヴィング・ラヴィング・メイド/Living Loving Maid (She's Just a Woman) (Page, Plant) ☆アメリカ65位
⑦ ランブル・オン/Ramble On (Page, Plant)
⑧ モビー・ディック/Moby Dick (Bonham, Page, Plant)
⑨ ブリング・イット・オン・ホーム/Bring It On Home (Willie Dixson)
☆=シングル・カット
■録音メンバー
[ Led Zeppelin ]
ロバート・プラント/Robert Plant (lead-vocals, harmonica)
ジミー・ペイジ/Jimmy Page (guitars, theremin, backing-vocals)
ジョン・ポール・ジョーンズ/John Paul Jones (bass, organ, backing-vocals)
ジョン・ボーナム/John Bonham (drums, backing-vocals)
■チャート最高位
1969年週間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)1位 イギリス1位 日本(オリコン)8位
1970年年間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)2位
やっぱりツェッペリンは、王者ですよね。
まずは、各メンバーのコンポーザとしての才能と、プレイヤーとしての技量が(ペイジのギターの腕前を除き)パーフェクトだし、結果として産み出されたアルバムにも、全く駄作がないですもんね。「II」は、初期の代表作って事で名高いんと思いますが、ファーストも「III」も最高ですもんね。一方で、後期は後期で、また最高だし・・・。
やはり凄過ぎるバンドですね。
というか、おはようございます。
>ペイジのギターの腕前を除き
ここ、ひそかにツボでした(笑)
最初はほんっとに地味で目立たなく思えたジョン・ポールのベースですが、長年聴いているうちに、その半端じゃない良さが段々とわかるようになりました。
ボンゾとのリズム隊は、ある意味鉄壁かな、と思います。
どれだけオリジナルな世界を創り上げられるか、がバンドの価値のひとつだと思ってるんですが、その意味でも凄いバンドだったんだ、って、今さらながらしみじみ思いましたよ。