リフィーディング症候群。
飢餓状態の人間が、急にその胃袋に豪華で多量の食べ物を詰め込むと、命にかかわることもあると言う。
飢餓状態の人間が、急にその胃袋に豪華で多量の食べ物を詰め込むと、命にかかわることもあると言う。
7月6日夜の蔭涼寺は、生の音に飢えながらこの数ヵ月を過ごしていた人々が集まっていた。
心の、音に対する飢えを満たすために。
バンクシアトリオの面々は、久しぶりの生音で我々が驚かぬよう音の濃さ重さを徐々に増すなどという、上っ面の優しさ、いや優しいふりなどは微塵も持ち合わせていなかった。
最初から、あのロマンチックでハードボイルドなサウンドを全開にして客席に迫ってきたのだ。
バンクシアトリオは、日野皓正グループなどで活躍する、日本ジャズ界の重要なベーシストのひとり須川崇志が率いている。
メンバーは、それぞれが言うまでもないほどの手練れであり、独自の音楽観で美しい世界を形作り、ひきもきらないオファーを受けて各地を飛び回っている。
バンクシアトリオは、日野皓正グループなどで活躍する、日本ジャズ界の重要なベーシストのひとり須川崇志が率いている。
メンバーは、それぞれが言うまでもないほどの手練れであり、独自の音楽観で美しい世界を形作り、ひきもきらないオファーを受けて各地を飛び回っている。
三人とも、なんと音色が美しいのだろう。
ピアノの上にアレンジされた、バンド名の由来であるバンクシアの花が、自分がここに鎮座しているのは至極当然だと言わんばかりにあたりを睥睨していた。
私は酒は全く嗜まないのだが、それでも酒を飲みながら音楽に浸ることがどれだけ楽しいことかは分かっているつもりだ。
私は酒は全く嗜まないのだが、それでも酒を飲みながら音楽に浸ることがどれだけ楽しいことかは分かっているつもりだ。
しかし昨夜の蔭涼寺に集った、酒とジャズを愛する面々は、多少その愉しみを味わい損ねたのではないだろうか。
なぜか。
コップを口元に持っていくことで一瞬でも我に帰るのが惜しいくらい、聴衆はみな非日常の素晴らしい音の渦の中にどっぷりと浸っていたのが容易に推察できるからである。
バンクシアトリオのサウンドを正面から浴びて、やや頭をくらくらさせながら私は蔭涼寺を後にした。
バンクシアトリオのサウンドを正面から浴びて、やや頭をくらくらさせながら私は蔭涼寺を後にした。
強烈な印象を植え付けられた2時間半であった。
質が良く、生の音楽に飢えた人々は、いきなりあのような刺激の強い音を受け取ってしまい、却って神経が疲弊しきったのであろうか。
いや、寺を出るまでに見る顔全てが、生のバンクシアトリオの音で生気を蘇らせ、ライブ前よりも、生きる喜びに満ち足りた表情を浮かべていたのだった。
・・・とカッコつけて、作家になり切って作文したくなるくらい素晴らしいライブでした。
・・・とカッコつけて、作家になり切って作文したくなるくらい素晴らしいライブでした。
ライブ後、ベーシストの鳴瀬くんと少し話したけど、鳴瀬くんも大満足だったようでした。
たまたま隣になった善木文恵さんとも話が盛り上がって、密度の濃い夜でございました
しかし、石若駿氏の叩き出すリズムはまさに歌であり、生き物です。
これだけを一日中でも聴いていたいくらいです
2021年7月6日(火) 岡山市 蔭涼寺
須川崇志バンクシアトリオ
須川崇志バンクシアトリオ
須川崇志(bass)
林正樹(piano)
林正樹(piano)
石若駿(drums)
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