ぬか雨にぬるゝ丁子の香なりけり 久保田万太郎
この句そのままのこぬか雨の中をなっちゃんと朝の散歩に行きました。
どこを歩いても、ほのかに沈丁花の香る季節です。沈丁花の学名は
Daphne odora「香りのダフネ」といいます。ギリシャ神話でアポロンの
求愛から逃れるために月桂樹に変えてもらったという水の妖精ダフネ。
そのためDaphneは月桂樹という意味があり、沈丁花は葉の形が似て
いるので「香りのダフネ」とよばれるようです。なかなかすてきな名前
を持つ花です。
こぬか雨の中、少し体調の戻ったなっちゃん、うれしそうにお散歩です。
椿の季節でもあります。色とりどりに、艶やかです。
でも、今待たれるのは、あの花、
心にも空き部屋ひとつ花を待つ 岡本紗矢句集「午後の向日葵」より