奈良に帰るたびに、葛城古道の高鴨神社を訪れています。どの季節も
それぞれに美しい古式ゆかしい神社ですが、本当の目的は、横にある
神鴨そば(そば小舎)のおそばです。ところが残念、定休日でした!
当地の鴨一族の氏神で、京都の上賀茂神社、下鴨神社など全国のカ
モ神社の総本山かもと言われています。滴るような緑の美しい事!
帰り道、近鉄新庄駅のすぐ横で柿本神社というのを見つけました。
ほんとに小さな神社ですが、柿本人麻呂を祀った神社に間違いあ
いません。このあたり一帯の地名も柿本です。彼の和歌の歌碑が
ありました。
柿本人麻呂を祀る神社は西日本の各地にあります。島根県益田市や
兵庫県の明石、和歌山県にもあります。人丸神社とも呼ばれます。
この万葉一の歌人は謎が多く、それだけ一層人々の想像をかきたて
てきたのでしょうね。歌碑には
「春柳葛城山に立つ雲の立ちても居ても妹をしぞ思ふ」(葛城山に
立つ雲のように居ても立ってもあなたのことが思われる)とありま
す。元の表記は「春柳 葛山 發雲 立座 妹思」だそうです。万
葉集中一番短い表記。人麻呂が大和言葉を漢字で表現しようと苦労
してあみだした「略体歌」と呼ばれるもので、初期万葉集に見られ
るそうです。