ゲーテの詩にモーツアルトが曲を付けた「すみれ」という歌曲
があります。「野原に小さなすみれが咲いていた。ほんとにか
わいいすみれが。そこへ羊飼いの娘がやって来た。ああ、あの
娘に摘まれて、ほんのつかの間胸に押し当てられたら、死んで
もいい。でも娘は小さいすみれに気も付かず、踏んづけて行っ
てしまった。でもいいのとすみれは思う。あの娘に踏まれて死
ぬのだから」同じゲーテに「野ばら」という詩があります。こ
ちらは男の子に摘まれたバラが、そのとげで刺して抵抗するの
です。華やかなバラと、ほんとに小さいすみれの違いでしょう
か。でもその濃い紫色の深く美しいこと。日本人の私にはドラ
マチックなゲーテの詩より、芭蕉の句の方がしっくりきますが。
山路来て何やらゆかしすみれ草
道端に咲いている春紫苑(姫紫苑?)も別名貧乏草なんて言わ
れ、しょぼくれた印象ですが、よく見るとかわいい。
雑草と言われる花たちは強い。ブロックの穴からも元気に咲き
こぼれています。
もう鈴蘭が咲いていると思ったら、これはナルコユリという
花だそうです。
ツルニチニチソウもあちこちに咲いています。かわいいけれど、
繁殖力旺盛な強い花です。