奈良大和高田市にお堂が一つだけの弥勒寺という小さなお寺があります。
荒れ果て倒れかけていたこのお寺に、10年ほど前お堂の中を仏様をお守り
したいという奇特なご住職が移り住まれ、そこから奇跡が起こりました。
元々由緒ある仏様らしいということは伝わっていたようですが、たまたま
訪れた奈良県文化財課の方が、何と立派な仏様と驚いて、調べてみると、
千年以上前、平安時代の一木造りの仏様であることが分かりました。150
センチもある座像ですから、とても大きな木から彫り出された仏様です。
平成22年には奈良県の重要文化財、24年には国の重要文化財にと、とんと
ん拍子の出世をなさいました。荒れ果てたお堂の中に顧みられずにお座り
になっているのが、おいたわしくて、お堂の周りの草を刈り、掃除をし、
お勤めを続けられたご住職と奥さまの心が通じたようで、今では新しいお
堂の中で、ゆったりとして、微笑んでいらっしゃいます。心和むやさしい
お顔の弥勒様です。光背は弥勒さまや如来さまはふつう舟形なのだそうで
すが、お堂が小さく入りきらないので円形になっているそうで、それがま
た、仏様にはぶしつけながら、かわいらしい印象なのです。
今年関西は例年にもまして猛暑の夏ですが、それでももう境内に黄花コス
モスが咲き始めています。
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