『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『バーン・アフター・リーディング』を観た]

2009-05-05 09:27:35 | 物語の感想
☆・・・いや、面白かったですよ^^

 私は、コーエン兄弟のデビュー作の頃から知っていて、その作風を、「カルトに至れない予定調和」と思っていた(る)。

 同時期に、D・リンチが大活躍していて、私はそちらに魅かれていたので、そのリンチの「ケレン」をつまみ食いして、小奇麗に作り上げたようなコーエン兄弟の作品の数々は、ちょいと胡散臭いなあと思っていた。

 『ミラーズ・クロッシング』なんて、かなりカッコ良い作品だと思うが、諸手を挙げて賞賛するには抵抗があった^^;

 しかし、その後、コーエン兄弟は、あれよあれよの巨匠になってしまった。

 でも、私のコーエン兄弟への視線は、「カルトに至れない予定調和」のままである。

 故に、最新作の『バーン・アフター・リーディング』も、その、作品の「範囲」が知れていたので、過度な期待を持たずに見に行ったので、かなり楽しめた。

    ◇

 物語は、アメリカの、なんか一本頭のネジが外れた「市民」達が、奇妙な連鎖で元CIA分析官の記した組織内幕暴露ファイルを拾ったことで事件に巻き込まれる、と言うか、愚かにも自ら事件に参加してしまう、っちゅう物語だ。

 10人ほどの男女が、職場の同僚や、夫婦、不倫関係にあって、微妙につながりを持ちつつ、連環を形成している。

 ちょいと、先に見た『フィッシュストーリー』に似ている構成かもしれない。

 その「連環構造」に、私は結構楽しまされた。

 人間関係の連環が隣り合わせのときには、正常な進行をするのだが、

 連環の向かい合わせの人物が、鉢合わせになったとき、ふいのサスペンス、暴力や殺し合いが勃発する。

 私は、ドキドキした。

   ◇

 もっとも、この作品は、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、フランシス・マクドーマンド、ジョン・マルコヴィッチ、ティルダ・スウィントンら、大物俳優のコメディでの競演が見どころのようだ。

 それぞれが、本当に生真面目にコメディ演技をしているのには、唸らせられた。

 それが笑いにつながっているかは別問題だが^^;

 ブラッド・ピットの、体育会系バカの演技は、本当にうまかった。

 口の半開きや、その笑顔、動き、・・・バカにしか見えなかった。

 そもそもの語るべき言葉が少ないので、元CIA分析官を恐喝するにあたり、間をもてあまし、その名を連呼するところなど笑った。

 画面に出てくると、ニヤニヤさせられた。

 ジョン・マルコヴィッチ演じる分析官が、即、そのバカを見抜いて怒鳴るところも、直で良し!^^

 しかし、ジョージ・クルーニーの作った「物」のバカさ加減たるや、もっと笑った!

「こいつバカ! 一番バカ!」

 ピョコン! ピョコン! と、飛び出るアレ・・・。

 それを見るだけでも、入場料払う価値はあったと私は思っている。

 ああゆう物は、昔のスウェーデン製のポルノビデオによく出ていたよ。

 でも、実用性は皆無だろうな^^;

   ◇

 しかし、全く、美少女とは無縁の作品であった^^;

                         (2009/05/05)