☆昨夜、仕事の後でレイトショーにて『BABY BABY BABY!』(クリック!)を観て、未明にかけてレビューをエントリー・・・、
そして、今朝早起きし、遅番の仕事だったので、その前にモーニングショーで『スター・トレック』を観てきました。
・・・で、帰宅して、明日は早番で5時起きなのに、こうして感想を書いている次第です^^
でも、苦じゃない。
やっぱ、映画は楽しい^^
J・J・エイブラムス監督版の『スター・トレック』…、正統派の<スペース・オペラ>を堪能できて、いや、良かった。
◇
・・・やはり、どんなに素晴らしい過去の作品でも、技術的な問題で、今見直すと「ちゃちい」点もある。
そこを最新の技術で取り直して欲しい、と言う欲求は尽きない。
だが、リメイクされると、往々にして頓珍漢な不純物が付け加えられてシラけてしまうことが多々ある。
今回、「スター・トレック」サーガの原初の部分(ビギニング)を撮ったJ・J・エイブラムス監督には、そんな無粋はなかった。
「スター・トレック」に限らず、ヒーロー物語のオーソドックスな部分をけれんなく描いていた。
例えば、格闘シーン、そのパンチには血が通っていた。
理論家の人物(スポック)の表情をクリアーに画面に映し出し、その「感情」の変化を鮮明に見せていた。
「いかにも」悪役然とした敵宇宙船を大胆に堂々とリアリティをもって映し出していた。
最新の撮影技術で、「いかにも」や「あやふや」といったものを廃し、オーソドックスな部分をちゃんとオーソドックスに見せてくれていたのだ。
オープニングは、後にエンタープライズ号の艦長として歴史に名を残すカークの生誕の場を描くのだが、
その、やはり船長に抜擢された父親に、生まれたばかりの息子と800人の乗員を守るため、敵に単身で特攻させている。
実に熱いエピソードである。
オープニングに過ぎないのに、『さらば宇宙戦艦ヤマト』のクライマックスを見せられるのである。
『自己犠牲』は欧米人の精神性にはあまりないようだが、近年、『インディペンデンス・デイ』や『アルマゲドン』など、時おり見られる。
私は、先の大戦や、芸術作品を通し、徐々に、日本人の精神性がアメリカ人の心を打ったのだと考えている。
特に、このJ・J・エイブラムス監督には、日本文化に対してのリスペクトが感じられるのだが・・・。
◇
作り手のうまさは、物語の進行とともに、トレッキー(シリーズの熱狂的なファン)をもうならせよう。
お馴染みのメンバーが、次々と仲間になっていく様などたまらないだろう。
では、「スター・トレック」の斬新さってのはどこにあるんだろう。
転送装置? ワープ? 時間旅行?
この作品を見る前、トレッキーが一番恐れていたのは、おそらく、これまでの作品がないがしろにされることだと思う。
しかし、時間旅行をうまく物語に組み込み、未来からの訪問者が過去に与える影響によって、これまでの「スター・トレック」と異なる物語が展開していることが明らかにされる。
つまり、逃げとしての「パラレル・ワールド」ではなく、時間のパラドックス「込み」の、多元宇宙論としての物語展開なのである。
トレッキーは喜んだと思う。
時間軸は違うけど、超時間軸においては、これまでの「スター・トレック」と繋がっているからだ。
また、時間旅行は、シリーズの辻褄合わせだけでなく、今回の敵・ロミュラン人・ネロの悲劇と絡む。
ただ、そのロミュラン種族の悲劇を、あまり強調させなかったり、
その悲劇を生み出した、とあるバルカン人の大きな悲劇を、さっぱりと描いていることさえも「スター・トレック」的なのである^^;
もっとも、バルカン人の特性として感情を表に出さない、があるので、さっぱりに見えるのはしょうがないか?
でも、ロミュラン人の悲劇を、エンタープライズ号のみんなが、少しでも我がことのように考えないのが、いかにもエゴ大国アメリカ的能天気さではある^^;
・・・うーん、ただ、そのような描写をはしょっているだけなのかもしれないな。
そこが、この作品の短所でもある。
カークが、あまりにも屈託なく(挫折エピソードをはしょって^^;)、艦長にのぼり詰めてしまうのである。
その、士官候補生の集う宇宙船に乗り込むに至る経緯や、
まさに乗り込むときのお気楽さ、
軍機違反で謹慎させられていたのに、親友のドクター・マッコイの、あまり観ている者が納得できないような機転でエンタープライズ号に乗船するところや、
また、エンタープライズ号が、ネロの罠の内にあることを、自分の艦長の素養としての「知恵」でなく、単なる経験で主張するところなど、ご都合主義と言われてもしょうがないだろう。
カークの個性も、とてもストレートである。
つまり、「一枚目」の男である^^;
最近の主人公では珍しい屈折のなさである。
演じたクリス・パインも、正統派の容姿である。
気になる女を、リーダー争いに負けたスポックに奪われる挫折さえも、所詮は物語の彩りだ^^;
◇
オオッ! と、うならせられたのが、捕えられたエンタープライズ号の前艦長にネルが自白剤として使う「虫」である。
これ、これまでのシリーズで見たことがある。
子供の頃、子供ながらに、現実的には気持ち悪く感じて、物語的にはダサく感じていた。
それが、この「スター・トレック」最新版に採用されていることに、これまでのシリーズを大事に思う気持ちが伝ってきて良かった。
また、雪の惑星では、猪突猛進の牛みたいなモンスターが出てきて、そのスピード感に感心したのだが、そいつが新たに現れたモンスターに喰われてしまうので、驚いた。
そして、その新手のモンスターが、J・J・エイブラムス監督の前作『クローバー・フィールド』の怪獣に似ていたので嬉しかった。
◇
・・・しかし、USSエンタープライズ号は美しいですな。
(2009/05/29)
☆全く期待してなくて、テレビのバラエティ番組を見るようなノリで観に行った。
バリバリのキャリアウーマンが妊娠してしまい、そうして知った新たな世界(産婦人科医院)での人間模様を、コメディタッチで描いた、私がよく言う「カタログ映画」である。
出演女優も、観月ありさ、松下由樹、神田うの、斉藤由貴、伊藤かずえ…、と、私の苦手なタイプばかりだった。
しかし、面白かった。
めっぽう面白かった。
何やらテレビでヒットしたドラマ『ナースのお仕事』のスタッフキャストが再集結して作られた映画だそうで(私は良く知らない)、
コメディで笑いを誘うに一番ポイントとなる「間(ま)」と言うものを完璧に体得している稀有な作品であった。
出演者の一人一人が全て、ステレオタイプだが、リアリティある過剰な演技で、私の心のツボにはまり、ゲラゲラ笑わせられた。
仕事でバリバリやっていた陽子(観月ありさ)が、妊娠の十ヶ月を通し、最初こそ堕胎を選択肢に入れてさえいたのに、徐々に出産に向けて変化していくさまが、観ていて心地良かった。
個々には語らないが、妊婦仲間も、非常に面白かった。
陽子を孕ました男(谷原章介)は、うだつのあがらないベトナム帰りのカメラマンで、ヒッピーまがいの容姿である。
そんな「ベトナム帰り」と言うイメージから、私は自分の東南アジアの旅を思い出しつつ見ていたのだが、
陽子や仲間がゆっくりとした時の中で妊娠に備える様が、私には、旅の宿で仲間と時を過ごしている姿と重なるのだった。
と、考えると、妊娠と言うものは、女だけが経験できる「旅」なのだな、と私は自分一人だけで勝手に得心するのだった^^;
◇
クライマックスは、近年まれに見るほどの、映画における壮絶な修羅場であった。
私は、こんなに盛り上げていいんかい!? と驚いた。
偶然にも、妊婦中間達が5組一緒に産気づいてしまうのだ。
小さな産院である。
そこで、指揮棒を振るのが、斉藤由貴演じる女医である。
斉藤由貴の演技も素晴らしかった。
信頼できる「おっとり刀」の様に、私は感動した。
この方が、この作品の、もう一人の主役である^^
◇
陣痛に苦しむ演技も、私は現実では見たことなどないのだが、誰も彼もうまいと思った。
観月ありさ、松下由樹、神田うのらが、それぞれの個性を出しつつも苦しむ。
神田うのなんか、ちゃんとわがままである^^;
◇
明日も仕事早いので、短く語ってベッドに入ることにするが、この映画への満足感はかなり高いです^^
(2009/05/29)
バリバリのキャリアウーマンが妊娠してしまい、そうして知った新たな世界(産婦人科医院)での人間模様を、コメディタッチで描いた、私がよく言う「カタログ映画」である。
出演女優も、観月ありさ、松下由樹、神田うの、斉藤由貴、伊藤かずえ…、と、私の苦手なタイプばかりだった。
しかし、面白かった。
めっぽう面白かった。
何やらテレビでヒットしたドラマ『ナースのお仕事』のスタッフキャストが再集結して作られた映画だそうで(私は良く知らない)、
コメディで笑いを誘うに一番ポイントとなる「間(ま)」と言うものを完璧に体得している稀有な作品であった。
出演者の一人一人が全て、ステレオタイプだが、リアリティある過剰な演技で、私の心のツボにはまり、ゲラゲラ笑わせられた。
仕事でバリバリやっていた陽子(観月ありさ)が、妊娠の十ヶ月を通し、最初こそ堕胎を選択肢に入れてさえいたのに、徐々に出産に向けて変化していくさまが、観ていて心地良かった。
個々には語らないが、妊婦仲間も、非常に面白かった。
陽子を孕ました男(谷原章介)は、うだつのあがらないベトナム帰りのカメラマンで、ヒッピーまがいの容姿である。
そんな「ベトナム帰り」と言うイメージから、私は自分の東南アジアの旅を思い出しつつ見ていたのだが、
陽子や仲間がゆっくりとした時の中で妊娠に備える様が、私には、旅の宿で仲間と時を過ごしている姿と重なるのだった。
と、考えると、妊娠と言うものは、女だけが経験できる「旅」なのだな、と私は自分一人だけで勝手に得心するのだった^^;
◇
クライマックスは、近年まれに見るほどの、映画における壮絶な修羅場であった。
私は、こんなに盛り上げていいんかい!? と驚いた。
偶然にも、妊婦中間達が5組一緒に産気づいてしまうのだ。
小さな産院である。
そこで、指揮棒を振るのが、斉藤由貴演じる女医である。
斉藤由貴の演技も素晴らしかった。
信頼できる「おっとり刀」の様に、私は感動した。
この方が、この作品の、もう一人の主役である^^
◇
陣痛に苦しむ演技も、私は現実では見たことなどないのだが、誰も彼もうまいと思った。
観月ありさ、松下由樹、神田うのらが、それぞれの個性を出しつつも苦しむ。
神田うのなんか、ちゃんとわがままである^^;
◇
明日も仕事早いので、短く語ってベッドに入ることにするが、この映画への満足感はかなり高いです^^
(2009/05/29)