☆先ずはこちらを読み返してね^^
[よりぬきフィジーさん 《Fiji冒険記①》]
●第二章『グリーン・ラビリンス(ジャングル迷路)』
(6/17 快晴 オバラウ島[レブカ→ロボニ村]→ナウソリ→スバ)
▼『ああっ! まただ! もうダメだ』 僕は空を仰ぎ、うめいた。オバラウ島山中に入って、40分は経っていただろうか・・・?
【・・・・・・道、が、ない、のだ・・・・・・】
# # #
▼ホテルを朝に出発。満ち潮の荒々しいコロ海を横目に、フィジー航空出張所へ。午前の便を予約しようとすると『もう売り切れ』と言われてしまった。
ならば、午後の便までに、レブカから空港まで、オバラウ島を横断してやれ!
と、山間部にひっそりとあるロボニ村を目指すことにした。
しかし、山の入り口が分からない。おっさんに問うと、恐そうな人だったが、親切に教えてくれて、メモまでしてくれた。
【タクシーでドランバ村まで行き、誰かに金をやって案内してもらえ】
とりあえず、おっさんの前半の指示は聞いたが、後半の指示は無視。
ドランバ村の母子に山の入り口だけ聞いて、急斜面の山へ、単身で入る。
恐ろしく急な坂道、登り始めて数分で息切れし、汗がダラダラと流れた。
・・・そして、道などがほとんど存在してないことを痛感した。
道がなくなった!
と思い、周りをキョロキョロすると、かすかに草の生え具合が他と違っている箇所を見つけ、そこを進むのだ。
しかし、40分後、もはや戻ることが出来ない状況の中、道がなくなってしまった。
・・・時に午前9時・・・。
捜す! 探す! 必死で、草の生え具合を見る、見る、見るっ!
雑草の上をモンシロチョウが三匹、ヒラヒラと飛んでいる。
僕を「迷いの森」に引きずり込むかのようだ。
『もしかすると、この草っ!?』
他の草が雑草であるのに、その区画の草は背が高く、明らかに人為的に植えられた感じがあった。
・・・『これは人間が植えたんだ!』
僕はその草の一角を回りこんで進んでみる。
・・・あった! 道が開けていた^^
と言っても、15cmほどの小道だったが・・・。
先ほど、道を尋ねた時のドランバ村の母子の表情、『ロボニまで行けるものなら行ってみな。日本の坊や!』とでも言いたげな顔を思い出し、『へへーんだ!』と思った。
先は本当に長かった。
最初の斜面で体はヘトヘトだった。
それにも増して、ぬかるみの斜面横歩きは、一歩間違えれば<奈落>の危険があった。
時に、足に気を使うばかりに、足がつりそうにもなった。
『コーラが飲みてえ!』と呟く、『疲れた!』と叫ぶ。
これは、ハイキングじゃねえ、ジャングル探検だっ!
ヤシの木や、葉の大きな植物がうっそうと茂り、僅かな道の地肌に雑草が覆いかぶさり道を隠す。
草の間をヤモリがチョロチョロし、イボガエルがピョンピョンと跳ねて行く。
危険な動物がいないのが幸いだった。
毒ヘビなどがいたらと思うと恐い・・・。
本日の朝(と言っても、もう昔の記憶だ^^;)、部屋を出るとき、ジーパンにしようか、半ズボンにしようか迷った末にジーパンにしていた。
もし、半ズボンにしていたら、ふくらはぎは擦り傷・切り傷に苛まれたことだろう。
不幸中の幸いだ・・・。
しばらく歩くと、斜面を耕す男がいた。
<運命の男A>としよう。
『ロボニまで何時間かかる?』と問う。
すると男は、ポツリと『三時間・・・』と答えた。
ヒエエ~ッ! と思った。
僕はてっきり、この男の畑からロボニ村が開けているとの淡い希望を抱いていたのだ。
超ショック!
更に進む。
『♪疲れた』『♪疲れた』と歌いながら進む。
『ファイト!』『ファイト!』声を張り上げる。
【しかし、自然は無情(無常)、そこには緑が存在するだけだった】
『おおっ!』^^ 小川が流れてる!
<命の泉A>とする。
顔を洗い、そして口をゆすぐ、水はあえて飲まなかった。
後で更にノドが乾いてしまうだろうからだ。
こう言うときに休むと、余計につらくなるものだが、少し体力を回復し、進む。
いよいよジャングルも本格的になってきた。
地面のぬかるみに転び、ジーパンに泥ねっとり。
「・・・しかし、俺のこんな姿を見たら、マロン・グラッセちゃんはどう思うことやら・・・!?(蘭注・マロンちゃんは、当然ながら仮名で、当時、私の好きだった人^^;)」
一度転べば二度、三度。
手をつくので、両手もドロドロ。
【・・・そして、新しい局面に・・・】
目の前に沼地が広がっていた。
<絶望の泥沼>と名付けよう。
その向うに道が続いているようだった・・・。
僕はためらわない。進む!
グポッ! グポッ! 一歩二歩のうちはまだ良かった。
しかし、三歩、四歩・・・。
そして、五歩、六歩、七歩・・・。
グポポポポッ! グポポポポッ! 両足がヒザ近くまで泥だらけ・・・^^;
泥沼の中心部では酷いことになった。
僕のお気に入りのナイキのマウンテンシューズが脱げるほどに、泥沼に嵌まってしまった。
それを掘り返そうと、体勢を変えると、そのまま転び、今度は腕がズボズボとはまり込んでしまう始末・・・。
(蘭注・こんな室内ゲームがあったよね^^ 「ツイスター」とか言ったっけ? 床に、数字がランダムに書かれたマットレスを敷いて、プレイヤーは、対戦相手の指示通りの番号に四肢を配置しておくと言うゲーム。ゲームの終盤では、数字どおりに手足を置こうとすると、手足がこんがらがってしまう。泥沼での私は、そんな状態になってしまったのだわ^^;)
正直、半泣きになった。
でも、涙を拭くことさえ出来ない。
だって・・・、両腕が泥だらけであるから・・・;;
尚も、更に、奥地に進む。
この頃から、僕の心に疑問が起こる。
【俺は、ちゃんとした道を進んでいるのか?】
「遭難」の二文字が頭にちらついた。
(続く)
◇
●第二章『グリーン・ラビリンス・承前(ジャングル迷路)』
(6/17 快晴 オバラウ島[レブカ→ロボニ村]→ナウソリ→スバ)
▼・・・俺は、ちゃんとした道を進んでいるのか?
「遭難」の二文字が頭にちらつく、新聞の見出しが思い浮かんでしまう・・・。
▽<無謀! 日本人青年 単身ジャングルへ・・・楽園の孤独な死・・・
***若者に広がる『地球の歩き方』過信***
水筒も地図も持たずに・・・
(白骨死体となって発見された深夜蘭君の生前の親友・O君談)
『・・・「元気で帰ってくるからよ」、そう言って深夜君は旅立っていったものでしたが・・・。とても悲しいです。ところで、僕は、生前の彼に30万円を貸していたのですが、帰ってくるのでしょうか? 保険金の方は、どうなっているのでしょうか?』^^;
# # #
▼しかし、歩くしかない。
「ネバーギブアップ!」「ネバーギブアップ!」
フラフラした足取りで、森の中を突き進む。
時おり、クモの巣が道を遮る。
僕は先ず、手でクモの巣を払いのけ、クモが逃げたのを確認してから、先に進む。クモが毒を持っていたら大変だからだ。
『ネバーギブアップ!』『ネバーギブアップ!』
初めのうちは、転んだら立つまでに数秒を費やしたものだが、今ではもう、スックと立ち上がり、スタタタッ! と坂を下る。
走った方が楽なんだ。
赤土の斜面は滑りまくる。
この熱帯地方でスケートが出来るなんて!
何度も転ぶ、汗が流れる、鼻水が垂れる。
・・・しかし、僕自身は、自分の落ちぶれた姿を、少しだが、【格好良いなあ】と思っていた・・・。
破滅の美学ってやつだ。
尚も進む・・・。
ノドが渇く・・・。
<命の泉A>で水を飲まなかったのを悔やんだ。
あまりにもノドが渇いたので、思わず歌を作り、歌いながら歩いた。
『コカ・コーラが飲みたい』 作詞・作曲 Midnight・蘭
♪コークが飲みたいな (ホイホイ!)
♪ゴキブリなんだっけ (ホイホイ!)
♪ペプシでも良いのにな (ヘイヘイ!)
♪やっぱりコークが飲みた~い~な~ [←ここ、ビブラート^^;]
▽これを無限に繰り返し歌うのである。
・・・もう一曲作ったので記しておく。
人間ってやつは、極限状況の中では思わぬ才能が現れるものだ^^
『思い出に早く変われ!』 作詞・作曲 Midnight・蘭
♪どうでもいいけど この苦難
♪早く終ってちょうだいな
♪いつか笑って話せるように
♪楽しい思い出に
♪早く変われ-ッ! [←魂の叫び]
▽こんな風に、今となっては、楽しく書いてるが、この時点ではシャレにならなかった。
地図上の直線距離では、ドランバ村からロボニ村は2kmとないだろう。
しかし、僕は、その高低差を全く考えていなかったのだ。
僕は、ボーイスカウト時代、地図の読み取りを大得意にしていたのだが、実践(実戦?)において、その技術を失念していた。
疲労が激しい。
横になりたかったが、このネッチョリとした草の上に横になる豪快さはなかった。
・・・二時間が過ぎ・・・、そして三時間が経った・・・。
【僕、マジで疲れています。体が朦朧としています・・・】
▼いくつ、山を巡っただろうか?
少し平らな土地が視界に開けた。
人がいた!
<運命の男B>としよう。
『ロ、ロボニ村まで、後どのくらい?』
僕は問う。
男は言った。
『Just here!』
や、やた^^ やったあ!!
続いて、<命の泉B>が見つかった。
ザブン! と入って、シューズとジーパンの泥を落とした。
水も、飲んじまったよ^^;
しかし、そこからも長かった。
小川が流れ、何人かの人とすれ違ったが、なかなかロボニ村に到着しなかった。
小川を何本も渡ったが、どう考えても、その流れの方向が一定ではなかった。
不思議な土地である。
大きな木があった。
その木の赤い花びらが風でパラパラと落ちてくる。
きれいなものを一枚拾い、手帳に挟んだ^^
なかなか着かない。
ミカンらしき果実がいっぱい落ちていて柑橘系の酸っぱい香りを放ち、爽やかだった^^
▼『くっそーっ! まだ着かないのかよお!』
怒鳴った時、彼方まで続く林の間に小屋が見えたので、進む。
小屋、と言うか家屋の姿は増えていった。
【ロボニ村、だった。】
(続く)
(2006/12/28に再掲す)
◇ ◇ ◇
1992年の出来事である。
(2009/05/08)
[よりぬきフィジーさん 《Fiji冒険記①》]
●第二章『グリーン・ラビリンス(ジャングル迷路)』
(6/17 快晴 オバラウ島[レブカ→ロボニ村]→ナウソリ→スバ)
▼『ああっ! まただ! もうダメだ』 僕は空を仰ぎ、うめいた。オバラウ島山中に入って、40分は経っていただろうか・・・?
【・・・・・・道、が、ない、のだ・・・・・・】
# # #
▼ホテルを朝に出発。満ち潮の荒々しいコロ海を横目に、フィジー航空出張所へ。午前の便を予約しようとすると『もう売り切れ』と言われてしまった。
ならば、午後の便までに、レブカから空港まで、オバラウ島を横断してやれ!
と、山間部にひっそりとあるロボニ村を目指すことにした。
しかし、山の入り口が分からない。おっさんに問うと、恐そうな人だったが、親切に教えてくれて、メモまでしてくれた。
【タクシーでドランバ村まで行き、誰かに金をやって案内してもらえ】
とりあえず、おっさんの前半の指示は聞いたが、後半の指示は無視。
ドランバ村の母子に山の入り口だけ聞いて、急斜面の山へ、単身で入る。
恐ろしく急な坂道、登り始めて数分で息切れし、汗がダラダラと流れた。
・・・そして、道などがほとんど存在してないことを痛感した。
道がなくなった!
と思い、周りをキョロキョロすると、かすかに草の生え具合が他と違っている箇所を見つけ、そこを進むのだ。
しかし、40分後、もはや戻ることが出来ない状況の中、道がなくなってしまった。
・・・時に午前9時・・・。
捜す! 探す! 必死で、草の生え具合を見る、見る、見るっ!
雑草の上をモンシロチョウが三匹、ヒラヒラと飛んでいる。
僕を「迷いの森」に引きずり込むかのようだ。
『もしかすると、この草っ!?』
他の草が雑草であるのに、その区画の草は背が高く、明らかに人為的に植えられた感じがあった。
・・・『これは人間が植えたんだ!』
僕はその草の一角を回りこんで進んでみる。
・・・あった! 道が開けていた^^
と言っても、15cmほどの小道だったが・・・。
先ほど、道を尋ねた時のドランバ村の母子の表情、『ロボニまで行けるものなら行ってみな。日本の坊や!』とでも言いたげな顔を思い出し、『へへーんだ!』と思った。
先は本当に長かった。
最初の斜面で体はヘトヘトだった。
それにも増して、ぬかるみの斜面横歩きは、一歩間違えれば<奈落>の危険があった。
時に、足に気を使うばかりに、足がつりそうにもなった。
『コーラが飲みてえ!』と呟く、『疲れた!』と叫ぶ。
これは、ハイキングじゃねえ、ジャングル探検だっ!
ヤシの木や、葉の大きな植物がうっそうと茂り、僅かな道の地肌に雑草が覆いかぶさり道を隠す。
草の間をヤモリがチョロチョロし、イボガエルがピョンピョンと跳ねて行く。
危険な動物がいないのが幸いだった。
毒ヘビなどがいたらと思うと恐い・・・。
本日の朝(と言っても、もう昔の記憶だ^^;)、部屋を出るとき、ジーパンにしようか、半ズボンにしようか迷った末にジーパンにしていた。
もし、半ズボンにしていたら、ふくらはぎは擦り傷・切り傷に苛まれたことだろう。
不幸中の幸いだ・・・。
しばらく歩くと、斜面を耕す男がいた。
<運命の男A>としよう。
『ロボニまで何時間かかる?』と問う。
すると男は、ポツリと『三時間・・・』と答えた。
ヒエエ~ッ! と思った。
僕はてっきり、この男の畑からロボニ村が開けているとの淡い希望を抱いていたのだ。
超ショック!
更に進む。
『♪疲れた』『♪疲れた』と歌いながら進む。
『ファイト!』『ファイト!』声を張り上げる。
【しかし、自然は無情(無常)、そこには緑が存在するだけだった】
『おおっ!』^^ 小川が流れてる!
<命の泉A>とする。
顔を洗い、そして口をゆすぐ、水はあえて飲まなかった。
後で更にノドが乾いてしまうだろうからだ。
こう言うときに休むと、余計につらくなるものだが、少し体力を回復し、進む。
いよいよジャングルも本格的になってきた。
地面のぬかるみに転び、ジーパンに泥ねっとり。
「・・・しかし、俺のこんな姿を見たら、マロン・グラッセちゃんはどう思うことやら・・・!?(蘭注・マロンちゃんは、当然ながら仮名で、当時、私の好きだった人^^;)」
一度転べば二度、三度。
手をつくので、両手もドロドロ。
【・・・そして、新しい局面に・・・】
目の前に沼地が広がっていた。
<絶望の泥沼>と名付けよう。
その向うに道が続いているようだった・・・。
僕はためらわない。進む!
グポッ! グポッ! 一歩二歩のうちはまだ良かった。
しかし、三歩、四歩・・・。
そして、五歩、六歩、七歩・・・。
グポポポポッ! グポポポポッ! 両足がヒザ近くまで泥だらけ・・・^^;
泥沼の中心部では酷いことになった。
僕のお気に入りのナイキのマウンテンシューズが脱げるほどに、泥沼に嵌まってしまった。
それを掘り返そうと、体勢を変えると、そのまま転び、今度は腕がズボズボとはまり込んでしまう始末・・・。
(蘭注・こんな室内ゲームがあったよね^^ 「ツイスター」とか言ったっけ? 床に、数字がランダムに書かれたマットレスを敷いて、プレイヤーは、対戦相手の指示通りの番号に四肢を配置しておくと言うゲーム。ゲームの終盤では、数字どおりに手足を置こうとすると、手足がこんがらがってしまう。泥沼での私は、そんな状態になってしまったのだわ^^;)
正直、半泣きになった。
でも、涙を拭くことさえ出来ない。
だって・・・、両腕が泥だらけであるから・・・;;
尚も、更に、奥地に進む。
この頃から、僕の心に疑問が起こる。
【俺は、ちゃんとした道を進んでいるのか?】
「遭難」の二文字が頭にちらついた。
(続く)
◇
●第二章『グリーン・ラビリンス・承前(ジャングル迷路)』
(6/17 快晴 オバラウ島[レブカ→ロボニ村]→ナウソリ→スバ)
▼・・・俺は、ちゃんとした道を進んでいるのか?
「遭難」の二文字が頭にちらつく、新聞の見出しが思い浮かんでしまう・・・。
▽<無謀! 日本人青年 単身ジャングルへ・・・楽園の孤独な死・・・
***若者に広がる『地球の歩き方』過信***
水筒も地図も持たずに・・・
(白骨死体となって発見された深夜蘭君の生前の親友・O君談)
『・・・「元気で帰ってくるからよ」、そう言って深夜君は旅立っていったものでしたが・・・。とても悲しいです。ところで、僕は、生前の彼に30万円を貸していたのですが、帰ってくるのでしょうか? 保険金の方は、どうなっているのでしょうか?』^^;
# # #
▼しかし、歩くしかない。
「ネバーギブアップ!」「ネバーギブアップ!」
フラフラした足取りで、森の中を突き進む。
時おり、クモの巣が道を遮る。
僕は先ず、手でクモの巣を払いのけ、クモが逃げたのを確認してから、先に進む。クモが毒を持っていたら大変だからだ。
『ネバーギブアップ!』『ネバーギブアップ!』
初めのうちは、転んだら立つまでに数秒を費やしたものだが、今ではもう、スックと立ち上がり、スタタタッ! と坂を下る。
走った方が楽なんだ。
赤土の斜面は滑りまくる。
この熱帯地方でスケートが出来るなんて!
何度も転ぶ、汗が流れる、鼻水が垂れる。
・・・しかし、僕自身は、自分の落ちぶれた姿を、少しだが、【格好良いなあ】と思っていた・・・。
破滅の美学ってやつだ。
尚も進む・・・。
ノドが渇く・・・。
<命の泉A>で水を飲まなかったのを悔やんだ。
あまりにもノドが渇いたので、思わず歌を作り、歌いながら歩いた。
『コカ・コーラが飲みたい』 作詞・作曲 Midnight・蘭
♪コークが飲みたいな (ホイホイ!)
♪ゴキブリなんだっけ (ホイホイ!)
♪ペプシでも良いのにな (ヘイヘイ!)
♪やっぱりコークが飲みた~い~な~ [←ここ、ビブラート^^;]
▽これを無限に繰り返し歌うのである。
・・・もう一曲作ったので記しておく。
人間ってやつは、極限状況の中では思わぬ才能が現れるものだ^^
『思い出に早く変われ!』 作詞・作曲 Midnight・蘭
♪どうでもいいけど この苦難
♪早く終ってちょうだいな
♪いつか笑って話せるように
♪楽しい思い出に
♪早く変われ-ッ! [←魂の叫び]
▽こんな風に、今となっては、楽しく書いてるが、この時点ではシャレにならなかった。
地図上の直線距離では、ドランバ村からロボニ村は2kmとないだろう。
しかし、僕は、その高低差を全く考えていなかったのだ。
僕は、ボーイスカウト時代、地図の読み取りを大得意にしていたのだが、実践(実戦?)において、その技術を失念していた。
疲労が激しい。
横になりたかったが、このネッチョリとした草の上に横になる豪快さはなかった。
・・・二時間が過ぎ・・・、そして三時間が経った・・・。
【僕、マジで疲れています。体が朦朧としています・・・】
▼いくつ、山を巡っただろうか?
少し平らな土地が視界に開けた。
人がいた!
<運命の男B>としよう。
『ロ、ロボニ村まで、後どのくらい?』
僕は問う。
男は言った。
『Just here!』
や、やた^^ やったあ!!
続いて、<命の泉B>が見つかった。
ザブン! と入って、シューズとジーパンの泥を落とした。
水も、飲んじまったよ^^;
しかし、そこからも長かった。
小川が流れ、何人かの人とすれ違ったが、なかなかロボニ村に到着しなかった。
小川を何本も渡ったが、どう考えても、その流れの方向が一定ではなかった。
不思議な土地である。
大きな木があった。
その木の赤い花びらが風でパラパラと落ちてくる。
きれいなものを一枚拾い、手帳に挟んだ^^
なかなか着かない。
ミカンらしき果実がいっぱい落ちていて柑橘系の酸っぱい香りを放ち、爽やかだった^^
▼『くっそーっ! まだ着かないのかよお!』
怒鳴った時、彼方まで続く林の間に小屋が見えたので、進む。
小屋、と言うか家屋の姿は増えていった。
【ロボニ村、だった。】
(続く)
(2006/12/28に再掲す)
◇ ◇ ◇
1992年の出来事である。
(2009/05/08)