『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『天使と悪魔』を観た]

2009-05-17 22:38:15 | 物語の感想
☆面白かった。

 このシリーズは、何やら、おじさん読書家には、いかにも高尚な内容のものとして扱われているが、

 私にとって、このシリーズの魅力は、その「俗」にあると思う。

 今回、ラングドン教授は、<イルミナティ>と言う秘密結社の目論む「司祭見立て連続殺人」&「コンクラーヴェ爆弾テロ」の捜査をするのだが、その爆弾テロで使用されるのが<反物質>・・・。

 いやはや、<反物質>なんて言葉を聞いたのは、25年振りくらいである^^;

 別に、それは原爆でも良かったわけで、でも、あえて、<反物質>爆弾などを出すのが、いかにも<俗>だなぁ、と思うのだ。

 ・・・つまり、私が言いたいのは、この作品、あんまし小難しく考えないで、『インディ・ジョーンズ』の、ちょいと知的好奇心を充たしてくれるかのような展開の部分を二時間半の上映時間たっぷりと味わせてくれるレベルの作品と思えばいい。

 そう思うと、素晴らしいエンターテイメント作品である。

 私は、観ていて楽しくて楽しくてしょうがなかった^^

 こんな作品が、10作くらいのシリーズになってくれると最高なのだが^^;

 最近観た作品で、この興奮と近いものは、『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』(クリック!)である。

 アクションしながら、謎を紐解いていくと言う展開が、非常に似通っていて、クライマックスで縦移動の派手で突き抜けた展開を示してくれるのも似ていた。

   ◇

 いや、前作の『ダ・ヴィンチ・コード』(クリック!)が、一日半と言う短い時間内での事件であったことで、私はとても臨場感を感じ、魅力的だったのだが、

 今回は、もっと短いタームでの事件進行となる。

 観ている私たちの実時間と限りなく近いということだものね。

 私は興奮しましたよ。

 思えば、『ダイ・ハード』の第一作目に、舞台の使い方や時間経過が似ているかも。

 しかも、この『天使と悪魔』には、必然性のあるアクションがてんこ盛りである。

 書庫での酸欠アクション、火事場での銃撃戦、水の中での救出劇、大空での神々しき大爆発・・・。

 それぞれが斬新かつ個性的なアクションであった。

 正直、事件進行中の教授の動きの中における、原作にあっただろう緻密な謎解きが、映画においてはうまく説明できていない点もあるのだろうが、

 それは、限られた上映時間ではどうあっても無理な話である。

 だから、そこは柔軟に、映画では、教授が表に発した言葉でサクサクと進む展開に心地良さを感じれば良いのではないでしょうか?

   ◇

 トム・ハンクス演じるラングドン教授は、私にはどうもつかみ所のない不思議なキャラクターであるが、

 今回は、ユアン・マクレガー扮する教皇代行や、コンクラーヴェの進行役の、鈴木宗雄みたいな悪そな顔の司祭がいい味を出していた。

 スイス衛兵隊の金髪の若者など、次第に物語の中心に躍り出てきていたのだが、その役柄のテーマ性が見えてこなかったのは痛い。

   ◇

 私は、かような、町全体に謎が隠されているような物語が大好きである。

 旧ファミコンのアドヴェンチャー・ゲームなどにも、このような味わいの作品が多数あった。

 日本の寺町なんかでも、このような物語が出来るのではあるまいか?

 帰りに本屋で立ち読みしたのだが、ラングドン教授シリーズは、この二作しか出てないみたいだ。

 ダン・ブラウンではなく、ダン・シモンズが書いてもいいから、続編を楽しみたいものだ^^;

                              (2009/05/17)

[映画『セブンティーン・アゲイン』を観た]

2009-05-17 14:56:00 | 物語の感想
☆・・・非常に楽しめた^^

 かつての高校でのバスケ部のスターが、彼女の妊娠に伴い、バスケ進学の夢を捨て結婚。

 だが、それから20年後の現在、二人の子供にはウザがられ、奥さんとは離婚調停中、仕事ではうだつがあがらない毎日を過ごしている主人公・マイク。

 そんなマイクが、不思議なことに、20年前の体を手に入れた!

 マイクは、人生をどうやり直すかと言う物語。

 さて!

   ◇

 これは、よくあるタイプの「1アイディア」映画である。

 数多くの映画で使われているネタであり、私なども、たまに夢想する。

 でも、私は、戻りたいとは思わない。

 ・・・ちょっと自分のこととして語ってみる。

 「ああ、あの女の子を、もうちょい構ってやっていたら、去られることはなかったかもな」

 などと思うことはある。

 でも、だからと言って、その頃に戻っても、そもそもの性格がこうなのだから、多少の人生の分岐点の先延ばしをしても、同じことになると思う。

 『ドラえもん』でも、のび太が数歳若返って、若返った年齢においては過ぎたる勉強が出来るので「神童」だともてはやされるが、元の年齢に戻ったとき、結局、同じ知能レベルになってしまう、と言うエピソードがあったが、それと同じことである。

 で、ならば、私は、その性格を変えられる範囲への時間移動ならば、人生をやり直すこともできるような気がする。

 つまり、自分を育てた(教育した)親に影響を与えるのである。

 それならば、例えば、のび太や私に必要な「努力」等の、人生に必要な美徳を教育でき、人生のやり直しが出来ると思うのだ。

 ・・・まあ、この作品の主人公は、元々が青春のスターだった訳だから、また、楽しい青春を送れるわけだ^^;

   ◇

 長々と話したが、17歳に戻ったマイクが、高校生に戻って行なうことは、最終的には、「親としての教育(&亭主としての妻への勤め)」なのである。

 現在の高校には、自分の息子と娘が通っている。

 それぞれ、いじめられっ子であり、相手を間違った恋をしていたりする。

 マイクは、そんな息子・アレックスには、バスケに努力し、力をつけ、バカにされない青春を教える。

 もちろん、恋も「込み」である^^

 娘・マギーには、やや親父を隠せないような言動で、説教し、彼女のつきあいは間違っているんじゃないかと諭す。

 こちらは、難しい。

 女は、自分に替わりの幸せを与えてくれる男の説諭ならば聞くが、マイクにとってはマギーは娘なので、キスも抱擁もできない。

 だから、マギーも素直に、その説教を受け入れられない。

 この辺、父と娘の永遠のテーマ「不和」の原因かもしれない。

   ◇

 そして、そんな姉弟とのつきあいを通し、その母親・スカーレット(つまり、マイクの奥さん)とも近づく。

 最終的には、夫婦和解がクライマックスなのだが、自分の体が若返っていて、自分が旦那のマイクと信じてもらえず、でも、体が若いけど、おばさん入っているスカーレットが大好きで、そのねじれが、イケメン高校生と同級生の母親の関係と言う、微妙な背徳感を醸し、実にいい^^;

 最終的に、皆を家に呼んだバスケ祝勝会の場で、若者の外見で、スカーレットにキスしてしまい、スカーレットには、頬を叩かれ、それを見ていたマギーにも叩かれ、マイクに憧れていた三人娘にもそれぞれ叩かれ、帰宅した家の持ち主ネッドにも叩かれまくる。

 ここでメチャ笑わせられたのだが、それにて、マイクは、うまい具合に自分の第二の高校時代に後腐れがなくなり、最後のスカーレットとのオチをつけて、元に戻れる。

 「泣いた赤鬼」的でもあり、うまい物語的なランディングだと思った。

 ・・・現在のマイクの気持ちを、スカーレットに、若い顔で伝えるという「完璧」な状況設定も素晴らしい。

   ◇

 主人公は、『ハイスクール・ミュージカル』のザック・エフロンだが、この人、髪も瞳も黒が勝っていて、若いイケメン特有の軽さがなくって、なかなか好感がもてた。

 そして、そんなロマンチックな青春の代表のマイクと比して、かつての高校時代の親友のネッドの恋も描かれる。

 オタク故に、文科系の一芸に秀でていて、ソフト製作で富豪になっているネッド。

 高校の女性校長への、不器用ながらもパワフルなアタックは、実に楽しいし、

 「女性校長」と言うのも、女として魅力的なカテゴリーである^^

 その『スター・ウォーズ』や『ロード・オブ・ザ・リング』のグッズに彩られているネッド邸も、重要な舞台の一つだ。

 最近のハリウッドの青春物は、華やかなイケメンの青春とともに、オタクな青春を送った者への配慮も忘れていないね^^

 ・・・文中で言及されているが、この作品を語る上で必要と思われるので、私の過去のレビューを読んでみて下さい。

          『ハイスクール・ミュージカル』(クリック!)

   ◇

 それから、娘のマギーだが、学園のワルとつきあっており、作品中、何度も熱烈なキスを繰り返している。

 だが、どうやら、肉体関係にはなっていなかったようだ。

 私は、米国人には、キスとセックスの境界線が確固として存在しているように思えるのだが、皆さんの意見をお聞かせ願いたい。

 多くの作品中(特にハイスクール物)で、キスはビシバシしているのに、肉体関係はまだだと言うシチュエーションが多く見受けられるような気がしているのだが・・・。

                        (2009/05/17)