『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『しあわせカモン』を観た]

2009-11-15 08:12:32 | 物語の感想
☆ ノリピー必見の作品、<岩手のシャブいおばちゃん>!!

   ◇

 東北旅行は続いている。

 岩手県一関市で、聞いたことのないタイトルの作品がかかっていたので、知らない町で、いつもの如く道に迷いつつ、一関シネプラザを発見した後も、駐車場探しに難儀しつつ、赴いた。

 岩手県の福祉基金の助成金で作られた作品だそうだ。

 岩手県の「御当地作品」だ^^

 この日が封切り最終日だそうで、その巡り合わせが嬉しいものだ^^

   ◇

 なかなか面白い作品だった。

 岩手県出身のミュージシャン・松本哲也の半生を、

 愚かだが憎めない、愛すべき母親の後半生と絡めて描く。

 ・・・やや、チープ感が漂うも、抑えるべきところはちゃんと抑えている作劇は、破綻なく、最後まで私を引きつけてくれた。

   ◇

 ヤクザと結婚したフミエは、子供・テツヤを生む。

 このフミエを鈴木砂羽が演じているのだが、イライラさせられるほど、いわゆる「おバカ」でうまい演技だ。

 短絡的な子供のような行動をし続ける。

 そして、その短絡的な思考が、水商売の激務から覚せい剤に手を出させる。

 中毒になり、治療施設に送られる。

 ここでは、作り手(中村大哉監督)により、非常にスピーディーな省略の演出がなされるが、私は「うまい」と思った。

 退院後も、フミエを、禁断症状のフラッシュバックが襲い、正常な生活が困難となる。

 ・・・この、薬物絡みの描写は長い。

 何らかの啓蒙の意図もあるのか?

   ◇

 ヤクザの父親は、服役のお勤めに出て、それが長引くので、離婚届を送ってくる。

 母子二人の生活を求めるも、クスリが抜け切らないフミエにそれは叶わず・・・。

 テツヤは養護施設へ。

 テツヤは、そんな境遇ながらも、素直に育つ。

 ひたすらに、母親との生活を望み、そのために養護施設の日々を寂しくも我慢する。

 だが、フミエのほうの問題で、児童相談所は、二人暮しの許可を与えてくれない。

 フミエは、寂しさから、再びクスリに手を出そうとするも、知り合った男の力で我慢する。

 だが、中学生になり、母親の元に戻ってきたテツヤは、相変わらずの母親の生き方や、新しい男の存在から、グレはじめる。

 傷害事件を起こす。

 時を同じくして、フミエの元から新しい男は去り、

 フミエは、深刻なフラッシュバックで治療施設に・・・。

 警察に補導されているテツヤに、一時外出許可を貰ったフミエが面会に行くところなど、泥沼である^^;

 でも、フミエの性格が、それを悲惨には見せない。

 ・・・私事だが、人生で深刻な悩みがある時に、近くにいたズレた人物が見当外れの慰めをしてくれて、それで却って、こちらの苦悩が解消されるなんてことがある。

 そのような効果を、フミエの人格は持っている。

 平常の生活においては苛立たされるのだが、有事には癒されるのである。

   ◇

 そんなこんなで、最終的に、テツヤは、ミュージシャンを目指し、成功への道を歩んでいく。

 でも、その志半ばで、母親が倒れ・・・、と進んで行く。

 テツヤとフミエは、幸せを得られたのか、得られるのか。

   ◇

 昨日、栗駒方面を進んでいたら、映画『東京タワー』のオープンセットが展示されていた。

 考えるに、この『しあわせカモン』には、『東京タワー』テイストも感じられた。

 ちょっとだけ昔の舞台設定は、往年の『金八先生』の<腐ったミカンの方程式>で描かれていた「ツッパリ」どもの雰囲気を感じさせられて面白かった。

 何よりも、自分の旅した東北の風景と重なるのが、私を情緒深くした・・・。

                                     (2009/11/15)
コメント
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