『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『マイマイ新子と千年の魔法』を観た(少女万歳!^^v)]

2009-11-25 09:34:52 | 物語の感想
☆休みがないと言いつつも、本日は雨で現場作業は中止、現場監督の私は、事務所に数時間、顔を出すだけでOKの日だった。

 故に、夜勤前にMOVIX昭島に行き、『マイマイ新子と千年の魔法』を観ました。

   ◇

 全くノーマークの作品であったが、そして、それほどに派手さのない物語であったが、終盤には、昭和三十年代の奔放な女の子の日常の断片が、私の心に蓄積されていき、私は涙を流してしまった。

 良作である。

 イメージ的には、女の子同士の『スタンド・バイ・ミー』的でもあり、ゲーム『僕の夏休み2』風でもあり、夢見がちな女の子の主人公に『テラビシアにかける橋』を想った。

 歴史を持つ山口県防府市・国衙を舞台に、少女少年たちの日常を自然描写たっぷりに、過去の歴史をカットインさせながら展開される物語であった。

   ◇

 私は、「生半な自然描写」や、「ジブリ作品の呪縛から逃れられないキャラクター」と言う偏見で見ていたのだが、

 段々と、それが、「丹念な自然描写」「素朴な色艶のある少女たち」と変わっていき、夢中になってしまった。

 特に、主演の二人が可愛らしい。

 ボーイッシュな新子と、女の子らしい貴伊子は、全く正反対のタイプながらも、それぞれの魅力を発散させている。

 二人の、作品中での魅力の表わし方、その拮抗具合が絶妙である。

 うん、『ふたりはプリキュア』なんですね^^

 二人とも、私の大好きな短髪娘なのも良い!!

   ◇

 国衙の自然に、二人は、往時の都を夢想する。

 本来は、空想属性とは思えない新子のイメージに、メルヘン属性の貴伊子が引っ張られる展開も面白い。

 また、そんな児童読み物が好きな貴伊子に、控え目にだが、母親の死の影という「現実」を背負わせている。

 この貴伊子が、次第に、これまでの殻を打ち破って変身していく様が、そのコスプレ的な面白味とともに、少女の成長を思わせ、いいんだわ^^

   ◇

 その、かつての都の繁栄の中で生きる孤独な姫と、現在の新子たちを、あまりきっちりとではなく、

 花びらや用水路、小川を流れる切った折り紙などを通し、控えめにオーバーラップさせているのも上品だ。

 ただ、この過去パートは、たまに、物語のテンポを停滞させていたような気もする。

 また、非常に抑制された展開で、奇を衒った展開は排し、昭和30年代のリアルを淡々と積み上げた作品であり、

 新子と貴伊子が仲良くなっていく過程も静かに流れるのだが、

 それ故に、そのシークエンスが、作り手の意図とは別の、妙な味わいを生んでしまってもいた。

 私は転校生の貴伊子に秘密めいたものを感じ、自由奔放な新子に戸惑いを感じられたのが良かったが。

   ◇

 物語の終わりで、国衙の象徴であった新子は引っ越していく、

 それを、新たに、「少女視点の世界」としての国衙を背負うことになる貴伊子が、屈託なく草笛を力強く吹いて見送る。

 その、受け継がれていく物語に、私は感動した。

                                     (2009/11/25)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする