☆東京に帰ってきている。
かつての親友の死は、私の心に、何とも多重の影響を与え続けている。
・・・不思議なものである。
今回記す内容は、親友の死を知らない時のものなのだが、記述している今は、親友の死を知っている。
旅をノホホンと続けていた時のことを、悩んでいる私が書かなくてはならないのである・・・。
しかし、そこが、私の人生の真骨頂なのである。
◇
11/07(土) 晴れ ・・・福島
私は、県道354号の、ちょいと気になる神社を散策していた。
ここ<塩澤神社>は、機織の神様が祭られており、私の女好きは、対象が神様にも及んでいた^^;
県道に面した鳥居を抜けると、落ち葉の舞い散る参堂が続いており、それはそのまま、下りの起伏の小道へ。
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小道は、小川と交差する。
小さな橋を渡りつつ上流を眺めると、小さな渓谷庭園とでも言う情景が見えた。
更に進むと、山中に続く階段がある。
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「見せ場の多い神社ですな^^;」
私は、階段を上る。
シートに座りっ放しの足に石の階段はきつい。
だが、目の前に、真新しい本社が現われた。
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「ほお・・・^^」
◇
今回の旅では、こうして興味の出来たポイントは見て行くことにしているのだが、その方針は、後に、あまりにものダムの多さに立ち消えていった・・・。
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◇
さて、次に目指すダムは、これまでの東北自動車道を挟んだ西側に対し、東面にある。
私は地図をにらみつつ、目的地までの経路を考える。
とにかく、この地では迷うことが分かった。
だから、二本松インターを降りたトコにあった<ヨークベニマル(『「イトーヨーカドー」のバッタモン』byドレミちゃん)>を起点として、一からコースを考えることにした。
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<ヨークベニマル>
たった一色の違いなのに、イトーヨーカ堂のマークと比べたときの違和感たるや凄まじいものがある^^;
緑色のヨーカドー・ヨークベニマルの噂(クリック!)
◇
県道129号を進み、いつしかそれが地方道39号に変わり一本道で、第三のダム<飯野ダム>に到着のはずだった。
が、いつの間にやら、県道117号線を進んでいた^^;
でも、こんなことでめげていられない。
新舟橋を渡り、阿武隈川沿いに下る。
途中、阿武隈川をカヌーで遡る方たちがいた。
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◇
更に下ると、山道に入った。
「道を間違えたか?」
と、思うのだが、とりあえず進む。
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「猟銃禁止」の看板
東北から帰ってきた今となっては、この程度の道で「山道」と呼ぶのはチャンチャラおかしい^^;
ものの五分で道は開け、ダムに到着した。
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改修工事中で近寄れなかったが、重力式のダムの垂直性に、各区画の上に司令塔のような個室が付随している。
「要塞」みたいで格好いい。
建物の風合いにも、前時代的な味わいがある(昭和13年竣工・大林組施工)。
◇
そこから、西の相馬市を目指したのだが、大変だった。
どうしても、二本松の東和地区を抜け出せないのだ。
地方道の62号線(だと思う^^;)が工事で通行止めになっていて、そこからわき道に入らされたのが始まりで、
工事責任社の迂回路の表示などはなく、彷徨うしかなかった。
村の中に、網の目のように張り巡らされた道は、当然ながら、平安京のように東西南北の碁盤目のようであるはずはなく、
自分では確実だと思っていた方向が、いつの間にやら90度方向違っていて、
青看板の表示が「二本松」とされていることが続いた。
「また、二本松かよ! 俺は二本松から出たいんだよ!」
私は叫びつつ、いつの間にやら民家に入ってしまい、犬に吠えられるのだった^^;
こんな田舎でも、ニュータウンとしての再開発が進められていた。
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大規模な宅地造成が行われています。
でも、こんな鉄塔が建っていて、
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部外者(私)が迷い込もうものなら、鐘を鳴らして追い払う腹だろう^^;
◇
村には、歩行者がほとんどいない。
私としては、村のかしこで、子供たちが遊んでいるような風景を期待していたのだが、そんな風景は全くない。
女子学生の登下校風景もほとんどない。
これは、今回の東北旅行全般を通しての感想でもある。
たまあに、厚着をしたおばちゃんが歩いているくらいである。
おばちゃんが畑仕事をしていた。
私は自分のいる場所から、次の目的地の端緒になるであろう地名を言った。
「ここを先に行くと、百目木(どめき)でしょうか?」
すると、とても彫りの深い、と言うか、厚いシワのおばちゃんが訛りのある口調で丁寧に教えてくれた。
だが、私は、その芸術的なシワをまじまじと見てしまい、あまりおばちゃんの言うことが耳に入らなかった^^
車を出しながら、私は言った。
「この先、ドメキ! あのおばちゃんも、ドメキ!」
◇
しかし、ドメキおばちゃんのアドバイス通りに進むと、どうにか国道459線に辿りつき、その先に進めることになった^^
で、ここでコスモ石油を発見したので、コスモ会員の私は給油することにした。
スタンドのおじさんにコスモカードを差し出す。
が、「カードは使えないんだよ」と断られる。
おじさんは動作がトロいので、支払いのためについて行ったら、カウンターに「カード使えます」の表示・・・。
「すいません。ここ、カード使えるって書いてありますが・・・」
すると、おじさん。
「俺は、やり方が分からねぇんだよぉ」
私は「この、ドメキ野郎・・・」と思いつつ、現金払いする。
・・・ったく、何のための会員だよ。
おっと、言い忘れていたが、このドメキおじさんは、近所の人と立ち話をしていたのだが、
その近所のツル禿のおじさんの頭が、波打っていたので、私は驚いた。
何と言えばいいか、巨大な鉄のフォークで頭を叩かれたら、頭に三筋、凹みが出来た・・・、そんな感じであった。
私は、「このおじさん、よく生きているなあ」と思った・・・。
◇
・・・西松建設本社会長室・・・。
定時連絡会は終盤に入っていた。
西松会長<ウサチャン>の前には、九つのディスプレイが置かれていた。
それは東北各地にいる西松暗殺組織<エジプト9栄神>との通信機器であった。
それぞれのディスプレイに<9栄神>の顔が映っている。
一人が言った。
「今、<ミッドナイト・蘭>は、福島を移動中との報告が入りました」
「では、9栄神全員、福島に集結せよ!」
と、<ウサチャン>。
「すいません。私もでしょうか?」
と、最北の青森担当の女。
「私は、『全員』と言ったはずだ・・・」
「は、はっ、分かりました」
「では、諸君、<ミッドナイト・蘭>を福島から出してはならぬぞ!」
「ラー!」と9人が答えた。
「ラー」とは、エジプトの太陽神を意味する。
そして、閉幕の唱和が始まった。
「我ら、悠久のナイルの流れを母とし、その芳醇なる水を蓄えしアスワンハイダムを父とし、全力を尽くす!!」
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・・・アスワン・ハイ・ダム
・・・危うし、風前の灯、ミッドナイト・蘭・・・。
(2009/11/17)
かつての親友の死は、私の心に、何とも多重の影響を与え続けている。
・・・不思議なものである。
今回記す内容は、親友の死を知らない時のものなのだが、記述している今は、親友の死を知っている。
旅をノホホンと続けていた時のことを、悩んでいる私が書かなくてはならないのである・・・。
しかし、そこが、私の人生の真骨頂なのである。
◇
11/07(土) 晴れ ・・・福島
私は、県道354号の、ちょいと気になる神社を散策していた。
ここ<塩澤神社>は、機織の神様が祭られており、私の女好きは、対象が神様にも及んでいた^^;
県道に面した鳥居を抜けると、落ち葉の舞い散る参堂が続いており、それはそのまま、下りの起伏の小道へ。
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小道は、小川と交差する。
小さな橋を渡りつつ上流を眺めると、小さな渓谷庭園とでも言う情景が見えた。
更に進むと、山中に続く階段がある。
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「見せ場の多い神社ですな^^;」
私は、階段を上る。
シートに座りっ放しの足に石の階段はきつい。
だが、目の前に、真新しい本社が現われた。
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「ほお・・・^^」
◇
今回の旅では、こうして興味の出来たポイントは見て行くことにしているのだが、その方針は、後に、あまりにものダムの多さに立ち消えていった・・・。
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◇
さて、次に目指すダムは、これまでの東北自動車道を挟んだ西側に対し、東面にある。
私は地図をにらみつつ、目的地までの経路を考える。
とにかく、この地では迷うことが分かった。
だから、二本松インターを降りたトコにあった<ヨークベニマル(『「イトーヨーカドー」のバッタモン』byドレミちゃん)>を起点として、一からコースを考えることにした。
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<ヨークベニマル>
たった一色の違いなのに、イトーヨーカ堂のマークと比べたときの違和感たるや凄まじいものがある^^;
緑色のヨーカドー・ヨークベニマルの噂(クリック!)
◇
県道129号を進み、いつしかそれが地方道39号に変わり一本道で、第三のダム<飯野ダム>に到着のはずだった。
が、いつの間にやら、県道117号線を進んでいた^^;
でも、こんなことでめげていられない。
新舟橋を渡り、阿武隈川沿いに下る。
途中、阿武隈川をカヌーで遡る方たちがいた。
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◇
更に下ると、山道に入った。
「道を間違えたか?」
と、思うのだが、とりあえず進む。
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「猟銃禁止」の看板
東北から帰ってきた今となっては、この程度の道で「山道」と呼ぶのはチャンチャラおかしい^^;
ものの五分で道は開け、ダムに到着した。
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改修工事中で近寄れなかったが、重力式のダムの垂直性に、各区画の上に司令塔のような個室が付随している。
「要塞」みたいで格好いい。
建物の風合いにも、前時代的な味わいがある(昭和13年竣工・大林組施工)。
◇
そこから、西の相馬市を目指したのだが、大変だった。
どうしても、二本松の東和地区を抜け出せないのだ。
地方道の62号線(だと思う^^;)が工事で通行止めになっていて、そこからわき道に入らされたのが始まりで、
工事責任社の迂回路の表示などはなく、彷徨うしかなかった。
村の中に、網の目のように張り巡らされた道は、当然ながら、平安京のように東西南北の碁盤目のようであるはずはなく、
自分では確実だと思っていた方向が、いつの間にやら90度方向違っていて、
青看板の表示が「二本松」とされていることが続いた。
「また、二本松かよ! 俺は二本松から出たいんだよ!」
私は叫びつつ、いつの間にやら民家に入ってしまい、犬に吠えられるのだった^^;
こんな田舎でも、ニュータウンとしての再開発が進められていた。
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大規模な宅地造成が行われています。
でも、こんな鉄塔が建っていて、
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部外者(私)が迷い込もうものなら、鐘を鳴らして追い払う腹だろう^^;
◇
村には、歩行者がほとんどいない。
私としては、村のかしこで、子供たちが遊んでいるような風景を期待していたのだが、そんな風景は全くない。
女子学生の登下校風景もほとんどない。
これは、今回の東北旅行全般を通しての感想でもある。
たまあに、厚着をしたおばちゃんが歩いているくらいである。
おばちゃんが畑仕事をしていた。
私は自分のいる場所から、次の目的地の端緒になるであろう地名を言った。
「ここを先に行くと、百目木(どめき)でしょうか?」
すると、とても彫りの深い、と言うか、厚いシワのおばちゃんが訛りのある口調で丁寧に教えてくれた。
だが、私は、その芸術的なシワをまじまじと見てしまい、あまりおばちゃんの言うことが耳に入らなかった^^
車を出しながら、私は言った。
「この先、ドメキ! あのおばちゃんも、ドメキ!」
◇
しかし、ドメキおばちゃんのアドバイス通りに進むと、どうにか国道459線に辿りつき、その先に進めることになった^^
で、ここでコスモ石油を発見したので、コスモ会員の私は給油することにした。
スタンドのおじさんにコスモカードを差し出す。
が、「カードは使えないんだよ」と断られる。
おじさんは動作がトロいので、支払いのためについて行ったら、カウンターに「カード使えます」の表示・・・。
「すいません。ここ、カード使えるって書いてありますが・・・」
すると、おじさん。
「俺は、やり方が分からねぇんだよぉ」
私は「この、ドメキ野郎・・・」と思いつつ、現金払いする。
・・・ったく、何のための会員だよ。
おっと、言い忘れていたが、このドメキおじさんは、近所の人と立ち話をしていたのだが、
その近所のツル禿のおじさんの頭が、波打っていたので、私は驚いた。
何と言えばいいか、巨大な鉄のフォークで頭を叩かれたら、頭に三筋、凹みが出来た・・・、そんな感じであった。
私は、「このおじさん、よく生きているなあ」と思った・・・。
◇
・・・西松建設本社会長室・・・。
定時連絡会は終盤に入っていた。
西松会長<ウサチャン>の前には、九つのディスプレイが置かれていた。
それは東北各地にいる西松暗殺組織<エジプト9栄神>との通信機器であった。
それぞれのディスプレイに<9栄神>の顔が映っている。
一人が言った。
「今、<ミッドナイト・蘭>は、福島を移動中との報告が入りました」
「では、9栄神全員、福島に集結せよ!」
と、<ウサチャン>。
「すいません。私もでしょうか?」
と、最北の青森担当の女。
「私は、『全員』と言ったはずだ・・・」
「は、はっ、分かりました」
「では、諸君、<ミッドナイト・蘭>を福島から出してはならぬぞ!」
「ラー!」と9人が答えた。
「ラー」とは、エジプトの太陽神を意味する。
そして、閉幕の唱和が始まった。
「我ら、悠久のナイルの流れを母とし、その芳醇なる水を蓄えしアスワンハイダムを父とし、全力を尽くす!!」
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・・・アスワン・ハイ・ダム
・・・危うし、風前の灯、ミッドナイト・蘭・・・。
(2009/11/17)