今日は、先日読んだ本の感想をば♪
ずっと書きたいなぁと思ってて、なかなか書けていなかったのですよね~。
11月22日の発売日当日に購入しました、藤木稟さん著『ハーメルンに哭く笛 探偵・朱雀十五の事件簿2』。
そう、10月末に発売された『陀吉尼の紡ぐ糸』に続く、探偵・朱雀十五シリーズの2巻です。
以前、他の出版社から出ていた作品が、角川ホラー文庫から再版されました。
で。
私は、せっかく発売日当日に購入したものの、なかなか読書する時間が取れなくて・・・暫し、手付かずのままだったのですが、12月5日にまるっと一日没頭して読了。
以来、ずっと、感想書きたい書きたい~とウズウズしたまま、現在に至っておりました(笑)
という訳で。
感想と言う名の萌え語りスタート。
前作では昭和9年の浅草で起こった事件ですが、今回は、その約1年後。
昭和10年の上野で事件が起こります。
登場人物は、いつものメンバー。
新聞記者の柏木に、刑事の馬場、そして、吉原の顧問弁護士であり、女性と見紛うばかりの美貌の持ち主でもある、盲目探偵の朱雀十五が活躍します。
昭和10年の上野で、児童30人が、忽然と姿を消す・・・という怪事件が発生。
まるで、童話の「ハーメルンの笛吹き男」を連想させるような、児童の集団失踪。
そして、その翌々日。
ある寺の墓地にて、行方不明になった子供達全員が、手足を切断され、あたかもお地蔵様のように墓石の間に立てられている・・・という無惨な姿で発見されるのです。
更に、警視庁に「自壊のオベリスク」と書かれた怪文書が届くのでした。
この事件を追っている刑事の馬場は、「ハーメルンの笛吹き男をみた」と証言する男、田中の元を訪ねるのですが、そこで、馬場自身も、怪しげな格好をした笛吹き男を目撃。
笛吹き男は、人間業とは思えないような俊敏さでビルのベランダから飛び降りて消えてしまいます。
そして、そこに残された、
「子供タチハ イタダキマシタ。
真ニ有リ難トウゴザイマス。
笛吹キ男」
なるメモ。
更に、事件と関わりがあるのかと思われた、件の目撃者の田中も、足を切断された上、木に吊される・・・という惨殺死体で発見されます。
一方、朝日新聞の記者、柏木も、同じ頃、徘徊する死体の群れを目撃。
児童失踪事件をきっかけに次々と起こる奇怪な事件。惨殺死体。
そして、目撃される生きた死体や、怪人。
数々の怪事件は、帝都を跋扈する怪人・ハーメルンの笛吹き男の仕業なのか・・・はたまた、人間の仕業なのか・・・!?
というような物語。
怖かった・・・凄く怖かったけど、面白くて、一気に物語世界に引き込まれてしまいましたです。
そうそう。
この作品を読んで、ふと思ったのですが。
前作『陀吉尼の~』よりもテンポが良くて読みやすいというか。『バチカン奇跡調査官』の1巻と2巻を続けて読んだときも思ったのですが。
この作者さん、1巻より、2巻以降の方が、グングン読みやすくなってるというか、物語世界に引き込まれやすくなってるというか・・・・そんな特徴を感じましたです。
いやいや、決して、1巻目が読みにくいという訳では全然無いのですよ! とても面白いのです!
でも、『陀吉尼の~』も『バチカン奇跡調査官』の1巻目も、事件の真相が凄く気になるものの、ゆっくりじっくり真相に辿り着く・・・という感じで。
一方、『バチカン奇跡調査官』の2巻以降や、今回の『ハーメルン~~』は、冒頭からいきなり引き込まれて、テンポ良く進んでいくのですよね。
きっと、シリーズものの1巻は、どうしても、その世界観やキャラクターについてしっかり描いてあるということでしょうかね(^^)b
という訳で。
今回も、凄く没頭しましたです。
で。
何が怖いって・・・。
今作は、とにかく、グロかった。。。。。。
集団失踪した子供達の惨殺死体がしょっぱないきなりですし。
その後も、足を切断され吊された死体。
サーカスの見世物。
実験施設での怪しげな研究、人体実験。
ホント、いつゾンビが出ても良いような、薄気味悪さを感じずにはいられませんでした。
そして、そんな薄気味悪い、怖い事件が、昭和初期という時代背景にもマッチして。余計にオドロオドロしく感じたのですよね~。
昭和初期って、モダニズムというか、明治や大正に比べて、より日本文化が近代化していく時ですよね。
でも、その一方で、未だ、関東大震災の爪痕が残っていたり。
はたまた、コンクリートの建物がどんどん増えていくなど、近代化の上での事故があったり。
軍部はどんどん暗躍していってるし。
また、近代化の流れから、取り残されたような貧しい人達もいる。
そんな混沌とした帝都ゆえに、ハーメルンの笛吹き男だの怪人だのが跳梁跋扈
しててもおかしくないよ・・・・と思えちゃうのですよね。
っていうか、そういう怪人というか化け物って、本当に居るんだと思う。
そして、それは、人間自身が作り上げてしまったもの。
人間の病んだ感情、歪んだ想い、恨み、暴力・・・そういったものが、「化け物」を具現化してしまうんだ・・・・と思いましたです。
今回も、前作同様、あちらこちらで不審な出来事が続き・・・あたかも、事件単体では、あまり関連性を感じないようなものが、実は一本の線で繋がっていて・・・と分かっていくところは、読んでいて壮観でした。
いろんな伏線が、パズルのピースが嵌るように、どんどんと形が出来ていき。
そして、明らかになった結末は、ビックリでした。
まあ、研究所のアレコレに関しては、少し想像が付いたし、笛吹き男のことも、サーカスが出てきた段階で、少し推理できましたが。
とはいえ、真相は推理できなかったわ~。複雑すぎる。
今作は、「すべて科学で説明が付く」という感じではなく、ちょっと空想科学めいた人体実験もあったのですが、でも、あの時代。軍部は怪しげな実験とかもしていたでしょうしね・・・。
「そんなことは不可能でしょ(^^;;」と思う実験でさえ、いや、もしかしたら、本当に出来ちゃうのかも~と思えちゃうリアリティを感じずには居られませんでした。
それくらい、怖く不気味な物語世界観だったというか。
そして、それが、昭和初期という時代なのかもしれない・・とも思いました。
更に、このお話。
結末・・・というか、事件に至った経緯については、とてもショッキングな事実が分かるのですよね。
これは本当にショッキングでした。
いやはや、最初は、単なる怪事件のミステリ小説を楽しむ感じで、ドンドン読み進めていたのですが。
真相は・・・私も知らなかった、歴史の暗部にスポットを当ててる感じで。
なんとも言えない、ズ~ンとした気持ちになりましたです。
っていうか。
関東大震災の時に起こった某暴動事件。
本当のことなのかなぁと思って、本を読み終わった後、ググってみました。
もちろん、今となっては、真偽の程は分からないと思います。
それこそ、その時代に生きてて、その時現場に居合わせて、目撃したり体験したりした人でないと、真に本当のことは分からないのでしょう。
「あった」とか「なかった」とか、その被害状況、程度に関しては、後の時代から、なんとでも言えますし。
なので、真偽は分かりませんが、確かに、物語中に出てきた某暴動については、そういう事実があったらしい・・・ということは、ネットで調べて分かりました。
もし真実だとしたら・・・それはとてもショッキングなことで。
結構、有名な事件らしいのですが・・・私は全然知らなくて(学校の歴史でも、関東大震災については教わっても、そのことは習わなかったし・・・)、本当に衝撃的でした。
そして、その事件こそが、この物語の悲劇の始まりだった・・・ということで。
うん。
やっぱり、「魔物」は居るんだ。人間の中に。私達、1人1人の心の中に居るんだ。。。。と思わずには居られませんでした。
人間の集団心理の怖さというか。
このお話に出てくる探偵・朱雀十五は、性悪説派なのですよね。
私は、やっぱり、人間は性善説である・・・と信じたい派なのですが。
だけど、だけど。
こうやって、人間の心に潜む「悪」を感じるとね・・・もしかしたら、性悪説なのかも~とか思わずにはいられませんよね(^^;;
ホント、一番怖いのは人間なのかも。
そういえば。
前回はとてもアクティブだった朱雀探偵。
今作では、馬場や柏木、その他の人達からお話を聞くだけで、事件の真相に辿り着いた感じで。今回は、安楽椅子探偵っぽかったです。
そして。
本のオビに「神の美貌と悪魔の性格」と謳われているように、朱雀さんの超毒舌&変人っぷり(褒めてますv)、も健在。
新聞記者の柏木さんは、前回の事件で少々心を病んでしまったっぽい感もあり、また、熱血刑事の馬場さんは・・・今回の事件の真相で・・・色々気に病んじゃったりしなければ良いんだけど・・・と。
登場人物の今後も気になるところですね。
次回作も期待しているのですが、確か、「探偵・朱雀十五の事件簿」としては、この2作だけ・・・なのですよね?
「朱雀十五シリーズ」というのは、色々あるみたいですが。
それは、彼がまだ目が見えていた頃の話・・・じゃないのかな???? 違う????
「探偵・朱雀十五の事件簿」シリーズ、これからでも、3とか4とか・・・新たに出て欲しいですね。
時にグロテスクであり、毒々しくもあるけれど。
昭和初期を舞台にした、伝奇的ミステリ。物凄く好きです。
ずっと書きたいなぁと思ってて、なかなか書けていなかったのですよね~。
11月22日の発売日当日に購入しました、藤木稟さん著『ハーメルンに哭く笛 探偵・朱雀十五の事件簿2』。
そう、10月末に発売された『陀吉尼の紡ぐ糸』に続く、探偵・朱雀十五シリーズの2巻です。
以前、他の出版社から出ていた作品が、角川ホラー文庫から再版されました。
で。
私は、せっかく発売日当日に購入したものの、なかなか読書する時間が取れなくて・・・暫し、手付かずのままだったのですが、12月5日にまるっと一日没頭して読了。
以来、ずっと、感想書きたい書きたい~とウズウズしたまま、現在に至っておりました(笑)
という訳で。
感想と言う名の萌え語りスタート。
前作では昭和9年の浅草で起こった事件ですが、今回は、その約1年後。
昭和10年の上野で事件が起こります。
登場人物は、いつものメンバー。
新聞記者の柏木に、刑事の馬場、そして、吉原の顧問弁護士であり、女性と見紛うばかりの美貌の持ち主でもある、盲目探偵の朱雀十五が活躍します。
昭和10年の上野で、児童30人が、忽然と姿を消す・・・という怪事件が発生。
まるで、童話の「ハーメルンの笛吹き男」を連想させるような、児童の集団失踪。
そして、その翌々日。
ある寺の墓地にて、行方不明になった子供達全員が、手足を切断され、あたかもお地蔵様のように墓石の間に立てられている・・・という無惨な姿で発見されるのです。
更に、警視庁に「自壊のオベリスク」と書かれた怪文書が届くのでした。
この事件を追っている刑事の馬場は、「ハーメルンの笛吹き男をみた」と証言する男、田中の元を訪ねるのですが、そこで、馬場自身も、怪しげな格好をした笛吹き男を目撃。
笛吹き男は、人間業とは思えないような俊敏さでビルのベランダから飛び降りて消えてしまいます。
そして、そこに残された、
「子供タチハ イタダキマシタ。
真ニ有リ難トウゴザイマス。
笛吹キ男」
なるメモ。
更に、事件と関わりがあるのかと思われた、件の目撃者の田中も、足を切断された上、木に吊される・・・という惨殺死体で発見されます。
一方、朝日新聞の記者、柏木も、同じ頃、徘徊する死体の群れを目撃。
児童失踪事件をきっかけに次々と起こる奇怪な事件。惨殺死体。
そして、目撃される生きた死体や、怪人。
数々の怪事件は、帝都を跋扈する怪人・ハーメルンの笛吹き男の仕業なのか・・・はたまた、人間の仕業なのか・・・!?
というような物語。
怖かった・・・凄く怖かったけど、面白くて、一気に物語世界に引き込まれてしまいましたです。
そうそう。
この作品を読んで、ふと思ったのですが。
前作『陀吉尼の~』よりもテンポが良くて読みやすいというか。『バチカン奇跡調査官』の1巻と2巻を続けて読んだときも思ったのですが。
この作者さん、1巻より、2巻以降の方が、グングン読みやすくなってるというか、物語世界に引き込まれやすくなってるというか・・・・そんな特徴を感じましたです。
いやいや、決して、1巻目が読みにくいという訳では全然無いのですよ! とても面白いのです!
でも、『陀吉尼の~』も『バチカン奇跡調査官』の1巻目も、事件の真相が凄く気になるものの、ゆっくりじっくり真相に辿り着く・・・という感じで。
一方、『バチカン奇跡調査官』の2巻以降や、今回の『ハーメルン~~』は、冒頭からいきなり引き込まれて、テンポ良く進んでいくのですよね。
きっと、シリーズものの1巻は、どうしても、その世界観やキャラクターについてしっかり描いてあるということでしょうかね(^^)b
という訳で。
今回も、凄く没頭しましたです。
で。
何が怖いって・・・。
今作は、とにかく、グロかった。。。。。。
集団失踪した子供達の惨殺死体がしょっぱないきなりですし。
その後も、足を切断され吊された死体。
サーカスの見世物。
実験施設での怪しげな研究、人体実験。
ホント、いつゾンビが出ても良いような、薄気味悪さを感じずにはいられませんでした。
そして、そんな薄気味悪い、怖い事件が、昭和初期という時代背景にもマッチして。余計にオドロオドロしく感じたのですよね~。
昭和初期って、モダニズムというか、明治や大正に比べて、より日本文化が近代化していく時ですよね。
でも、その一方で、未だ、関東大震災の爪痕が残っていたり。
はたまた、コンクリートの建物がどんどん増えていくなど、近代化の上での事故があったり。
軍部はどんどん暗躍していってるし。
また、近代化の流れから、取り残されたような貧しい人達もいる。
そんな混沌とした帝都ゆえに、ハーメルンの笛吹き男だの怪人だのが跳梁跋扈
しててもおかしくないよ・・・・と思えちゃうのですよね。
っていうか、そういう怪人というか化け物って、本当に居るんだと思う。
そして、それは、人間自身が作り上げてしまったもの。
人間の病んだ感情、歪んだ想い、恨み、暴力・・・そういったものが、「化け物」を具現化してしまうんだ・・・・と思いましたです。
今回も、前作同様、あちらこちらで不審な出来事が続き・・・あたかも、事件単体では、あまり関連性を感じないようなものが、実は一本の線で繋がっていて・・・と分かっていくところは、読んでいて壮観でした。
いろんな伏線が、パズルのピースが嵌るように、どんどんと形が出来ていき。
そして、明らかになった結末は、ビックリでした。
まあ、研究所のアレコレに関しては、少し想像が付いたし、笛吹き男のことも、サーカスが出てきた段階で、少し推理できましたが。
とはいえ、真相は推理できなかったわ~。複雑すぎる。
今作は、「すべて科学で説明が付く」という感じではなく、ちょっと空想科学めいた人体実験もあったのですが、でも、あの時代。軍部は怪しげな実験とかもしていたでしょうしね・・・。
「そんなことは不可能でしょ(^^;;」と思う実験でさえ、いや、もしかしたら、本当に出来ちゃうのかも~と思えちゃうリアリティを感じずには居られませんでした。
それくらい、怖く不気味な物語世界観だったというか。
そして、それが、昭和初期という時代なのかもしれない・・とも思いました。
更に、このお話。
結末・・・というか、事件に至った経緯については、とてもショッキングな事実が分かるのですよね。
これは本当にショッキングでした。
いやはや、最初は、単なる怪事件のミステリ小説を楽しむ感じで、ドンドン読み進めていたのですが。
真相は・・・私も知らなかった、歴史の暗部にスポットを当ててる感じで。
なんとも言えない、ズ~ンとした気持ちになりましたです。
っていうか。
関東大震災の時に起こった某暴動事件。
本当のことなのかなぁと思って、本を読み終わった後、ググってみました。
もちろん、今となっては、真偽の程は分からないと思います。
それこそ、その時代に生きてて、その時現場に居合わせて、目撃したり体験したりした人でないと、真に本当のことは分からないのでしょう。
「あった」とか「なかった」とか、その被害状況、程度に関しては、後の時代から、なんとでも言えますし。
なので、真偽は分かりませんが、確かに、物語中に出てきた某暴動については、そういう事実があったらしい・・・ということは、ネットで調べて分かりました。
もし真実だとしたら・・・それはとてもショッキングなことで。
結構、有名な事件らしいのですが・・・私は全然知らなくて(学校の歴史でも、関東大震災については教わっても、そのことは習わなかったし・・・)、本当に衝撃的でした。
そして、その事件こそが、この物語の悲劇の始まりだった・・・ということで。
うん。
やっぱり、「魔物」は居るんだ。人間の中に。私達、1人1人の心の中に居るんだ。。。。と思わずには居られませんでした。
人間の集団心理の怖さというか。
このお話に出てくる探偵・朱雀十五は、性悪説派なのですよね。
私は、やっぱり、人間は性善説である・・・と信じたい派なのですが。
だけど、だけど。
こうやって、人間の心に潜む「悪」を感じるとね・・・もしかしたら、性悪説なのかも~とか思わずにはいられませんよね(^^;;
ホント、一番怖いのは人間なのかも。
そういえば。
前回はとてもアクティブだった朱雀探偵。
今作では、馬場や柏木、その他の人達からお話を聞くだけで、事件の真相に辿り着いた感じで。今回は、安楽椅子探偵っぽかったです。
そして。
本のオビに「神の美貌と悪魔の性格」と謳われているように、朱雀さんの超毒舌&変人っぷり(褒めてますv)、も健在。
新聞記者の柏木さんは、前回の事件で少々心を病んでしまったっぽい感もあり、また、熱血刑事の馬場さんは・・・今回の事件の真相で・・・色々気に病んじゃったりしなければ良いんだけど・・・と。
登場人物の今後も気になるところですね。
次回作も期待しているのですが、確か、「探偵・朱雀十五の事件簿」としては、この2作だけ・・・なのですよね?
「朱雀十五シリーズ」というのは、色々あるみたいですが。
それは、彼がまだ目が見えていた頃の話・・・じゃないのかな???? 違う????
「探偵・朱雀十五の事件簿」シリーズ、これからでも、3とか4とか・・・新たに出て欲しいですね。
時にグロテスクであり、毒々しくもあるけれど。
昭和初期を舞台にした、伝奇的ミステリ。物凄く好きです。