先日見て来まして、ドド~ンとツボってしまいました、映画『クロニクル』の感想を♪
この作品、アメリカの26歳の監督の長編初作品。
その若手監督の、初長編作品が、全米初登場1位を制した・・・という話題作だそうです。
日本では、最初、首都圏のみの上映だったのですが、今では、順次全国上映に変わっています。
お蔭で、京都でも見れました(*^^*)
■「クロニクル」予告編
ストーリーは、なんというか・・・実写なんだけど、実にアニメっぽいお話ではあるのですよね。
アニメやゲームみたい・・・というか。
なので、もしかしたら、賛否分かれるのかもしれませんが、普段からアニメやゲームに慣れ親しんでいる私には、ガッツリと心に響くものがありましたっ。
超能力ものでありながら、ティーンエイジャーならではの、青春の切なさや危うさっていうのかな。
そういうのが、凄く伝わってきたのですよね(>_<)
主人公のアンドリューと、その従兄であり友人のマット、アメフト部の人気者スティーブの3人が、ふとしたことから、不思議な力を身につけてしまうのです。
最初は、手を使わずに、おもちゃのブロックを組み立てたりして、「俺たちスゲーっ(≧▽≦)」って喜んでいたのですが。
段々と、エスカレートして行って、その内、その力でイタズラを始めちゃうのですよね。
・・・と言っても、女子のスカートをめくったりとか、おもちゃ売り場で、小さな女の子にぬいぐるみをけしかけてビビらせたり、とか、実にしょーもないレベルのイタズラではあるのですが。
でもでも、色々な出来事や経験を経て、やがてアンドリューが精神のバランスを崩して、段々と、破壊的衝動、暴力的衝動に駆られてくるのです。
3人の中でも一番「力」の強いアンドリューは、「俺は強いんだから、何をやっても良いんだ!」と暴力的な思想に傾倒していき。友人のマットやスティーブは、そんなアンドリューを心から心配して、色々と気にかけてあげるものの、3人ともが、悲劇に向かっていくラスト・・・というか。そんなお話です。
前半の、力を手に入れて、しょーもないイタズラをして楽しんでいる彼ら、力を通して芽生えた友情とか、そういうシーンは、いかにも、アメリカのティーンエイジャー青春物として、ほのぼの楽しそうなのです。
とはいえ、内容が内容だけに、絶対にこのまま、明るく楽しくお話が進むわけがない・・・と見ている側は思うじゃないですか~?
なので、前半に、彼らがイタズラをしてバカ騒ぎして楽しんでいれば、楽しんでいるほど、いつ、こんな日常が崩壊するのか、今後彼らにどんな悲劇が待っているのか・・・と見ててハラハラしました。
特に、この作品は、主人公アンドリューのホームビデオによる録画記録という形、つまり、ドキュメンタリー風表現手法のモキュメンタリーで描かれているので、なんだか、余計に怖い。
最初は楽しく記録していたのに・・・最後、どうなっていくんだろう・・・という不安感を凄く煽る効果があったです。
そして、面白おかしく「力」で遊んでいる前半だけに、後半の、彼ら3人が一気に悲劇へと向かっていく崩壊の過程は緊迫感がありました。
でもね。
破壊衝動に駆られるアンドリューと、それを止めようとする友人たちの悲劇。
これ見てると、ホント、切なくなっちゃいました。
暴走したアンドリューが単に悪い・・・とも思えなくって。
そもそも、この映画、なぜ、モキュメンタリーなのか・・・というと。
元々、主人公のアンドリューは、友達の居ない独りぼっちな、ちょっといじめられっ子タイプだったのですよね。
家庭の事情も少し複雑で、病気で寝たきりの母親、そして父親は元消防士だったもの仕事中の怪我が原因で退職。以後、無職で、酒浸り。故に、貧しく、母親の薬代すらままならない状況。
そんな彼の唯一の友達が、中古の古いビデオカメラだったんですよ。
独りぼっちの彼は、学校でもどこでも、常にビデオカメラを回して、色んな物を記録していく。カメラに話しかける。
そんな少年だったのです。
・・・でも、まあ、普段からそんな変わった行動をとっているからこそ、余計に周りから奇異な目で見られたり、浮いたりするのでしょうが・・・。
でもでも、彼にとっては、多分、彼を取り巻くリアルな環境を受け入れるのが辛くて。カメラを通してでしか、彼を取り巻くリアルと接することが出来なかったのではないかなぁ・・・と思いました。
で、そのカメラこそが、この映画・・・な訳ですが。
そして、そんな彼が、ふとしたきっかけで、超能力を手にし。
それがきっかけで、親しい友人が出来る。
学校でも独りではなく、友達と一緒。
放課後も独りではなく、友達と遊ぶ。
そういうのって、凄く嬉しかったんじゃないかなぁと思うなぁ。
「力」の使い方を巡っての意見の食い違いなんかで友人たちと揉めたりするのは、ちょっとアンドリューの身勝手さも否めませんでしたが。
でもでも、「力」を特別な事として喜んでいるのも、家庭や学校で、色々と押さえつけられてきた彼のストレス発散でもあったのかもしれません。
そしてそして。
そんなアンドリューが、スティーブの提案により、学校の文化祭的なステージにて、その「力」を使って、手品をやったら、一躍、皆の人気者に!
今まで誰からも振り向かれなかった分、嬉しい反面、ちょ~っといい気になって、お酒も飲み過ぎる。
女の子とハメを外す。
・・・っていうのも、ある意味仕方ないと思うのですよね。
友人のマットやスティーブと違って、女の子と付き合った経験も、もちろん、女の子と肉体関係を持ったことも無い。
まあ、そんな大事な、一世一代のオトナへの階段(?)の最中、飲み過ぎでデキないどころか、女の子と寝室で二人きりの状況で、リバース(@A@;;
女の子からは「サイテー」と見下されるは、それを言い触らされて、せっかく人気者になったハズなのに、一夜にしてまた馬鹿にされるキャラに逆戻り。
しかも、家では家で、母親の病気の事や、父親の暴力があって、鬱屈鬱屈鬱屈。
心配するマットやスティーブのことすら、ウザいと感じたり、信じられなくなったり。
「俺は『力』があるんだ! 『力』は3人の中でも一番強いんだ!」
って思って爆発したくなる気持ちも分からなくはないです・・・。
些細なことかもしれないけど、初体験に失敗したっていうのは、彼のプライドをボロボロにしただろうし。
その他の事でも色々フラストレーションが積もりに積もっていただろうし。
そこに来て、スティーブの悲劇が・・・。
もう、戻れないところまで、追い詰められてしまうのですよね(;;)
でも、だからと言って、彼のしたことは決して許されることではない。
力を使って、復讐したり、人を殺したり、お金を奪ったり、手当たり次第に街を破壊して行って良い訳ではない・・・。でも、もう、後には戻れない。
大崩壊な悲劇です。
しかも、その悲劇が、ほんの些細なきっかけから、一気に坂道を転げ落ちるように起こってしまった・・・というのが、なんとも哀しいのです。
そして、力を暴走させ、暴れに暴れまくるアンドリューが、なんというか・・・手負いの小動物が、必死に抵抗しているようにも見えなくはなかったです。
破壊すればするほど、彼の心は悲鳴を上げているような感じと言うか。
アンドリューの暴走を止めようとするマットとの一対一の戦い。
マットを攻撃しつつも、本当は、助けて欲しかったのではないかなぁと思えて仕方ないです。
そしてそして。この映画のラストシーンは、凄く好きです。
アンドリューが行きたがっていたチベットに行って、彼のカメラを置いてくるマット。
あのラストは、凄く切なくて悲しかった・・・。でも、綺麗だったな。
場面も、大崩壊の都市から、静かなチベットの雪山へと変わり。
何もかもが終わったんだ・・・と思えました。
それにしても。
手に入れた不思議な力で、楽しく高校生活を過ごしたかった・・・最初はそれだけだっただろうに。
どこで狂ってしまったのか。。。。
時間が戻せるものなら戻したいような・・・そんなやるせないラストでした。
どこかで歯車が狂ってしまった友情も、なんとも哀しい。
でも、こういうお話、私は好きです。
本当にアニメの様なお話なのですが、超能力物とかが好きな人は楽しめるのではないかなぁと思います。
ストーリーのテンポも良く、前半の青春物のようなシーンから、一気に崩壊へのラストは引き込まれました。
ゲームやアニメが好きな方にはおすすめです☆
この作品、アメリカの26歳の監督の長編初作品。
その若手監督の、初長編作品が、全米初登場1位を制した・・・という話題作だそうです。
日本では、最初、首都圏のみの上映だったのですが、今では、順次全国上映に変わっています。
お蔭で、京都でも見れました(*^^*)
■「クロニクル」予告編
ストーリーは、なんというか・・・実写なんだけど、実にアニメっぽいお話ではあるのですよね。
アニメやゲームみたい・・・というか。
なので、もしかしたら、賛否分かれるのかもしれませんが、普段からアニメやゲームに慣れ親しんでいる私には、ガッツリと心に響くものがありましたっ。
超能力ものでありながら、ティーンエイジャーならではの、青春の切なさや危うさっていうのかな。
そういうのが、凄く伝わってきたのですよね(>_<)
主人公のアンドリューと、その従兄であり友人のマット、アメフト部の人気者スティーブの3人が、ふとしたことから、不思議な力を身につけてしまうのです。
最初は、手を使わずに、おもちゃのブロックを組み立てたりして、「俺たちスゲーっ(≧▽≦)」って喜んでいたのですが。
段々と、エスカレートして行って、その内、その力でイタズラを始めちゃうのですよね。
・・・と言っても、女子のスカートをめくったりとか、おもちゃ売り場で、小さな女の子にぬいぐるみをけしかけてビビらせたり、とか、実にしょーもないレベルのイタズラではあるのですが。
でもでも、色々な出来事や経験を経て、やがてアンドリューが精神のバランスを崩して、段々と、破壊的衝動、暴力的衝動に駆られてくるのです。
3人の中でも一番「力」の強いアンドリューは、「俺は強いんだから、何をやっても良いんだ!」と暴力的な思想に傾倒していき。友人のマットやスティーブは、そんなアンドリューを心から心配して、色々と気にかけてあげるものの、3人ともが、悲劇に向かっていくラスト・・・というか。そんなお話です。
前半の、力を手に入れて、しょーもないイタズラをして楽しんでいる彼ら、力を通して芽生えた友情とか、そういうシーンは、いかにも、アメリカのティーンエイジャー青春物として、ほのぼの楽しそうなのです。
とはいえ、内容が内容だけに、絶対にこのまま、明るく楽しくお話が進むわけがない・・・と見ている側は思うじゃないですか~?
なので、前半に、彼らがイタズラをしてバカ騒ぎして楽しんでいれば、楽しんでいるほど、いつ、こんな日常が崩壊するのか、今後彼らにどんな悲劇が待っているのか・・・と見ててハラハラしました。
特に、この作品は、主人公アンドリューのホームビデオによる録画記録という形、つまり、ドキュメンタリー風表現手法のモキュメンタリーで描かれているので、なんだか、余計に怖い。
最初は楽しく記録していたのに・・・最後、どうなっていくんだろう・・・という不安感を凄く煽る効果があったです。
そして、面白おかしく「力」で遊んでいる前半だけに、後半の、彼ら3人が一気に悲劇へと向かっていく崩壊の過程は緊迫感がありました。
でもね。
破壊衝動に駆られるアンドリューと、それを止めようとする友人たちの悲劇。
これ見てると、ホント、切なくなっちゃいました。
暴走したアンドリューが単に悪い・・・とも思えなくって。
そもそも、この映画、なぜ、モキュメンタリーなのか・・・というと。
元々、主人公のアンドリューは、友達の居ない独りぼっちな、ちょっといじめられっ子タイプだったのですよね。
家庭の事情も少し複雑で、病気で寝たきりの母親、そして父親は元消防士だったもの仕事中の怪我が原因で退職。以後、無職で、酒浸り。故に、貧しく、母親の薬代すらままならない状況。
そんな彼の唯一の友達が、中古の古いビデオカメラだったんですよ。
独りぼっちの彼は、学校でもどこでも、常にビデオカメラを回して、色んな物を記録していく。カメラに話しかける。
そんな少年だったのです。
・・・でも、まあ、普段からそんな変わった行動をとっているからこそ、余計に周りから奇異な目で見られたり、浮いたりするのでしょうが・・・。
でもでも、彼にとっては、多分、彼を取り巻くリアルな環境を受け入れるのが辛くて。カメラを通してでしか、彼を取り巻くリアルと接することが出来なかったのではないかなぁ・・・と思いました。
で、そのカメラこそが、この映画・・・な訳ですが。
そして、そんな彼が、ふとしたきっかけで、超能力を手にし。
それがきっかけで、親しい友人が出来る。
学校でも独りではなく、友達と一緒。
放課後も独りではなく、友達と遊ぶ。
そういうのって、凄く嬉しかったんじゃないかなぁと思うなぁ。
「力」の使い方を巡っての意見の食い違いなんかで友人たちと揉めたりするのは、ちょっとアンドリューの身勝手さも否めませんでしたが。
でもでも、「力」を特別な事として喜んでいるのも、家庭や学校で、色々と押さえつけられてきた彼のストレス発散でもあったのかもしれません。
そしてそして。
そんなアンドリューが、スティーブの提案により、学校の文化祭的なステージにて、その「力」を使って、手品をやったら、一躍、皆の人気者に!
今まで誰からも振り向かれなかった分、嬉しい反面、ちょ~っといい気になって、お酒も飲み過ぎる。
女の子とハメを外す。
・・・っていうのも、ある意味仕方ないと思うのですよね。
友人のマットやスティーブと違って、女の子と付き合った経験も、もちろん、女の子と肉体関係を持ったことも無い。
まあ、そんな大事な、一世一代のオトナへの階段(?)の最中、飲み過ぎでデキないどころか、女の子と寝室で二人きりの状況で、リバース(@A@;;
女の子からは「サイテー」と見下されるは、それを言い触らされて、せっかく人気者になったハズなのに、一夜にしてまた馬鹿にされるキャラに逆戻り。
しかも、家では家で、母親の病気の事や、父親の暴力があって、鬱屈鬱屈鬱屈。
心配するマットやスティーブのことすら、ウザいと感じたり、信じられなくなったり。
「俺は『力』があるんだ! 『力』は3人の中でも一番強いんだ!」
って思って爆発したくなる気持ちも分からなくはないです・・・。
些細なことかもしれないけど、初体験に失敗したっていうのは、彼のプライドをボロボロにしただろうし。
その他の事でも色々フラストレーションが積もりに積もっていただろうし。
そこに来て、スティーブの悲劇が・・・。
もう、戻れないところまで、追い詰められてしまうのですよね(;;)
でも、だからと言って、彼のしたことは決して許されることではない。
力を使って、復讐したり、人を殺したり、お金を奪ったり、手当たり次第に街を破壊して行って良い訳ではない・・・。でも、もう、後には戻れない。
大崩壊な悲劇です。
しかも、その悲劇が、ほんの些細なきっかけから、一気に坂道を転げ落ちるように起こってしまった・・・というのが、なんとも哀しいのです。
そして、力を暴走させ、暴れに暴れまくるアンドリューが、なんというか・・・手負いの小動物が、必死に抵抗しているようにも見えなくはなかったです。
破壊すればするほど、彼の心は悲鳴を上げているような感じと言うか。
アンドリューの暴走を止めようとするマットとの一対一の戦い。
マットを攻撃しつつも、本当は、助けて欲しかったのではないかなぁと思えて仕方ないです。
そしてそして。この映画のラストシーンは、凄く好きです。
アンドリューが行きたがっていたチベットに行って、彼のカメラを置いてくるマット。
あのラストは、凄く切なくて悲しかった・・・。でも、綺麗だったな。
場面も、大崩壊の都市から、静かなチベットの雪山へと変わり。
何もかもが終わったんだ・・・と思えました。
それにしても。
手に入れた不思議な力で、楽しく高校生活を過ごしたかった・・・最初はそれだけだっただろうに。
どこで狂ってしまったのか。。。。
時間が戻せるものなら戻したいような・・・そんなやるせないラストでした。
どこかで歯車が狂ってしまった友情も、なんとも哀しい。
でも、こういうお話、私は好きです。
本当にアニメの様なお話なのですが、超能力物とかが好きな人は楽しめるのではないかなぁと思います。
ストーリーのテンポも良く、前半の青春物のようなシーンから、一気に崩壊へのラストは引き込まれました。
ゲームやアニメが好きな方にはおすすめです☆