今日は、Blu-rayで見た映画の感想をば♪
先週の金曜日に日記でチラッと書いてた、途中になってた、あれです。
前々からBlu-rayで絶対欲しいと思っていた作品、『つぐない』。
mixiのボイスやツイッターでは、チラっと呟きましたが、先月、やっとBlu-rayを購入し、鑑賞しました。
1935年を舞台にした、物凄く綺麗な映画で、そして、切な過ぎる悲恋の物語。
この映画自体は2007年の作品です。
キーラ・ナイトレイや、ジェームス・マカヴォイ、ベネディクト・カンバーバッチが出演しています。
原作は、イアン・マキューアンの『贖罪』という小説なのですが、原作は未読。でも、読んでみたくなりました。
■『つぐない』予告編
もうね、こんな悲恋あって良いの!!??(>_<)っていうレベルの号泣ものなのですが・・・でも、なぜか、物凄く好きなお話なのですよね。。。。
・・・なんというか。
多感な少女が、出来心でついてしまった嘘により、人生をめちゃくちゃにされ、引き裂かれた、将来有望な好青年と、その美しい恋人の物語。
切なくなるんだけど、何度も何度も見たくなるのは、なぜだろう?
物語の舞台となるのは、1935年のイングランド。
政府高官を務める家の、裕福なお屋敷から物語は始まります。
そのお屋敷の娘、ブライオニーは感受性が強くて、多感な、小説家志望の13歳。
使用人の息子・ロビーという青年に、少女らしい清らかな淡い恋心を抱いていました。
ロビーはとても優秀な若者で、使用人の息子であるにも関わらず、屋敷の当主(ブライオニー達の父親)が学費を出し、オックスフォード大学を卒業させており、更に、医師になりたいという目標の元、近々、医大への進学も控えているのです。
一方、そんなブライオニーの美しい姉・セシーリアとロビーは互いに想いあってるものの、互いに意識しすぎて素直になれない関係。
そして。
ちょっとしたアクシデントにより、大切な花瓶を噴水に落としてしまったセシーリアが、服を脱いで噴水に飛び込み、花瓶を拾う・・・という出来事が。
まあ、そこで、なぜ、ロビーではなく、セシーリアの方が噴水に入ったのか~~というのは、当人たち同士のやりとりで色々ある訳ですが。
たまたま、その様子を窓から目撃してしまったブライオニーには、当然、姉とロビーのやり取りなど聞こえない。
そのため、その不自然な一連の出来事を、少女らしい潔癖さで、誤解しちゃうのですよね。
ロビーが、セシーリアを脅して、服を脱がせた・・・・と。
それまで、ロビーに対して、清らかな恋心を抱いていただけに、このことは、ブライオニーにとっては、物凄いショックで。そして、ロビーのことを、性的な変態だ・・・と思い込み、恋心は嫌悪感に変わるのですよ。
また、ロビーは、セシーリアに宛てて、噴水での出来事を謝る手紙をしたためる訳ですが。
彼は、セシーリアの事が好きなので、なかなかうまい具合に手紙が書けない。
つい、気障なラブレターみたいになったりして、タイプで打ってはボツにし。打ってはボツにし・・・を繰り返して。
そして、とうとう、ふざけて、熱い恋心をタイプしちゃうのですね。
「僕は、毎晩、夢の中で君の●●●(←下半身のコトです。結構、露骨に表現されています)にキスしている」
・・・みたいな手紙A^^;;
とはいえ、それは、ふざけて書いたものであって、当然、そんな手紙をセシーリアに渡せるわけはないです。ロビーは、自嘲気味に笑って、その手紙をテーブルに置き、そして、今度は、手書きで一言、簡単に「昼間はすまなかった」みたいなことを書き、それを彼女に渡すことにするのですよね。
で、夜からの晩餐会に招かれていたロビーは、正装し、セシーリアに宛てた手紙を持って、お屋敷に向かう。
途中、彼も妹同然に可愛がっているブライオニーに出逢う訳ですが。
まさか、ブライオニーが、自分とセシーリアの昼間の噴水での一件を見て、自分に対していかがわしい誤解をしている~~なんて露知らずな彼は、「お姉さんに渡してくれ」って言って、謝罪の手紙をブライオニーに託けるのですよ。
がしかし。
がしかーーーしっっ!!!!!!
ブライオニーに手紙を預けた後になって、ロビーは気付く!!!!!
封筒に入れる便箋を間違って、手書きの謝罪の手紙では無くて、ふざけてタイプした、例の下半身にキスな方を入れてしまったことを(@A@;;
な、なんてことっっ(>_<)
つか、封筒に手紙入れて、封する前に、中身確認しようよ・・・と、激しくツッコミ。
いや、私は、いつも、そうしてるよ?
手紙を封筒に入れる前は、一旦読み直して、誤字とかないか、とか、便箋が汚れたりしていないか、とか、最終チェックしてから封するモン。
ロビーよ、なぜ、それを怠った。。。 君、頭、良いんだよね。。。。
・・・と、どんなに悔やんでも、時遅し。
しかも、ブライオニーは、昼間の噴水の一件で、ロビーに対しては嫌悪感しか持っていなかったので、ロビーの手紙を姉に渡す前に開封して、盗み読みしちゃうのです。
中身は、当然、卑猥なことが書かれたアノ手紙。。。。
という訳で。
昼間の一件だけでも、凄いショックだったブライオニーは、ロビーの、このとてつもなく卑猥な単語が描かれた手紙を見て、猛烈なショックを受けるのですよね。そして、更に激しい嫌悪感。
もう・・・なんというか、ブライオニーの中では、ロビーは変態確定!!!!って感じですよね。
昼間の事で誤解していた上に、この、卑猥な手紙がとどめをさした・・・っていうか(--;;
そして、ブライオニーは、自分が開封した手紙を姉に渡す訳ですが。
でもでも。
姉の方は・・・といえば。
どうやら、この卑猥な手紙を見て、自分の気持ちに気付いた・・・というか、ロビーの事を愛していることを認識するのですよね。
で。
あんな手紙を渡してしまい、気まずいロビーでしたが、思わぬセシーリアからの告白により、晴れて両想い。そのまま、二人は屋敷の図書室で激しく愛し合うわけです。
ですが~~~。
またまた、間の悪い事に、その情事をブライオニーが目撃。
ブライオニーは、姉がロビーに襲われていると勘違いし、情事の場面から立ち去ることなく、二人を見つめ続けて、「行為」をやめさせる訳ですね。そして、それを、「自分が姉を助けたんだ」と思い込む。
そんなこんなの後で、気まずく緊迫した晩餐会となるわけですが。
その夜に、屋敷に来ていた姉妹たちの従姉妹が強姦される・・・という事件が起こるのです。
そして。
警察の取り調べの際、ブライオニーは、従姉妹に乱暴した犯人はロビーだ・・・と証言するのですね。
恐らく犯人は、晩餐会に招かれていた内の誰かであろう。そして、男性は皆、正装、タキシード姿だった。もちろん、ロビーも。
決して、ブライオニーははっきりとロビーが犯人であると目撃した訳では無いのに、犯人はタキシードだったという服装のことや、また、姉に宛てた卑猥な手紙のことなども持出し、ロビーは変態だという思い込み故に、
「自分はこの目で、はっきりと見ました。ロビーが犯人です」
って証言するのですね・・・。
そんな訳で。
ロビーは性犯罪者として逮捕。
無実の罪で牢獄に入ることになるのですが、折しも、第二次大戦が激化。彼は、罪を免れるため、兵士として志願し、戦場へと赴きます。
一方、両想いになり、結ばれたその夜に、恋人と引き裂かれたセシーリアは、ロビーの無実を信じ、彼を犯罪者に仕立て上げた家族を嫌い、屋敷を出て、看護婦になり、自活の道へと。
13歳の少女によって引き裂かれた恋人たちは、いつか、必ず、一緒に暮らせる幸せな日が来ると信じて待ち続ける・・・けれども・・・・・。
って感じのお話。
物語前半は、1935年のイングランドの美しいお屋敷が舞台で。
上流階級の人達の優雅な暮らしぶりや、また、お嬢様と使用人との身分違いな恋・・・など、とにかく綺麗な映像で、ロマンチックというか、メロドラマチックな感じがしました。
また、イギリスが舞台だからでしょうか、どことなく、『高慢と偏見』や『ジェーン・エア』、『嵐が丘』を思い出させる雰囲気も。
そんなのどかで、美しい風景の中で、13歳のブライオニーの生々しい誤解の陰鬱さが、すごく対照的なのですよね。
世界はこんなにも美しいのに・・・ブライオニーの心の中は、こんなにも乱れている、というか。
そんな訳で、途中から物語は一転。
いかにも上流階級らしい晩餐会の後、屋敷に来ていたブライオニーの15歳の従姉妹が強姦されるという忌まわしい事件が勃発。
そして、ブライオニーの思い込みと偏見により、犯人は無実のロビーということに・・・。
・・・なんというか、凄くもどかしいというか、理不尽さを感じる展開なのですよね。
少女ゆえの潔癖な思い込みによる嘘。
でも、周りの大人や警察たちは、相手が少女ゆえに、彼女の言葉を疑わない。。。。
そりゃそうですよね。
何も知らない大人たちにとってみれば、ブライオニーがそんな嘘を吐くメリットなんてないって思いますし、それに、見てない事をわざわざ「確かに見た」なんて言う必要だってないのだから。
そんな中、ロビーの恋人のセシーリアだけは彼を信じ、取り調べの際に、
「妹の言うことを鵜呑みにしないで! 妹は、小説を書いたりしてて、想像力が豊かで、空想癖のある子なのっっ」
って必死に訴えるものの却下。
酷い、酷過ぎる。
それに、あれなのですよね(>_<)
あの時、お屋敷に集まって、晩餐会に出席していたのは、ロビーを除いて、皆、裕福な階級の人達ばかり。
使用人の息子ではあるけれども、頭も良く、好青年な彼は、家族からも気に入られてて、そのため、セシーリアの兄によって、晩餐会に誘われて出席していたものの、所詮、彼だけは、皆と違う身分の低い人間。
だから。
警察も、また、屋敷の人達も、いくらロビーのをことを気に入っていたといえど、やっぱり、何か、こういう良くない事件が起こると、皆、無意識の内に、彼を疑うのじゃないかなぁって。
気分の悪い話だけど、でも、それが当時の偏見っていうか。
生まれによって差別されたりって、いうのがあるのじゃないかなぁ、と。
あっさりロビーが性犯罪者として逮捕されたのも、結局、その場に、そういう差別の対象がロビーしかいななかったから、そうなってしまった・・・というか。
そんな気がしました。
嫌な時代ですね・・・。
そして、後半は、そういう優雅なお屋敷からは一転。
舞台は、ロンドンと、そして、戦場のフランスへと変わります。
ロビーの一件以来、家族と縁を切り、ロンドンに出て、看護婦になり自活の道を選んだセシーリア。
そして、減刑の為には、海外派遣兵に志願し、激戦地に行くしか選択の道が無かったロビー。
前半の明るくて美しいイングランドの光景とは全然違う、暗くて死の蔓延する戦地に、ごみごみした都会の喧騒ロンドンの光景で。
登場人物たちの置かれている状況の厳しさがひしひしと伝わってきます。
そんな中、セシーリアは、恋人が自分の元に戻って来るのを、ただただ待ち続け。
ロビーは死と隣り合わせの戦場においても、必ずセシーリアの元に帰り、結婚する事を心の支えに、必死で生き延びようと頑張っているわけです。
そして。
18歳になったブライオニーは、大人になったがゆえに、昔の自分の過ちに気付き、その贖いの為か、大学には進学せず、やはり、看護婦として働くようになります。
でも、未だ、姉とは絶縁したまま。
相変わらず、小説だけは書き続けている彼女ですが、他の同年代の看護婦仲間と違い、どこか暗い影のある娘になっているのは、やはり、13歳の時に吐いた嘘をずっと引きずっているからなのでしょう。。。
あの、明るい、明るい、物語の冒頭。
ブライオニーは、趣味の戯曲を書き上げ、これを、久々に帰って来る兄に上演してみせるのだ~っ喜んでいた時。
ロビーに淡い恋心を抱いていた時。
あのイングランドでの美しい光景が、嘘のように暗くて。
皆が、皆、不幸になってる感じで。見ていて、とても苦しいです。
少女ゆえの思い込みの嘘によって、皆の人生が変わってしまったのですよね(;;)
本当に、なんとも言えないくらい切ない。。。。。。
でも、考えてみると。これ、誰が悪いんだろう。
勿論、一番悪いのは、強姦事件の真犯人です。
そして、ちゃんとした捜査や取り調べをしなかった警察。
そしてそして。
何より、ブライオニーの嘘の目撃証言。。。。なのかな??
とはいえ、難しい所で。
ブライオニーも意図して嘘を吐いた訳では無くて。
なんか、そんな風に思い込んでしまった・・・というか。
昼間のアレコレや、姉に宛てた卑猥な手紙、そして、姉との情事のシーンを目撃してしまったことにより、
ちゃんと犯人の姿も見ていないのに、「犯人はロビーに違いない」っていう想いが、「私ははっきり見た!」に変わってしまったのだろうなぁって。
今の私の感覚からいうと、絶対に、ブライオニーは許されるべきではないし、今後、彼女がこの嘘によって、どんなに辛い人生を歩もうとも、同情の余地はない!!って思うのですが。
ですが。
私がそう思うのは、私が、既に大人だからなのかもしれない・・・との思うのですよね。
思春期の、清らかな乙女だったら、ブライオニーの潔癖ゆえの思い込みも、もしかしたら、理解出来たのかもしれない、と。
特に、淡い恋心を抱いていただけに、その後の、嫌悪感が一層増したっていうのも。
思春期なら、そうなのかもしれないなぁとは思う。
う~ん。
どうなんだろう???
でも、やっぱり、私は、ブライオニーのしたことが許せないな。
勿論、真犯人や、警察も、だけど。
でもでも、それ以上に、ブライオニーのあの証言が無かったら、警察だって、もっとちゃんと捜査しただろうし、少なくとも、ロビーが逮捕されることはなかったんじゃないかなぁって。
だから、やっぱり、ブライオニーが許せない。
そして、つい考えてしまうのですよね。
もし、あの時、あんな不幸な事件が起こらなかったら・・・って。
セシーリアも家を出て、自活の道を歩むことなく、屋敷で優雅に暮らしていただろうし。
ロビーも、念願の医大に行ってただろうし。
そして、二人はずっと恋人同士だっただろうし。
っていうか、当時の上流階級の結婚とかに詳しくはないのですが・・・もしかしたら、ロビーとセシーリアは結婚出来ていたのじゃないかなぁとも思うのですよね。
身分は違うけど、ロビーは、お屋敷のご主人がお金を出して、大学まで進学させたくらい優秀な青年な訳で。
真面目で人柄も良いし。
これで、医大を出て、お医者様にもなったら、言うことない位、良い男性なんじゃないかなぁって。
それに、セシーリアには兄が居るので、後継ぎ問題とかもクリアですし。
だったら、ちょっとくらい身分が違ってても、ロビーとセシーリアの結婚は許されていたような気がするのですよね。
「もし」の世界ですが。そういう未来だってあったかもしれなかったのに。
それが、ブライオニーの嘘、というか勘違いの所為で、全部、引き裂かれちゃった訳ですから。
もう、取り返しがつかないことですよね。
時間が戻せるなら、戻したいって、これほどまでに思うことは無いと思います。
そして、それはなにより、嘘を吐いたブライオニー自身もそうなのでしょうが。。。
大人になって、事件の真相、つまり真犯人に気付き、長年、絶縁していた姉を訪ねるブライオニー。
すると、姉の下宿には、一時的に戦地から帰還し、ひと時の休息を取っていたロビーが居て。
どうやら、二人は同棲しているようで。戦争が終わったら、結婚するのかな~って感じ。
そして、二人に謝罪するブライオニーですが、姉もロビーも冷たくて、決して許してくれない。
それに、昔はまるで兄のように優しかったロビーは、自分を凄く恨んでいて、「殺したいほど憎い」と乱暴に怒鳴りつける。
決して許してもらえないまま、泣きながら、姉の下宿を後にするブライオニー。
・・・・というお話なのかなぁと思いきや。
最後の最後のどんでん返しに、号泣でした(>_<)
いや、もし、ここで、ジ・エンドなら、ブライオニーが許して貰えなかったのは、自業自得としても、二人の恋人は無事、一緒になれたんだ、と、救われる気もしましたが。
しかし。
がしかーしっっ。
ここで、舞台は、一気に現代になります。
そして、作家として成功し、テレビのインタビューを受けている、老女になったブライオニーが出てきます。
どうやら、ここまで映画で描かれていたロビーとセシーリア、そして、ブライオニーの哀しい物語は、老女になった彼女が発表した『つぐない』という小説の中での出来事ということ。
でも、作品中の登場人物などは実名を使っている、いわば、彼女の自伝的小説とのことで、描かれていることは全て、事実。
ただ一つ、事実でない事、というのが。
引き裂かれたロビーとセシーリア。
物語では、再会し、同棲していたラストでしたが。
実際の真実は、ロビーは戦地で病死し、セシーリアはロンドンの空襲で亡くなっていて。
この恋人同士は、再会の約束を果たせないまま、死んでいた・・・・というショッキングな事実。
そして、ブライオニーはこの罪を償うために、せめて、小説の中だけでは、二人に幸せになって欲しくて、二人が再会し同棲していた・・・という結末の小説を書いた、ということ。
そして、そんなブライオニーも、もう、老齢。
脳の病気によって、その内、記憶が失われてしまうかもしれない。
だから、今、この話を描かなくてはいけないと思った。
この二人は、結ばれて幸せにならなくてはいけなかったのだ・・・という。
なに、このどんでん返し!!!???
ショックです、凄くショックでした。
あれほど、ロビーの帰りを待ち続けていたセシーリア。
どんなに過酷な戦地でも、セシーリアの元に帰ることだけを夢見て、必死に頑張っていたロビー。
そんな、懸命に生きていた彼らに、未来が無かったなんて(;;)
悲しい、悲し過ぎます。
こんな悲惨な事があって良いの!!??
やっぱり、例え、小説の中だけで、彼らを幸せにしたとしても。
私はブライオニーが許せない・・・と思ってしまいました。
でも、二人が亡くなってしまったことで、ブライオニー自身も、凄く凄く辛かったのだろうなぁとは思うけど。
彼女の書いた物語のラストで、彼女は、二人に謝罪するものの、許して貰えない。
でもでも、現実では、その当人たちが亡くなっている訳で。
そしたら、もう、許す許さないの問題ではなく、ブライオニーにとっては、謝罪の機会すら与えられなかったってことですよね。
それも、また、これ以上は無いというほど残酷だけど。。。。
だからこそ、彼女は贖罪のつもりで、この小説を書き上げたのでしょうね。
本当に、どこまでも救いのない物語で・・・号泣でした。
で。
こんなに救いのない話なのに、なぜか、凄く惹かれちゃうというか。
好きなお話なのですよね。
運命に引き裂かれてしまう健気な恋人同士が、とても美しいからなのかなぁ。
俳優さん達の演技も、とても素晴らしいです。
悲劇の美しい恋人たちを演じる、キーラ・ナイトレイとジェームス・マカヴォイ。
そしてそして、超絶怪しげな雰囲気ムンムンのベネディクト・カンバーバッチ。
それから、圧巻なのは、ブライオニー役の女優さんたち。
ブライオニーに関しては、物語冒頭、思春期の13歳の時と、18歳になった時、そして、ラスト、老齢期と、三人の女優さんが演じているわけですが。
特に、一番多感で、感情の表現が難しかったであろう、13歳のブライオニー、シアーシャ・ローナンが凄かったなぁ。
ただただ悲しい物語なんだけど、でも、凄く好きな物語。
決して叶う事がなかっただけに、美しいまま切り取られた恋だから、でしょうか??
先週の金曜日に日記でチラッと書いてた、途中になってた、あれです。
前々からBlu-rayで絶対欲しいと思っていた作品、『つぐない』。
mixiのボイスやツイッターでは、チラっと呟きましたが、先月、やっとBlu-rayを購入し、鑑賞しました。
1935年を舞台にした、物凄く綺麗な映画で、そして、切な過ぎる悲恋の物語。
この映画自体は2007年の作品です。
キーラ・ナイトレイや、ジェームス・マカヴォイ、ベネディクト・カンバーバッチが出演しています。
原作は、イアン・マキューアンの『贖罪』という小説なのですが、原作は未読。でも、読んでみたくなりました。
■『つぐない』予告編
もうね、こんな悲恋あって良いの!!??(>_<)っていうレベルの号泣ものなのですが・・・でも、なぜか、物凄く好きなお話なのですよね。。。。
・・・なんというか。
多感な少女が、出来心でついてしまった嘘により、人生をめちゃくちゃにされ、引き裂かれた、将来有望な好青年と、その美しい恋人の物語。
切なくなるんだけど、何度も何度も見たくなるのは、なぜだろう?
物語の舞台となるのは、1935年のイングランド。
政府高官を務める家の、裕福なお屋敷から物語は始まります。
そのお屋敷の娘、ブライオニーは感受性が強くて、多感な、小説家志望の13歳。
使用人の息子・ロビーという青年に、少女らしい清らかな淡い恋心を抱いていました。
ロビーはとても優秀な若者で、使用人の息子であるにも関わらず、屋敷の当主(ブライオニー達の父親)が学費を出し、オックスフォード大学を卒業させており、更に、医師になりたいという目標の元、近々、医大への進学も控えているのです。
一方、そんなブライオニーの美しい姉・セシーリアとロビーは互いに想いあってるものの、互いに意識しすぎて素直になれない関係。
そして。
ちょっとしたアクシデントにより、大切な花瓶を噴水に落としてしまったセシーリアが、服を脱いで噴水に飛び込み、花瓶を拾う・・・という出来事が。
まあ、そこで、なぜ、ロビーではなく、セシーリアの方が噴水に入ったのか~~というのは、当人たち同士のやりとりで色々ある訳ですが。
たまたま、その様子を窓から目撃してしまったブライオニーには、当然、姉とロビーのやり取りなど聞こえない。
そのため、その不自然な一連の出来事を、少女らしい潔癖さで、誤解しちゃうのですよね。
ロビーが、セシーリアを脅して、服を脱がせた・・・・と。
それまで、ロビーに対して、清らかな恋心を抱いていただけに、このことは、ブライオニーにとっては、物凄いショックで。そして、ロビーのことを、性的な変態だ・・・と思い込み、恋心は嫌悪感に変わるのですよ。
また、ロビーは、セシーリアに宛てて、噴水での出来事を謝る手紙をしたためる訳ですが。
彼は、セシーリアの事が好きなので、なかなかうまい具合に手紙が書けない。
つい、気障なラブレターみたいになったりして、タイプで打ってはボツにし。打ってはボツにし・・・を繰り返して。
そして、とうとう、ふざけて、熱い恋心をタイプしちゃうのですね。
「僕は、毎晩、夢の中で君の●●●(←下半身のコトです。結構、露骨に表現されています)にキスしている」
・・・みたいな手紙A^^;;
とはいえ、それは、ふざけて書いたものであって、当然、そんな手紙をセシーリアに渡せるわけはないです。ロビーは、自嘲気味に笑って、その手紙をテーブルに置き、そして、今度は、手書きで一言、簡単に「昼間はすまなかった」みたいなことを書き、それを彼女に渡すことにするのですよね。
で、夜からの晩餐会に招かれていたロビーは、正装し、セシーリアに宛てた手紙を持って、お屋敷に向かう。
途中、彼も妹同然に可愛がっているブライオニーに出逢う訳ですが。
まさか、ブライオニーが、自分とセシーリアの昼間の噴水での一件を見て、自分に対していかがわしい誤解をしている~~なんて露知らずな彼は、「お姉さんに渡してくれ」って言って、謝罪の手紙をブライオニーに託けるのですよ。
がしかし。
がしかーーーしっっ!!!!!!
ブライオニーに手紙を預けた後になって、ロビーは気付く!!!!!
封筒に入れる便箋を間違って、手書きの謝罪の手紙では無くて、ふざけてタイプした、例の下半身にキスな方を入れてしまったことを(@A@;;
な、なんてことっっ(>_<)
つか、封筒に手紙入れて、封する前に、中身確認しようよ・・・と、激しくツッコミ。
いや、私は、いつも、そうしてるよ?
手紙を封筒に入れる前は、一旦読み直して、誤字とかないか、とか、便箋が汚れたりしていないか、とか、最終チェックしてから封するモン。
ロビーよ、なぜ、それを怠った。。。 君、頭、良いんだよね。。。。
・・・と、どんなに悔やんでも、時遅し。
しかも、ブライオニーは、昼間の噴水の一件で、ロビーに対しては嫌悪感しか持っていなかったので、ロビーの手紙を姉に渡す前に開封して、盗み読みしちゃうのです。
中身は、当然、卑猥なことが書かれたアノ手紙。。。。
という訳で。
昼間の一件だけでも、凄いショックだったブライオニーは、ロビーの、このとてつもなく卑猥な単語が描かれた手紙を見て、猛烈なショックを受けるのですよね。そして、更に激しい嫌悪感。
もう・・・なんというか、ブライオニーの中では、ロビーは変態確定!!!!って感じですよね。
昼間の事で誤解していた上に、この、卑猥な手紙がとどめをさした・・・っていうか(--;;
そして、ブライオニーは、自分が開封した手紙を姉に渡す訳ですが。
でもでも。
姉の方は・・・といえば。
どうやら、この卑猥な手紙を見て、自分の気持ちに気付いた・・・というか、ロビーの事を愛していることを認識するのですよね。
で。
あんな手紙を渡してしまい、気まずいロビーでしたが、思わぬセシーリアからの告白により、晴れて両想い。そのまま、二人は屋敷の図書室で激しく愛し合うわけです。
ですが~~~。
またまた、間の悪い事に、その情事をブライオニーが目撃。
ブライオニーは、姉がロビーに襲われていると勘違いし、情事の場面から立ち去ることなく、二人を見つめ続けて、「行為」をやめさせる訳ですね。そして、それを、「自分が姉を助けたんだ」と思い込む。
そんなこんなの後で、気まずく緊迫した晩餐会となるわけですが。
その夜に、屋敷に来ていた姉妹たちの従姉妹が強姦される・・・という事件が起こるのです。
そして。
警察の取り調べの際、ブライオニーは、従姉妹に乱暴した犯人はロビーだ・・・と証言するのですね。
恐らく犯人は、晩餐会に招かれていた内の誰かであろう。そして、男性は皆、正装、タキシード姿だった。もちろん、ロビーも。
決して、ブライオニーははっきりとロビーが犯人であると目撃した訳では無いのに、犯人はタキシードだったという服装のことや、また、姉に宛てた卑猥な手紙のことなども持出し、ロビーは変態だという思い込み故に、
「自分はこの目で、はっきりと見ました。ロビーが犯人です」
って証言するのですね・・・。
そんな訳で。
ロビーは性犯罪者として逮捕。
無実の罪で牢獄に入ることになるのですが、折しも、第二次大戦が激化。彼は、罪を免れるため、兵士として志願し、戦場へと赴きます。
一方、両想いになり、結ばれたその夜に、恋人と引き裂かれたセシーリアは、ロビーの無実を信じ、彼を犯罪者に仕立て上げた家族を嫌い、屋敷を出て、看護婦になり、自活の道へと。
13歳の少女によって引き裂かれた恋人たちは、いつか、必ず、一緒に暮らせる幸せな日が来ると信じて待ち続ける・・・けれども・・・・・。
って感じのお話。
物語前半は、1935年のイングランドの美しいお屋敷が舞台で。
上流階級の人達の優雅な暮らしぶりや、また、お嬢様と使用人との身分違いな恋・・・など、とにかく綺麗な映像で、ロマンチックというか、メロドラマチックな感じがしました。
また、イギリスが舞台だからでしょうか、どことなく、『高慢と偏見』や『ジェーン・エア』、『嵐が丘』を思い出させる雰囲気も。
そんなのどかで、美しい風景の中で、13歳のブライオニーの生々しい誤解の陰鬱さが、すごく対照的なのですよね。
世界はこんなにも美しいのに・・・ブライオニーの心の中は、こんなにも乱れている、というか。
そんな訳で、途中から物語は一転。
いかにも上流階級らしい晩餐会の後、屋敷に来ていたブライオニーの15歳の従姉妹が強姦されるという忌まわしい事件が勃発。
そして、ブライオニーの思い込みと偏見により、犯人は無実のロビーということに・・・。
・・・なんというか、凄くもどかしいというか、理不尽さを感じる展開なのですよね。
少女ゆえの潔癖な思い込みによる嘘。
でも、周りの大人や警察たちは、相手が少女ゆえに、彼女の言葉を疑わない。。。。
そりゃそうですよね。
何も知らない大人たちにとってみれば、ブライオニーがそんな嘘を吐くメリットなんてないって思いますし、それに、見てない事をわざわざ「確かに見た」なんて言う必要だってないのだから。
そんな中、ロビーの恋人のセシーリアだけは彼を信じ、取り調べの際に、
「妹の言うことを鵜呑みにしないで! 妹は、小説を書いたりしてて、想像力が豊かで、空想癖のある子なのっっ」
って必死に訴えるものの却下。
酷い、酷過ぎる。
それに、あれなのですよね(>_<)
あの時、お屋敷に集まって、晩餐会に出席していたのは、ロビーを除いて、皆、裕福な階級の人達ばかり。
使用人の息子ではあるけれども、頭も良く、好青年な彼は、家族からも気に入られてて、そのため、セシーリアの兄によって、晩餐会に誘われて出席していたものの、所詮、彼だけは、皆と違う身分の低い人間。
だから。
警察も、また、屋敷の人達も、いくらロビーのをことを気に入っていたといえど、やっぱり、何か、こういう良くない事件が起こると、皆、無意識の内に、彼を疑うのじゃないかなぁって。
気分の悪い話だけど、でも、それが当時の偏見っていうか。
生まれによって差別されたりって、いうのがあるのじゃないかなぁ、と。
あっさりロビーが性犯罪者として逮捕されたのも、結局、その場に、そういう差別の対象がロビーしかいななかったから、そうなってしまった・・・というか。
そんな気がしました。
嫌な時代ですね・・・。
そして、後半は、そういう優雅なお屋敷からは一転。
舞台は、ロンドンと、そして、戦場のフランスへと変わります。
ロビーの一件以来、家族と縁を切り、ロンドンに出て、看護婦になり自活の道を選んだセシーリア。
そして、減刑の為には、海外派遣兵に志願し、激戦地に行くしか選択の道が無かったロビー。
前半の明るくて美しいイングランドの光景とは全然違う、暗くて死の蔓延する戦地に、ごみごみした都会の喧騒ロンドンの光景で。
登場人物たちの置かれている状況の厳しさがひしひしと伝わってきます。
そんな中、セシーリアは、恋人が自分の元に戻って来るのを、ただただ待ち続け。
ロビーは死と隣り合わせの戦場においても、必ずセシーリアの元に帰り、結婚する事を心の支えに、必死で生き延びようと頑張っているわけです。
そして。
18歳になったブライオニーは、大人になったがゆえに、昔の自分の過ちに気付き、その贖いの為か、大学には進学せず、やはり、看護婦として働くようになります。
でも、未だ、姉とは絶縁したまま。
相変わらず、小説だけは書き続けている彼女ですが、他の同年代の看護婦仲間と違い、どこか暗い影のある娘になっているのは、やはり、13歳の時に吐いた嘘をずっと引きずっているからなのでしょう。。。
あの、明るい、明るい、物語の冒頭。
ブライオニーは、趣味の戯曲を書き上げ、これを、久々に帰って来る兄に上演してみせるのだ~っ喜んでいた時。
ロビーに淡い恋心を抱いていた時。
あのイングランドでの美しい光景が、嘘のように暗くて。
皆が、皆、不幸になってる感じで。見ていて、とても苦しいです。
少女ゆえの思い込みの嘘によって、皆の人生が変わってしまったのですよね(;;)
本当に、なんとも言えないくらい切ない。。。。。。
でも、考えてみると。これ、誰が悪いんだろう。
勿論、一番悪いのは、強姦事件の真犯人です。
そして、ちゃんとした捜査や取り調べをしなかった警察。
そしてそして。
何より、ブライオニーの嘘の目撃証言。。。。なのかな??
とはいえ、難しい所で。
ブライオニーも意図して嘘を吐いた訳では無くて。
なんか、そんな風に思い込んでしまった・・・というか。
昼間のアレコレや、姉に宛てた卑猥な手紙、そして、姉との情事のシーンを目撃してしまったことにより、
ちゃんと犯人の姿も見ていないのに、「犯人はロビーに違いない」っていう想いが、「私ははっきり見た!」に変わってしまったのだろうなぁって。
今の私の感覚からいうと、絶対に、ブライオニーは許されるべきではないし、今後、彼女がこの嘘によって、どんなに辛い人生を歩もうとも、同情の余地はない!!って思うのですが。
ですが。
私がそう思うのは、私が、既に大人だからなのかもしれない・・・との思うのですよね。
思春期の、清らかな乙女だったら、ブライオニーの潔癖ゆえの思い込みも、もしかしたら、理解出来たのかもしれない、と。
特に、淡い恋心を抱いていただけに、その後の、嫌悪感が一層増したっていうのも。
思春期なら、そうなのかもしれないなぁとは思う。
う~ん。
どうなんだろう???
でも、やっぱり、私は、ブライオニーのしたことが許せないな。
勿論、真犯人や、警察も、だけど。
でもでも、それ以上に、ブライオニーのあの証言が無かったら、警察だって、もっとちゃんと捜査しただろうし、少なくとも、ロビーが逮捕されることはなかったんじゃないかなぁって。
だから、やっぱり、ブライオニーが許せない。
そして、つい考えてしまうのですよね。
もし、あの時、あんな不幸な事件が起こらなかったら・・・って。
セシーリアも家を出て、自活の道を歩むことなく、屋敷で優雅に暮らしていただろうし。
ロビーも、念願の医大に行ってただろうし。
そして、二人はずっと恋人同士だっただろうし。
っていうか、当時の上流階級の結婚とかに詳しくはないのですが・・・もしかしたら、ロビーとセシーリアは結婚出来ていたのじゃないかなぁとも思うのですよね。
身分は違うけど、ロビーは、お屋敷のご主人がお金を出して、大学まで進学させたくらい優秀な青年な訳で。
真面目で人柄も良いし。
これで、医大を出て、お医者様にもなったら、言うことない位、良い男性なんじゃないかなぁって。
それに、セシーリアには兄が居るので、後継ぎ問題とかもクリアですし。
だったら、ちょっとくらい身分が違ってても、ロビーとセシーリアの結婚は許されていたような気がするのですよね。
「もし」の世界ですが。そういう未来だってあったかもしれなかったのに。
それが、ブライオニーの嘘、というか勘違いの所為で、全部、引き裂かれちゃった訳ですから。
もう、取り返しがつかないことですよね。
時間が戻せるなら、戻したいって、これほどまでに思うことは無いと思います。
そして、それはなにより、嘘を吐いたブライオニー自身もそうなのでしょうが。。。
大人になって、事件の真相、つまり真犯人に気付き、長年、絶縁していた姉を訪ねるブライオニー。
すると、姉の下宿には、一時的に戦地から帰還し、ひと時の休息を取っていたロビーが居て。
どうやら、二人は同棲しているようで。戦争が終わったら、結婚するのかな~って感じ。
そして、二人に謝罪するブライオニーですが、姉もロビーも冷たくて、決して許してくれない。
それに、昔はまるで兄のように優しかったロビーは、自分を凄く恨んでいて、「殺したいほど憎い」と乱暴に怒鳴りつける。
決して許してもらえないまま、泣きながら、姉の下宿を後にするブライオニー。
・・・・というお話なのかなぁと思いきや。
最後の最後のどんでん返しに、号泣でした(>_<)
いや、もし、ここで、ジ・エンドなら、ブライオニーが許して貰えなかったのは、自業自得としても、二人の恋人は無事、一緒になれたんだ、と、救われる気もしましたが。
しかし。
がしかーしっっ。
ここで、舞台は、一気に現代になります。
そして、作家として成功し、テレビのインタビューを受けている、老女になったブライオニーが出てきます。
どうやら、ここまで映画で描かれていたロビーとセシーリア、そして、ブライオニーの哀しい物語は、老女になった彼女が発表した『つぐない』という小説の中での出来事ということ。
でも、作品中の登場人物などは実名を使っている、いわば、彼女の自伝的小説とのことで、描かれていることは全て、事実。
ただ一つ、事実でない事、というのが。
引き裂かれたロビーとセシーリア。
物語では、再会し、同棲していたラストでしたが。
実際の真実は、ロビーは戦地で病死し、セシーリアはロンドンの空襲で亡くなっていて。
この恋人同士は、再会の約束を果たせないまま、死んでいた・・・・というショッキングな事実。
そして、ブライオニーはこの罪を償うために、せめて、小説の中だけでは、二人に幸せになって欲しくて、二人が再会し同棲していた・・・という結末の小説を書いた、ということ。
そして、そんなブライオニーも、もう、老齢。
脳の病気によって、その内、記憶が失われてしまうかもしれない。
だから、今、この話を描かなくてはいけないと思った。
この二人は、結ばれて幸せにならなくてはいけなかったのだ・・・という。
なに、このどんでん返し!!!???
ショックです、凄くショックでした。
あれほど、ロビーの帰りを待ち続けていたセシーリア。
どんなに過酷な戦地でも、セシーリアの元に帰ることだけを夢見て、必死に頑張っていたロビー。
そんな、懸命に生きていた彼らに、未来が無かったなんて(;;)
悲しい、悲し過ぎます。
こんな悲惨な事があって良いの!!??
やっぱり、例え、小説の中だけで、彼らを幸せにしたとしても。
私はブライオニーが許せない・・・と思ってしまいました。
でも、二人が亡くなってしまったことで、ブライオニー自身も、凄く凄く辛かったのだろうなぁとは思うけど。
彼女の書いた物語のラストで、彼女は、二人に謝罪するものの、許して貰えない。
でもでも、現実では、その当人たちが亡くなっている訳で。
そしたら、もう、許す許さないの問題ではなく、ブライオニーにとっては、謝罪の機会すら与えられなかったってことですよね。
それも、また、これ以上は無いというほど残酷だけど。。。。
だからこそ、彼女は贖罪のつもりで、この小説を書き上げたのでしょうね。
本当に、どこまでも救いのない物語で・・・号泣でした。
で。
こんなに救いのない話なのに、なぜか、凄く惹かれちゃうというか。
好きなお話なのですよね。
運命に引き裂かれてしまう健気な恋人同士が、とても美しいからなのかなぁ。
俳優さん達の演技も、とても素晴らしいです。
悲劇の美しい恋人たちを演じる、キーラ・ナイトレイとジェームス・マカヴォイ。
そしてそして、超絶怪しげな雰囲気ムンムンのベネディクト・カンバーバッチ。
それから、圧巻なのは、ブライオニー役の女優さんたち。
ブライオニーに関しては、物語冒頭、思春期の13歳の時と、18歳になった時、そして、ラスト、老齢期と、三人の女優さんが演じているわけですが。
特に、一番多感で、感情の表現が難しかったであろう、13歳のブライオニー、シアーシャ・ローナンが凄かったなぁ。
ただただ悲しい物語なんだけど、でも、凄く好きな物語。
決して叶う事がなかっただけに、美しいまま切り取られた恋だから、でしょうか??