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映画『オペラ座の怪人』4Kデジタルリマスター

2024年07月15日 | 映画鑑賞記
映画の感想をいろいろアップして行きたいなぁと思いまして。
今日は先日からリピーターしていた『オペラ座の怪人』4Kデジタルリマスターの感想をば。





『オペラ座の怪人』は映画も舞台も大好きで、私にとっての「座右のミュージカル」です。
最初のきっかけは劇団四季の舞台。そこで心奪われ、イギリス版CDを買って聴き込み、ガストン・ルルーの小説を読み、そして、この映画と出会いました。
その当時もハマって繰り返し映画館に足を運んだ思い出の作品です。

まさかまさか、4Kデジタルリマスターで再び映画館のスクリーンで鑑賞出来る日が来るとは…と感激。
今回も3回リピーターしちゃいました。

冒頭から一気に映画世界にトリップさせてくれる演出は、改めて映画館の大きなスクリーンで圧倒されました。

オークションのロット665の猿のオルゴールの切ないメロディ。。。からのロット666。
シャンデリアが輝き、朽ち果てていたオペラ座が息を吹き返すovertureで、もう涙と鳥肌が!!

久しぶりに観ましたが、音楽も演出も何もかもが煌びやかで甘美な世界で、「ブラボー!」という言葉しか浮かばない。そんな作品です。

そしてそして、ストーリーに関しても、自分が年齢を重ねたからか、昔観た時とは異なる様々な切なさを感じました。

昔は、自分が若かったからか、怪人を気の毒に想いつつも、クリスティーヌとラウルに感情移入し、若い恋人達を応援するスタンスで観ていました。
が、今は、怪人側の気持ちを凄く考えてしまうのです。
見せ物小屋で虐待されていた子ども時代。唯一の友達だったであろう猿の人形。
幼いころのマダム・ジリーに助けられて以降、ずっとオペラ座地下での生活。
輝けるはずの才能を持っていたのに、身体的特徴の所為で孤独な人生。

どうやったら、彼は幸せになれたのだろうか?ということが気になって気になって泣けました。

そして、おそらくマダム・ジリーは密かに怪人を愛していたのでは?とも。でも、彼女にはクリスティーヌほどの芸術の才がなかったから、その愛は成就しなかったのか、はたまた、世間体などから成就させなかったのか…とか。描かれていない部分まで勝手に想像してしまうのでした。

また、クリスティーヌは、ラウルとは恋愛という若者らしい感情と絆で惹かれ合ってて、怪人とは音楽の魂で惹かれ合ってて。
タイプの異なる愛がそれぞれに存在し、もし、ラウルとの再会がなかったら、音楽の魔術に取り憑かれクリスティーヌは師弟愛を取ったのかなぁとか。

そんなクリスティーヌも、結末から分かるように、ラウルと結婚、オペラ座は辞めますよね。
当時はそれが当たり前でしょうが、伝説のプリマドンナになったかもしれない才能をあっさり手放すことは、彼女にとっての怪人との訣別であり。
映画のラストで、「良き妻、良き母」というお墓の碑文を強調するところからも、彼女は音楽とは二度と関わらない生涯だったのではと想像させられ、そこも彼女自身にとっても、怪人にとっても、いろんな側面で切ないなぁと。

若い頃に見た時は、可哀想だけど怖い怪人に邪魔される若い恋人達をただただ応援していたものの、今はいろんな種類の愛や切なさについて考えてしまい、たくさんの感情が心の中に渦巻く。。。そんな映画でした。





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