昨日、映画『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE 2 ~私を愛した黒烏龍茶~』と、その制作者であるフロッグマンさんの舞台挨拶を観に行ってきました~。
映画開始前の舞台挨拶でして、でも、結構長くお話が聞けて、とても楽しかったです。
舞台挨拶があるからと思って、普段では絶対に取らないような、前から3列目という座席指定を、一週間前から予約購入していましたです。
フロッグマンさんは、DVDのオーディオコメンタリーなどでお話しされている際の印象通りの、おもしろいトークの御方で、しかも、挨拶の最後には総統の声でしゃべって下さったり、また、会場にいる全員で「た~か~の~つ~め~~~~っっっ」をやったりと、本当、貴重な機会を体験いたしましたです。
そうそう、皆で、「た~か~の~つ~め~~~っっっ」をやるとき、フロッグマンさんが仰っていたのですが、さすが関西はノリが良いそうです・笑
京都の舞台挨拶の前には大阪で舞台挨拶をされたとのことですが、その時も、大阪の皆さんが、ノリノリで、「た~か~の~つ~め~~~っっっ」をやったそうで、京都はもっとはんなりしているのかな・・・と思われたそうで、でも、やっぱり、皆がノリノリで、「た~か~の~つ~め~~~っっっ」をしていたので、
「さすが、西!! 関東だったら、なかなかこんな風には行かない」
と仰ってました。
やっぱり、関西人って、そういうキャラなのかしらね・笑
かく言う、私も大喜びで、「た~か~の~つ~め~~~っっっ」しちゃいましたです・笑
さてさて。
『秘密結社 鷹の爪』とは、蛙男商会という会社が作っているフラッシュアニメ。
愛のある世界征服を企むバツイチ中年男の「総統」率いる秘密結社鷹の爪団には、Hな本が大好きでちょっと変わった男の子吉田君(21才だっけ?)や、全身刺青で常にマイクを手放さないフィリップ(でも日本人)、超能力坊や菩薩峠クンに、一見カワユイ熊ちゃんなんだけど実は凶暴でマッドサイエンティストなレオナルド博士などの個性的な面々が居ます。そんな鷹の爪団をやっつけようとする、かなり性格の悪い(笑)正義の味方デラックスファイターと鷹の爪団が繰り広げるお馬鹿なお話な訳ですね。
因みに、フラッシュアニメを作ったり、また、キャラクターの声を演じているのは、全部(一部の女の子キャラを除いて)、蛙男商会のフロッグマンさん。
で、昨日は、そのフロッグマンさんの舞台挨拶を観に行ったというわけでした。
ホント、面白い御方で、惚れそうでしたわ(笑)
そうそう、『鷹の爪』は、テレビで放送されていたときは、前方後円墳のコフィーちゃんと、その変な仲間達が繰り広げるアニメ「古墳ギャル コフィーちゃん」というアニメの二本立てで放送されていて、映画版でも、この二つは同時上映です。
と言うわけで、昨日も、『鷹の爪』の映画の前に、『古墳ギャル コフィーちゃん ~12人と怒れる古墳たち~』がありました。
こちらも、すっごく面白いっっ(*><*)
裁判員制度というタイムリーなネタで、サラリと真面目なことをコフィーちゃんに言わせつつ、でも、大爆笑でしょーもないことの連続で・・・その笑いのセンスには脱帽です~。
でもでも、私は、前作の映画版のコフィーちゃんの方が好きだったかな。
そういえば、関西では、昨夜、MBSで、前作の映画が深夜に放送されていました。ついつい見ていて、3時くらいまで起きてた私です。
やっぱり、『鷹の爪』は面白いです~。
写真はいつのまにかこんなに集まっていた、『鷹の爪』グッズA^^;;
左側の総統の絵のが、前作の映画パンフ。そして、右側の吉田君の絵が今回の映画パンフ。その他にも、昨日、劇場で買った、レオナルド博士の顔のぬいぐるみキーチェーンや、映画前売り特典の缶バッチ。はたまた、以前から、見かける度に、ボチボチ買ってた、レオナルド博士のフィギュアやらストラップやら、吉田君のファギュアやら・・・。それから、レオナルド博士のクリアファイルは、色々重宝してます。
という訳で、そろそろ、本題の『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE2 ~私を愛した黒烏龍茶~』の感想に行きたいと思います。
相変わらず何をやってもダメダメで貧乏暮らしの、ベンチャー世界征服団・鷹の爪団。
物語冒頭から、そのダメっぷりを披露してくれています。
そんな変わらない日常のある日・・・。
鷹の爪団の天敵・自己中で微妙に性格の悪い正義の味方デラックスファイターが、身に覚えのない悪事を、自身のブログに書き込まれ、何者かに嵌められ失脚するという出来事が発生。しかも、デラックスファイターが失脚したことで、彼の会社の株の80%を謎の人物MrAが買い占め。デラックスファイターは窮地に陥ります。
そんなニュースを知った鷹の爪団は、これからの金儲けは、ネット界だということに着目。
レオナルド博士に作ってもらった、ネットの世界に入り込める装置を使って、ネット世界に潜入。
すると、そこで、警察のサイバー犯罪特捜同好会の美津子という美女と出会い、彼女からMrAの悪事について聞かされます。
儲けや金の価値でしか物事を見ないMrAは、日本の企業などをどんどん買い占めていって、やがて日本を私物化し、他国に高く売りつけるつもりなのだ・・・と。そして、そのMrAを鷹の爪団の力で倒して欲しい・・・と。
やがて、美津子の示唆したとおり、日本はどんどんMrAに買い占められます。そして、街は失業者や親に捨てられた子供達、食べ物にすらありつけない人達で溢れてくるのでした。
このままでは日本が危ないと思った鷹の爪団は、謎の人物MrAに立ち向かうことを決意。
MrAが買い占める価値もないと言って、手を付けていない島根県に活動拠点を移して、作戦を練るのでした。
果たして、鷹の爪団はMrAに打ち勝てるのか、そして、失脚したデラックスファイターは、また正義の味方として復活できるのか!?
前作の映画より、ずっと面白くよく出来ていたと思いました。
前作は、テレビの延長上という感じで、テレビシリーズを見ていないとよく分からないネタなども多かったですが、今作は、この映画だけ単体で見ても、充分分かるし(でも、やっぱり、テレビシリーズや前作映画を観ていた方がもっともっと楽しめますv)、また、しっかりとしたメッセージ性も感じました。
この映画のすごい所って、同時上映の「12人の怒れる古墳達」もそうだったのですが、真面目でメッセージ性の強い内容、そして、社会への提言など、根本はすごく大切なことを扱っているにもかかわらず、それを、笑いにしてしまっていることだと思うのですよね。
日本という国の中で、著しく進んでいく、都市と地方の格差。
都市からどんどん隔絶され、切り捨てられていく地方。
また、何でもお金という価値で物事を測ってしまう風潮。
このような社会の深刻な状況を、真面目に論じ、問題提起するのも、一つの方法かもしれません。けれども、それだと、少し取っつきにくいですし、小難しくなってしまいますよね。
でも、この映画では、物語の根底にそういう社会への真剣なメッセージをしっかりと織り込んでいて、それを、お馬鹿な映像や、くだらないギャグ、ブラックユーモア、風刺・・・などなどで表現する。
だからこそ、観客は、映画の中の登場人物の言動ひとつひとつに大爆笑しながらも、彼らの言葉が、すごく心に残るのではないかなぁと思いました。
私自身、地方の田舎出身なので、映画の中の島根の人達が言っていた台詞、すごくよく分かりました。都会の人には分からない、田舎の良さがあるのと同時に、都会以上のシビアな問題だって多々抱えている地方。けれども、誰も、そこに着目しようとせず、地方は切り捨てられていって、都会との格差は開くばかり。
これらは、制作者であるフロッグマンさんが、島根県に住んでいて、実際に体験したり思ったりしたことなのだそうですが、鋭いメッセージを感じつつも、それを、ユーモラスに描かれるところに、彼の頭の良さ、感性の鋭さを感じずにはいられません。
私たちは、よく、「価値がある」とか「価値がない」って簡単に口にしちゃいますが、その「価値」って一体何なんだろう? 自分にとって価値がないものは、他人にとっても価値がないのか? じゃあ、自分たちにとって価値がないからと言って、簡単に切り捨てたら、この世の中のあらゆるものの存在理由は何なのか。
役に立たないものは最初から価値がないのか?
色々考えてしまいました。
ですが、深く考えさせられるのは、映画を見終わって、劇場を後にしてから!!
映画を観ている最中は、とにかく、大爆笑の嵐ですから。映画を観ているときは、何も考えないで、笑いに集中しましょう。
もう、ホント、映画上映中ほとんど笑っていたと言っても過言ではありませんでした。
というか、戦闘意欲をなくしてしまった総統を吉田君が立ち直らせるシーン・・・本来の映画ならそういうシーンは、大感動感涙なシーンでしょうに、この映画の場合、大爆笑なのですよね。もう感涙ではなく、笑いで涙が出そうでした。でも、そんなブラックユーモアやギャグなのに、感動するからスゴイ!!
そして、前作から引き続きのお楽しみ、映画の予算がどのシーンでどれだけ使われているのかが一目で分かる予算ゲージが常に画面に出ていたり、映画を観ながら告白する告白タイム、劇中にスポンサーをさりげなく紹介する(『鷹の爪』の場合は堂々と?)プロダクトプレイスメントも健在。そして、タイトルからして分かるネーミングライツや、今作から新登場の、映画の最中のリラックスタイムコーナーまで、ネタに溢れていて、本当に退屈しない映画でした。
作者であるフロッグマンさんの仰っていた通り、頭をカラッポにして見て、とにかく、見ている間は、大爆笑するのが良い映画です。そして、映画を見終わった後、「あ~、いっぱい笑ったなぁ~」と思って劇場を後にするのも良し! でも、映画を見終わった後に、何か心に残る物があったら、そこから、現代社会の抱える問題について、ちょっと考えてしまうのも良し!
娯楽は娯楽なのですが、でも、すごく深みのある娯楽映画だと思いました。
フラッシュアニメや、独特のお馬鹿な笑いに興味のある方は是非!!