高校野球好き
訪問介護をしている男性スタッフAさんの話し
介護を受けたい男性が高校野球好きで、その相手をしてくれるスタッフの依頼がある。
私の家に来てくれるAさんは適任だと思った。介護スタッフもキャバクラ嬢みたいにご指名があるのだと笑った。
彼とはいつもプロ野球、高校野球、格闘技などの話しをする。ウンウン聞くのではなく突っ込みもいれてれる。女性スタッフでは物足りない。
私は彼に私は車椅子生活で、手軽に行動できないので私の知らない社会の話題を拾ってきて言った。毎回何かの話しネタを提供してくれる。その代わりに親父ギャグ100選を私が作ってあげた。親父ギャグは年上の利用者には使い難い。馬鹿な事を言えるキャラクターでないと難しい。
介護スタッフも介護を受ける者も、日々話題は持ち合わせていないといけない。
ある時にドラフト一位が、プロで活躍するとは限らないという話になった。
ソフトバンク監督の工藤公康投手の話しになった。西武にドラフト6位で入団して、224勝の野球殿堂入り大投手だ。
現役が長く10年前まで投手をやっていたのでAさんも知っていると言った。
平成生まれのAさんの生まれる前の工藤公康の話しを聞かせる。
高校野球は夏の大会で名古屋電気高校で出場してベスト4まで行ったが報徳学園の金村投手(のちの近鉄入団)に敗れる。カーブが落差があり中々、打てなかった。昔のドロップと言われる落ちるカーブがいい球だった。球速は130キロ台でプロで通用するか私は疑問であった。プロに入ると球速も148キロにアップして球種も増え左投手だし中々打てない投手に成長した。
工藤公康の思い出は1987年の日本シリーズで西武と巨人の戦い、西武が3勝で王手を掛けていた。投手は工藤、9回で3-1と西武が勝っていた。そうしたら前年入った清原和博が泣きだした。テレビでも清原を大写しにして異変に気付いた。巨人に入れなかった悔しさと巨人王監督に勝つ喜びで泣きだした。辻(現西武監督)が近くから声を清原に掛ける。タイムを取る事なく清原に飛ばないように工藤が手を上げフライを打たせる合図をした。
清原に球が行く事なく終了した。清原和博もこんな純真な時もあったのだ。
名古屋電気高校は愛工大名電に改称した。
愛工大名電でプロで活躍したのは山崎武司(中日、楽天) 鈴木一朗 (オリックス)、堂上(中日)か それにしても中日のドラフトは下手くそだと思う。愛知県出身者で工藤公康、鈴木一朗、ソフトバン千賀を何故取らなかったのか