毎年この時期TVは、戦争のテーマが多く、あんまり見たくないけど、見なくては。 見たい、となるんです。
人間って、なんかどうしようもないな…、と希望を失くしたりもしますが、
戦時中の苦しい生活を、逞しく生き抜いた方々のお話の中には、そんな暮らしの中でも、こんな喜びを見出した、というのもあったりして、心にグッときます。
私は戦後の生まれですが、貧しかった。それでも、それなりに心穏かに暮らしていました。周りみんなそうだったように思います。
冷蔵庫も無かったし、必要なだけ買っていました。
初めてのお使いは、近所の乾物屋さん。
母から預かった がま口を開けてお店のおじさんに、そこから代金を取り出してもらいました。思えば、大らかな時代でしたね。
古新聞を袋に…ではなくって、一辺だけ糊付けして、どんな大きさの物でも入れられるようにしたのを店先に吊るしてあって、何でも入れてもらいました。
卵は、とても器用に包んでくれました。
1個 包みかけては、次の1個を並べて、少しだけ包みかけ、また次の、という風にして、1本の棒状の包みにしてくれるんです。いつも感心して見つめていました。
卵は高価で、たまに卵かけご飯なんかあると、目を輝かる、という状態。
ある時、冷奴を食べながら、姉が「良いこと思いついちゃった」。
ご飯に冷奴を載せて混ぜると、まるで卵かけご飯のような触感・味がするのです。
自分たちで発見しちゃったと、ささやかな喜びに心を浮き立たせる、
そんな暮らしでしたね――。