センター試験だそうですね。
どうぞ、これまで頑張ってこられた成果を、
充分に発揮できますように。
入試というと、私には、ほろ苦いような想い出があるんです。
高校の入試の日、母が付き添ってくるというんです。
電車を乗り継いでいくんだけど、自分一人で充分。
でも、どうしても、と言われて一緒に家を出ました。
電車に乗って座ると、
「目が疲れるから、目をつむっときー」などと言う。
車窓からの風景を見たからといって、目が疲れるなんて――。
そう言っても、きかない。
通じないんだなぁ。。
その時は、そんな風に思ってしまっていたんです。
いえ、その後も、事あるごとに そんな風に。
でも、自分が大人になり、
子どもを持つようになって、あれこれ体験したりして、
初めて母の気持ちが分かってきた。
母の優しい想いを、愛情を、ちっとも受けとめようとしていなかった、
そんな未熟な自分だったんだ…。
ごめんなさいね、お母さん。
親の心 子知らずでした。
本当に申し訳なかったけれど、
素直に自分の至らなさを認められるようになってから
ちょっぴりラクになったような――。
そうして、今でも母には心配かけたり、
世話になってばっかりの
そんな私なんです。