minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

アンコールでおひねり!

2005年10月05日 | ライブとミュージシャンたち
 昨日に引き続き、今日は吉祥寺のサムタイム。いつもは黒田京子さんとのトリオが多いのだが、彼女は多忙の為、今月、来月は違ったメンバーでやる事になった。今日のピアニストは吉田圭一。彼は立教大学のジャズ研出身なので利樹の後輩にあたる。殆ど私とは初めてで知らない曲をやってもらうので一度我が家でリハーサルをした。彼のピアノはリズムのキレもよく、一音一音がとても誠実に音を出しているという印象(私が一番見習わなくてはいけない事)。本当に素晴らしいピアニストだった。
 雨の火曜日とあってお客様も少ししかいなかったけれど、来ていたお客様も大満足だったようで、最後のステージは体がへとへとだったのにもかかわらず、アンコールがきてしまった(苦笑)。でもこの疲れが心地よい。演奏後にお客様からおひねりまで頂き・・・ありがとうございま~す。

 このおひねりで思い出したのだが、10年前だったかな、横浜にヒルトンホテルがオープンした時に最上階のラウンジで毎週木曜日に私と黒田さんで演奏していた事があった(なんと一年間も!)。そのときは静かにスタンダードナンバーばかりを演奏するのだが、時々リクエストなどもあって「Take5」「MoonRiver」だとかをよく演奏させられた(苦笑)。
 いつものようにイケメンのウェイターが「リクエストでございます。」って紙を渡され開いてみると「ゴッド・ファーザー愛のテーマ」と書いてあった。おお、久々だなあ、この曲の名前を聞くのは、と思い客席を見回すとあきらかに893と見られる貫禄のあるおじさんが一人でぽつんと座っているではないか。きっと自分のテーマ曲にでもしているのだろうな、と思いつつ彼に向かって思い切り吹いてあげ・・・すると演奏後に5千円のおひねりをウェイターが持ってきてくれたのだ。893はこういう時本当に気前がいい。お礼を言おうと思って客席を見ると美しい女性2人に囲まれて席をたっていく後ろ姿が石原裕次郎のようだった・・・。昔横浜エアジンでも演奏後に女連れでやってきた893が「せっかく来たんだから1曲やってくれ」というので断れずに1曲演奏したら、ポンと3万円を置いて帰った事もあったっけ。山下洋輔さんたちを育てたのも阿部譲二だって話もあるくらい、893と横浜とジャズマンは密接な関係があるのかも知れないな。