minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

ワガンのアフリカンワークショップ

2005年10月18日 | 
 昨日の土砂降りが嘘のように、朝からピーカン。ティピが空ににょっきりと立っているのが絶景絶景。みんなテントから暑くて起き出してくる。私と遼介はりんご畑まで行ってりんごをもいで、まるかじりさせて頂く。もぎたてのりんごってなんておいしいんだろう。
 アブドゥやワガンたちも起きてきたので、ワークショップの打ち合わせ。(といっても、ただワガンに「お願いしま~す」って言っただけだが・・・。)私は生徒を連れてきているので、青空サックス教室。いつもやっているセネガルの曲なんぞを教えて吹かせる事にした。お日様の下でサックスを吹いて太鼓と競演、なんて気持ちがいいんだろう。来年はもっと生徒や子供達を連れてきてあげたいな。
 昨日の尾瀬太鼓の小学生達も芝生に太鼓を並べだした。のぼりまで建てて、やる気満々。さあ、いよいよアフリカンワークショップの始まりだ。昨日教えた太鼓のフレーズをワガンが叩き出すと、一緒に演奏した尾瀬太鼓の女の子達が他の子供達をひっぱるように、楽しそうに叩き出した。その上でサックス隊がメロディーやアドリブを吹き出す。ジャンベ隊も各々ソロを取り出す。芝生の上で飛んだり跳ねたりダンスする人、寝っ転がって聴いている人・・・あ~、日本は平和だなあ。
 ゆうらぎ舎にりんご狩りに来ていたお客さんまで混じって、拍手喝采のうちにワークショップも終了。ピザをまた焼いてもらって昼食後に解散となった。

 テントがひとつ、またひとつと片付けられるうちにあたりがまた曇り出してきた。なんだか、このワークショップの為にお日様が出てくれたようだった。東京では台風の影響でずっと雨だったらしいけど、なんてラッキーなんだろう。私たちはもう一泊して(遼介には学校をお休みさせてしまったけど)紅葉を見てからゆっくり温泉に浸かって帰る事にした。かぼちゃとおいしいりんごのお土産を沢山抱えてゆうらぎ舎に別れを告げた。

続・神秘の森の音楽祭 

2005年10月18日 | 
 休憩になると子供達がわらわらとステージにあがってきた。ワガンたちの太鼓にやはり興味深々なのだ。そして、尾瀬太鼓の子供達と一緒に演奏する曲のリズムを教えて軽くリハーサル。きまったリズムをきまった振り付けで叩く事を練習してきた彼らにどのように反応できるのだろうか、という心配が少しあった。
 「一番大切な事はワガンのリズムとベースの音をよく聴く事だからね。あとは好きなように叩いていいのよ。」というと、真剣な眼差しでうなずく子供達。

 1曲目から東京からやってきたジャンベ隊も加わって、みんなでブラジルやセネガルの曲を演奏。ものすごい迫力だ。こうなったらサックスの生音は太刀打ちできません(それでも口がぼろぼろになるまで吹きましたが)。尾瀬太鼓の子供達も早く一緒に叩きたくてうずうずしているのがわかったので、目で「叩いていいよ。」と合図すると嬉しそうに一緒に叩き出した。約束どおり、ワガンたちのリズムをよく聴いて好きなように叩き出した子供達。心配は全く無用だったのだ。子供って本当に凄いなあ。最後の曲で練習したキメもばっちりきまり、お客さんも演奏者も全員がひとつになった。子供達の太鼓を叩く時の生き生きとした顔が実に印象的で『自由に叩くってこんなに楽しいんだ』という気持ちがこちらにまで伝わってきた。アフリカのリズムと日本のリズムの融合、そして観客の興奮までが伝わって・・・まさしく神秘の森のコンサート。演奏中にちらっと芝生の方を見るとティピ(インディアンテント)の中で灯りがともり、大人と子供が私たちの音楽に併せて踊っているのがシルエットで見えた。なんて素敵な光景だろう、まるで映画のワンシーンのようだ。雨が降っている事も忘れこの空間に酔いしれていた。第一回目の片品村コンサートは大成功。企画してくれたトライフォースのみんな、そしてゆうらぎ舎のみなさん、本当にありがとう。明日は晴れたら芝生でパーカッション大会だ!晴れてくれ~~~!!!と願いつつ、宴会が深夜まで行われたのは言うまでもありません。

神秘の森の音楽祭 

2005年10月18日 | 
 腹ごしらえもすんだ頃、三々五々集まってきたお客さんたちは(ざっと120人くらい)赤ちゃんからお年寄りまで様々な人たちがわいわい食事しながら演奏の始まるのを待っていた。インディアンの使うテント「ティピ」が芝生中央に設営された(前回のブログ写真参照)。これが竹の長い棒をただ6本ほど組み合わせてそのまわりに布を捲くというだけのものなのだが、実によくできていて、中でたき火ができるのだ。この光景だけ見ても、ここは一体日本?って感じ。

 3時すぎにぽつり、ぽつりと雨が降り出してきた。やはり晴れ女の効力もこれまでか。日が暮れるにつれひんやりとした空気が流れ出し、あわてて上着を着込む。遠くの山々が霧につつまれていく。スタッフのみんなで20本ほどあるミニ松明に灯をともし、道沿いやステージのまわりに置き出すと、そこはもう不思議な空間になっていた。

 東京からやってきたジャンペ隊がまず演奏をはじめる。日本人とは思えない、躍動感のあるアフリカンダンスを踊る女の子たち。思わずアブドゥも参加し、ジャンペを叩き出す。次に地元の「尾瀬太鼓」の演奏。これは小学生、中学生の女の子15人くらいで編成された可愛い和太鼓のチーム。大人は2人しかいない。彼らとあとで競演する事になっているのだが、一体どんな太鼓を叩くのだろうと興味深々。雨音がどんどん激しくなっていくが太鼓の音にかきけされ、全く雨なんか気にならなくなっている。尾瀬太鼓のみんなは、週に2回、学校が終わって夕方から2時間みっちり稽古をしているそうだ。重たいバチを高々と振り上げ「ヤー!」といいながら太鼓をたたく姿がかわいくもあり、凛々しくもあって拍手喝采だった。
 さて、いよいよ私たちの演奏。先ほどからの雨も土砂降りに変わってきたが、こうなったら濡れようが寒かろうが関係ない。熱い演奏をみんな期待しているのがひしひしと伝わってくる。アブドゥもこの異空間で笑顔を振りまいて「ミナサン、元気デスカ~?」なんて盛り上げてくれる。子供が大好きのワガンも終始ニッコニコで1ステージがあっという間に終了。(つづく)