ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

2014年最初のみるみるの会を行いました

2014-01-21 17:32:30 | 対話型鑑賞
2014年最初のみるみるの会を行いました


2014年最初の「みるみるの会」を18日に浜田の世界子ども美術館で行いました。
鑑賞作品は郷土作家の山崎修二氏の「海と崖」です。山崎氏は島根県安来市の出身ですが、教職で浜田に赴任され、亡くなられるまで浜田はもとより、石見部の美術教育と洋画の普及に尽力された方です。氏の晩年の作品で浜田の畳が浦近辺を描いたと思われる100号の作品を、みるみる会員3名と中学2年生の女子生徒3名で鑑賞しました。このうちの1名は毎回参加のお嬢さんで、発言が会を増すごとに内容濃く、参加者を思わず唸らせるような読み取りをしてくれます。今回の発言も楽しみです。
さて、ナビは以前にもブログに登場した金谷さんです。金谷さんは中学校の美術教師でしたが、特別支援教育に目覚められ、昨年度は大学院に内留し、心理について研究されました。今年度から浜田市の弥栄小学校に赴任され、やはり特別支援学級を担任されています。教育現場で対話型鑑賞のナビをする機会が少なく、ナビの腕が鈍らないかと、不安を抱いている様子で、本会では積極的にナビを買って出てくれます。昨年の春の京都大学博物館でのウフィッツイ美術館展の実践レポートも読みごたえのある内容でしたが、今回も気合を入れての実践でした。ちょっと気合入れ過ぎて最初は空回り気味で心配しましたが、後半持ち直し、ぐっと深まる対話が展開されました。実践のレポートは本人から届くと思われますので、それまでしばらくお待ちください。
寒さが厳しくなり、出雲にも雪がちらつきます。皆様、かぜなどお召しになりませんように、くれぐれもご用心ください。
次回は、先延ばしになっている、「立てる像」の生徒の感想と、「イタリア旅行記」ローマ編をUPできたらと思っていますが、3年学年主任で進路担当の私は、ただ今、進路事務佳境を迎えておりまして、期待せずにお待ちください。
また、日本文教出版社から対話型鑑賞の冊子を発刊しました。発刊記念セミナーも京都造形芸術大学で3月22日に開催します。みるみるの会も講師を務めますので、興味のある方はご参加ください。

詳細は下記まで
http://www.acop.jp/news/docs/0322dm.pdf
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イタリアに行って来ました

2014-01-11 23:09:03 | 対話型鑑賞
イタリアに行って来ました


イタリアに年末行ってきました。
この歳にして初の海外旅行でした。出国審査や入国審査にドキドキしながら、無事に6泊8日の旅を満喫することができました。同行してくれた娘にも感謝です。
初の海外旅行ということなので、無理せず、JTBのツアーを選びました。出発日が限られているので、選べるツアーも限定されており、店頭でお話を聞いた時には、今回のツアーしか参加できるものはないということで、選択の余地もなく、詳細を検討することもなく、申し込みました。これも運命!!
かねてより初海外旅行はイタリアと決めていて、だって、この歳になるまでどこにも行かず、近場で間に合わせることも止め、ひたすら時が来るのを待っていたのです。今回の年末は休みも長いし、春には消費税が上がるので旅費も上がることが見込まれます。幸い老親の介護はまだまだのようなので、こちらの足腰も丈夫なうちにと考えると、行くなら「今でしょ!!」ということになり、決意しました。
しかし、選択の余地のないツアーでしたが、内容はとても充実していました。
ウフッツイ美術館では団体予約鑑賞が組み込まれていて、ほとんど待たずに入場できましたし、ローマの最終日の夜はヴァティカン美術館とシスティーナ礼拝堂が特別入場でき、写真も撮影OKという、美術教師にとっては、後から考えてみると垂涎の内容でした。この2つのことだけでも、大満足のツアーでした。しかも専門のガイド付きで、イヤホンを通して専門的な案内を聴きながら回ることができ、充実の時を過ごすことができました。特に、ウフッツイ美術館は広大な展示室で膨大なコレクションです。お目当ての作品にたどり着くのはガイドマップを見ながらでも至難の業ですが、ガイドさんはさすがになれておられるので、すいすいと人波をかき分け、お目当ての作品の場所に案内してくださいます。ボッティチェリもラファエロも日本で名画と認められているものの本物がどんどん目の前に繰り広げられていきます。特にボッティチェリは2月に京大博物館で超細密複製品を観ているので期待が高まります。あまりに大きく、しかし、多くの鑑賞者がいるために下がって全体を見渡すことは不可能でしたが、しかし、本物の持つオーラを感じることができました。超細密複製品を観たときには、それもすごいと思いましたが、やはり本物を前にしては、色あせます。タッチの切れ、色の鮮やかさ、繊細な筆使いのひとつひとつに息をのみました。本物を観ることの意味を改めて感じました。
 しかし、日本にいて、本物に出会うことは稀です。ましてや本物でなければ鑑賞はできないなどと言っていては教科内の鑑賞の学習は成立しません。鑑賞の学習活動を充実させる中で、生徒の芸術作品に関する興味関心を高めることができていれば大人になった時に本物に出会おうと美術館に足を運ぶ人になってくれるのではないかと思います。現に幼稚園での実践を通しての担任の先生の言葉にもそれを知ることができます。幼稚園児でさえ、この鑑賞活動を体験する中で身近にある絵画作品に興味を持つようになっているのです。園児が出かけた先の施設の壁に絵が掛けてあると「先生、絵が飾ってあるね。お花の絵だね。」とか「この絵は公園みたい。人がいないね。」などと話しかけることが増えたそうです。この子たちが大人になれば、何気なくにでも美術館に作品を観に行くのではないかと思わせます。そういう啓発が何よりも大事ではないかと感じます。
 話がそれましたが、本物の持つ素晴らしさを体感することは大事であることを今回のイタリアの旅でしみじみと感じました。しかし、世界にあるすべての芸術作品に出会うことは困難です。少しでも多くの本物に、残された人生でどれだけ出会えるかわかりませんが、観る価値はあると思いました。これを機にどんどん海外に出かけようと思いました。
 ウフィッツイ美術館でボッティチェリの作品やラファエロの作品に出合い本物の素晴らしさに触れ、最終日のヴァティカン美術館訪問の期待も一気に高まりました。
 フィレンツェを後にしてローマに向かう途中にサンジミニャーノとシエナという城郭都市に寄りました。小高い丘の上、城壁に囲まれた中に昔ながらの街並みが残されています。日本でいえば津和野や萩、高山のような街並みなのでしょう。車の乗り入れも規制され、可愛いオート三輪が今も現役で活躍していました。また、シエナでは年内最後のサッカーゲームが開催されるようで物々しい警備でした。サッカーの試合は昔の小国同士の争いの代償行為だとよく聞きますが、今回の旅で、都市国家が共和国イタリアとして成立したことを国内を移動する中で理解することができ、おらが街を、イタリア人がどれだけ愛しているのかも地理を知る中で感じることができました。
 長くなりました。最終日ローマについては、次回に回します。
 それにしても、イタリア料理とワインの美味しいこと!!もう少し、英語ができればもっと楽しい旅になったのではないかと思います。
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