ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

オンラインみるみる1月例会を開催しました

2021-01-31 09:54:36 | 対話型鑑賞


みるみるの会 1月例会(オンライン開催) レポート 
日時:1月23日(土) レポーター:春日美由紀
13:30~ Zoom接続確認・打ち合わせ(津室・春日)
14:20~14:50実践 15:00~15:40振り返り
作品:「開かれた聖書のある静物」ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(1885年)ヴァン・ゴッホ美術館
ナビゲーター:春日美由紀
進行・ホスト:津室        
参加者:7名
(みるみる会員4名,春日紹介1名,津室紹介1名,ACOP道場を運営しているCさん)

発言の流れ
・ロウソク・燭台・本の右頁横にある帯状のものはナイフの柄?
・帯状の物は本を留めるものか。表紙の縁にも金具がみえる。重厚な本。
・本について 絵が描かれている➡図鑑・百科事典
・小さな本について
・背景、薄暗い中にも窓のような物がみえる
・中央の燭台の後ろにもう1本何か棒のようなものが立っている
・ロウソクの火が消えていることから、時刻は昼間?➡やっぱり夜➡物理的な明るさではない
・二つの本から不安定さ、危うさを感じる
・本は古い、放置されている、しばらく使われていない、それどころではない。
・貧しくて、飢饉で、食べるものが無くて、お腹がすいている。
・時刻は夜、薄暗い背景の中に人影、本を読んでいた人が、一旦席を離れた。
・背景の四角いものは額、絵を描きたいと思った人が、絵を描くための参考資料から調べ物をして、メモを取っているのが下の小さな本のようなもので、手帳。
・テーブルが岩のようにみえる。テーブルだけど、古くて、クロスは汚れている、普段はあまり使われていなくて、こっそり調べ物をするための場所。

チャットに書かれた振り返り
Tさん: カーソルでのポインティングの際,「ポインティングさせてもらったところで,間違いないですか?」と発言者に丁寧に確認されていたのが良かったと思います。安心感がありました。
Kさん: みれば見るほど、不思議な作品でした。ポインティングが分かりやすかったです。
Uさん: 個人的にディスクリプションが難しいなと感じました。なぜだろうと気になっています。
Cさん: かすがさんの声がとっても聞き取りやすい。マウスカーソルが大きく、ポインティングが見やすかった。見えているものに関するディスクリプションを丁寧に進めることで、その後も丁寧にディスクプリションを進める流れができて、鑑賞の取っ掛かりがつかみやすかったです
Tさん:Uさんが画面に近づかれているようすを見逃さず,「(送った画像が)小さくてすみません。」と声をかけられているのが,参加者をよく見られているなと感心しました。ゆとりのなせるわざ。
Nさん: 細部へのフォーカスとほどよい俯瞰を取り混ぜてのナビで、バランスよくみることへ誘ってもらって、考えやすくなりました。
Mさん: ご指名いただいて発言しやすかったです。通信環境が悪いせいか、皆様にご心配おかけしてしまったのですが、たくさんのお話が聞けて、良い時間になりました
Tさん: 作品について,使い込まれてよれた手帖の中身が気になります。発言にあったように,大きな本に対して,小さな自己を感じさせられました。併せて表紙の文字も。
Cさん: 開かれた聖書のある静物 画家 : フィンセント・ファン・ゴッホ(作品情報)
Uさん: マウスポイント、オンラインならではで分かりやすかったです。
Nさん: 文字の読めない人のために挿絵があったと思います。仏教でも同じように。
Tさん: 聖書は文字ばかりというのは,やっぱりぼくの思い込みなんですね・・・。あぶないあぶない
Nさん: スムーズにいくよりも揺さぶられたことでワクワク感が増しました。
Uさん: 今の聖書のお話はファシリテーターとして我慢されたというのは、勉強になりました。多分すぐに食いついてしまいそうです。(笑)
Tさん: Uさんに同感です!
Uさん: 対比!キーワードとして覚えたいと思います。Cさん有難うございます。
Nさん: 深い作品ですね。
Tさん: ほんとうにゴッホとは思いませんでした。サインのVでもしや?とは思ったのですが・・・。

今回はポインティングについての振り返りをしたいと思います。
 アンダーラインを引いたところは、ポインティングに関する記述です。画像を各自がみながら鑑賞を進めていくのですが、ポインティングはリアルの時より簡単にできるので安易に使いがちです。別のオンライン鑑賞会でもしばしば話題になるので、今回は、ポインティングについて考えてみました。
 今回の実践で初めてカーソルを大きくしてみました。指示しているところが分かりやすいのではないかと考えたからです。Cさんが分かりやすかったと書いてくださっているので、良かったのかな、と思います。詳細に描かれている作品ほど、カーソルが大きく、先端が確認されやすい矢印がやはりよいのではないかと思います。
オンタイムの時には鑑賞者の発言に合わせてカーソルを動かしたのですが、後から動画を見ると、少し動かしすぎてうるさく感じました。動かすことも自制する必要があると感じました。また、指し示していない時にはカーソルは枠外に出しておく方がよいとも感じました。作品上に無造作に置かれているのはよくないと思いました。話題になっていない所に置かれていても、矢の先が何らかのメッセージを発しているように感じはしないかという危惧からです。鑑賞者は発言者の意見を聴きながらも自分の思考は止めていない(みたいところをみながら考えている)と思うので、その思考の妨げになるようなカーソルの無造作な放置と余計なポインティングは控えるべきだと考えました。皆さんはいかがお考えでしょうか?
オンラインでの鑑賞会においてナビの配慮事項が一つ増えたような気がします。便利さの奥に潜む危うさを乗り越えて、ナビのスキルをブラッシュアップしたいです。
また、初ナビ作品だったので、解釈の構築が手探りでした。行きつ戻りつしているところがあるので、この作品で場数を踏みながら思考が積みあがるナビをめざします。
メンバーと距離を超えて参加してくださった皆様に感謝します。ありがとうございました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする