ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

オンラインACOP(7)に参加しました!

2020-07-26 23:13:39 | 対話型鑑賞


レポート:Art Communication in Shimane みるみるの会 房野伸枝
日時:7月12日(土)13:30~Zoom接続確認  14:20~15:20実践
作品:「Cherry Train」 2017年  Clive Head 作
ナビゲーター:まっつんさん
進行:カスガさん         
サポート:ちょなんさん
参加者:上記の3名の他3名  計6名
   
みるみるの会の春日さんが、コロナ禍で全国的に自粛中の5月からZoomによるオンラインACOPに参加されていると聞き及び、うらやましく思っていたところへ、みるみるの会の仲間の津室さん、上坂さんも前回参加されたと知り、「おー。すごい。皆さん、やるなぁ~」「でも、どうやるんだろ??」「Facebookとか、苦手で…」とモヤモヤしていた私・・・。そんな私に絶妙なタイミングで春日さんがこの会に参加できるように声をかけてくださいました。

私は学校でZoomによる講義を受けたことがあるだけで、それを使って自宅でのリモート鑑賞は初体験。いったいどうなるのやら、好奇心は膨らむばかリで、見通しが持てませんでした。その上、ウチの自宅PCはデスクトップで、モニター後ろの複雑な配線を引き抜く勇気がないため、私の背景は部屋の中が丸見え!なんか、はずかしい~!他のメンバーの方は、素敵な絵画が掛けてある壁を前に、またはデジタルの壁紙を利用しておられたりしておしゃれです。私もその場でデジタルの壁紙にしようとトライしてみたものの、背景と自分の画像が混ざりあったりして、ああ~!残念!時間切れとなってしまい、断念したのでした。次回こそは素敵な背景で参加したいです。

始まる前から気恥しい気持ちの私でしたが、<ちょなんさん>が丁寧に操作について教えてくださり、顔なじみの春日さんが進行役をされていたので、気を取り直して<まっつんさん>が準備された画像を待ちました。どうやら、パワーポイントの画像を載せるようです。スライドが何枚か用意されている画面を操って、そこに大きく映し出されたのは、何とも奇妙な、たくさんのモチーフが複雑に重なり合わされたような、人物がたくさん描かれている魅力的な作品でした。私は第一印象を「電車の中の風景、いろんなものが重なっていて、変だな」「電車だと思ったのは向かい合わせの席の様子、網棚に荷物を置こうとしている人が見えるから」と、述べました。その後、トークは切れ間なく続き、60分はあっという間に過ぎました。
記述の記号は
(・)要約した皆さんの意見(ナビゲーターのパラフレイズも意見に集約)
(→)私が気付いたこと
(N)ナビゲーターのファシリテート
です。
画像のリンク先は以下の通り。画像はそちらで確認してください。https://www.artsy.net/artwork/clive-head-the-cherry-train

【トークの様子】
・たくさん重なり合いすぎていて、気持ち悪い。
・電車の中にしては、コーヒーカップや自転車など、似つかわしくないものもある。電車だけではなく複数の場所が要素として入っている。
・自転車の隣の青いコートの女性は右から電車に乗りこもうとしている。そして、その進行方向 をずっとたどると左に同じ人物が電車の外にいて、つながるのかな。
→画面が複雑なため、どの部分について語られているのか、すぐには共有しにくいようでした。ナビゲーターは画面を拡大したり、移動したり、画面上をパワポのツールのポインターで示したりして、みんなで同じ個所を認識できるようにしていたことに感心しました。通常、実際の作品や、画像をプロジェクターで映して鑑賞する際は、ナビゲーターが指差しやレーザーポインターでポインティングしますが、オンラインならではの焦点化でした。ただ、オンラインでポインターを速く動かすと、反映にタイムラグがでて、最終的な着地点しか見えないという意見がありました。
・電車って場所をつなぐものでしょ。この場合は時間をつないでいるみたい。
・一人の人が動いている残像が描かれているみたい。他にもそんな人が何人かいる。
 ・同一人物のいくつもの顔が重なっているが、同じ表情なので、一瞬の同一時間、同一人物を複数の視点から見ている様子を表現したのでは?

N:画面を半分に分けて、左側だけに限定して意見をお願いします。
→この画面を分割して鑑賞するという仕掛けは、「Zoomならでは。」「要素が多い作品を見る時に使える技」「みる範囲を限定することでより詳しく見ることができてよい」という意見がありました。

・テーブルのつき方や椅子の形がJRなどの日本の電車じゃない、外国の電車ではないか。
・ムスリムみたいな方もいるし、髪の色が黒い方も多いので、東欧のあたりのイメージ。
・窓の外の景色が日本っぽくない。ヨーロッパの東あたりでは。
・キュビズムで描かれた人物のよう。人間の形をしているけれど何者かわからない形がある。現 実にいるというよりは、他の人からは見えていない、透明人間みたいな異なる存在が中央にある。
・ペットボトルとコーヒーカップ、フォークが刺さっているパイ…カフェで資料を読んでいるような様子。電車に乗る前の時間が描かれているのかな。

N:今度は右半分を見ていきましょう。先ほどは時間の経過や視点の違いなどがありましたが、右の画面ではどうでしょう。

 ・右にイヤホンをしている人物がいる。電車は昔からあるが、イヤホンをつけて電車に乗る男性の風貌から現代の風景なのでは。
 ・右に飛行機のビジネスクラス、の座席に座る男性もいて、電車の中ではない。
N:ビジネスクラスと思われたのはどこから?
→ここで、どの部分のことを言っているのかナビと共有しにくいので、鑑賞者の方から矢印を出して、ポインティングをするという技を見せてくださいました。オンラインでやり取りをする際に、言葉だけの説明ではなく、画像上を双方向から指し示すことができるというのも、オンライン鑑賞の利点だと感じました。特に美術館では鑑賞者が作品に近づくのはご法度ですから。
 ・先ほどのビジネスクラスに座っているといわれた男性の手にはスマートフォンが握られているので、やはり最近の様子だと思う。
 ・ガラス戸の取っ手のようなものも見える。カフェやお店の戸口のような形なので、いろんな場所が複層的に描かれているのではないか。

N:ここでほんのちょっとだけ情報を入れたいと思います。(スライドを換えて、)クライブヘッドという人の「Cherry Train」という作品で、2017年作、3年前ということで、最近の作品と言っていいと思います。多重露出の写真を重ね合わせたような作品を描いていて、自分の作品をこんなふうに語っています。(スライドを換えて文章を見せながら読む)「私は物語を語るのではなく、あらゆる種類の物語を生み出す絵画を作ろうとしているのです。」「絵の全ての部分が多角的に読み取れるようになれば、常に複数のイメージが存在し、異なる意味の可能性は無限大になるのです。」こんな言葉も踏まえて全画面で見てみましょう。

・さっき言った、透明人間みたいな人物が時間や空間を超えてすべてを見ているような感じです。(ここで鑑賞者が矢印を出してポインティング)
N:この方がこの作品のキーだとすると、具体的にどんなイメージがあります?
・人々の時間の動きを凝縮したのではないかという話があったが、この人物は時の経過を見据えることができるような存在なのでは。(振り返りで、この人物が作者自信なのではないかという解釈につながっていた。)
N:時間の経過、場所の違い、視点の違いなどについてありましたが、他に?
・中央の肌色の塊は西洋画の裸体のイメージ。女性の曲線を思わせる。
・作家の考えにそって、どんな物語を生み出すような仕掛けが盛り込まれているのかを考えると、時間の流れや視点の違いなどが盛り込まれているのかな、カップなどモノにまつわる物語もあるし、人物は寒い時期の服装なので、暖かいものを食べているのかな、とか、それぞれの人の素朴な日常、人となりなどが感じられる。いろんな人がいることから、組み合わせ次第でいろんなストーリーが増殖していくような感じ。
・こんなに人がたくさんいるのに、誰も目を合わせていない、会話もしていないし、人と人との関係性が感じられない。そう考えると、現代風というか、孤独というか、一人ひとりが完結している。都会の中で一人一人が世界を持っていて孤立しているように感じる。
・この絵の見方、日常の見方がZoomのギャラリービューと同じだな、と感じる。この空間を共にしていて一体感を感じるが、その先の関係性は見えにくい。Zoomとこの作品の組み合わせがおもしろい。ギャラリービューで見ているそれぞれの空間みたいなものをこの作品に感じる。

N:皆さんがおっしゃったようにこの作品は空間、時間、動き、視点を変えて重ね合わせてできています。この作者はキュビズム的な答えをこの作品に込めているのでは。一つの見方がリアルではない、分解させて再構築することでリアルを求めたのがキュビズムだと思うんですけれど、クライムヘッドなりのキュビズム的な解釈の答えが、この画面だということですよね。今見ているものが本当にリアルか?リアルとは?という作者なりの表現の仕方がこれだ、ということです。そんな作品をみながら、皆さんのあらゆる種類の物語を聞くことができましたし、異なる意味の可能性を追求することができました。心残りは謎の人物の解明ができなかったことですが、いいお話ができたと思います。

【感想】
<まっつんさん>のスムーズなナビゲーションで、一見難解な作品をたくさんの意見でこの作品のごとく多面的・多角的な読み取りをみんなで深められたという実感があり、充実感を覚えました。オンラインACOPで1作品を60分かけて鑑賞するというのは初めての試みだったそうですが、まだまだ語れそうな雰囲気で終了でき、作者や作品への興味が高まりました。それが次への意欲につながります。これこそ学びの本質だと思います。そんな場を提供してくださった皆さまに感謝です!ありがとうございました。

◎チャットについて
・進行役の春日さんが、皆さんの意見の要約をタイプしてくださっていました。そのおかげで、途中離席していて戻った時に、流れがわかってよかったというご意見がありました。このレポートを書く時にも大いに参考にさせていただきました。
・<ちょなんさん>が、<まっつんさん>のスライドの作者のコンセプトをすぐにチャットに張り付けてくださったり、Zoomについての私の質問を即座にネットで調べてその情報を載せてくださったり、チャットの使い方にはいろいろあることを知りました。
・通常の「対話型鑑賞」では言葉はその場で消えてしまいます。だからこそ「聴く力」が鍛えられるのですが、学校の生徒の中には「聴くこと」が苦手な特性の子もいます。そういう人にとっては「読んで確認」できることの有効性は大きいと感じました。ただし、授業者が一人の場合はナビをしながらチャットへの書き込みは難しいので、今回<まっつんさん>がされたように、あらかじめスライドを用意しておくなどの工夫が必要かもしれないと感じました。
◎ポインティングについて
・画面全体は共有していても、今、どの点について話しているのか、意識を共有することができなければ対話が成り立ちません。Zoomでそれがどこまでできるのか疑問でしたが、ナビゲーターがポインターで示すことと、鑑賞者が説明するために矢印でポインティングすることで、双方向でより焦点化できることがわかりました。

途中、私の背後に我が家のわんこが登場したり、「ワン!」という声が混じったり、遠くに我が母の姿が映り込んだりといったハプニングがありまして、赤面ものでした。自宅からのリモートあるあるでした。次回もわんこが登場したがったらご容赦ください。次回こそ、背景を替えて臨みます!何度か経験を積んで、そのうちオンラインでナビゲーターにも挑戦してみたいです。よろしくお願いします。
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オンラインACOP鑑賞会参加レポートです

2020-07-12 11:21:09 | 対話型鑑賞


第6回オンラインACOP参加レポート 2020/06/28
津室 和彦

1 初めてのオンライン鑑賞会参加
 在宅勤務を強いられ,美術館は閉館という状況の中で,オンラインでの鑑賞会が行われているという情報は少しずつ入ってきていた。会議システムは様々あるが,個人として用いるにはzoomが手軽で普及している印象が以前からあった。今回,YCAM原さんの紹介により,オンラインACOPに参加させていただく機会を得た。内容は,先日(6/14)の春日さんのレポートに詳しいが,初参加のトーカーとして状況と所感を述べる。

 今回の参加者は,関東圏の美術館関係者やエデュケーター等が中心だった。自分も含め,オンライン鑑賞会初体験の人が3名であった。これまでの例会も,毎回9名程度の参加に絞られている様子。人数制限をすることについては,参加してみて得心した。リアルのギャラリートークでも,10名を超えると発言しづらくなる感覚はあるが,オンラインだとさらに抵抗感は増すと思うからである。

2 オンライン鑑賞会の強み
 オンラインの一番の強みは,場所の自由性である。ネットでつながっているので,自宅でもオフィスでもどこでも参加できる。また,地理的な移動を伴わずに済むので,私のような地方在住者でも他地域の方と交流できる。鑑賞の構成メンバーも自由性が高い。 次は,ネット会議システムの機能を生かすことができるというよさである。とくに,チャット機能は通常の対話に加えてテキスト情報を同時進行で扱えるよさを感じた。発言のタイミングを逸してしまったような時でも,チャットのタイムラインに書き込むことで,ナビや進行管理者,ほかの参加者に自分の考えを伝えることができる。そうすることで,場合によっては次のフェーズで取り上げてもらえることもある。また,取り上げている作品を収蔵する美術館のwebページURLのリンクを貼った方もいて,即座にアクセスできたという場面もあった。
 作品画像は,提供者だけでなく,各自の端末で拡大・ドラッグして見ることができ,ギャラリーで作品にぐっと近づいて見るのと同じような感覚を得られた。また,ナビのポインティングは,画面上のカーソルで行われていた。 
 
3 オンライン鑑賞会の弱点
 細かな表情や感情が伝わりにくいことである。同じ場で共有するからこその空気感や表情の動きなどは,ナビにとって重要な情報だと思うが,オンラインではどうしても把握が不十分となる。PCかタブレット1台という通常の環境では,作品画像と同時にディスプレイに参加者の顔が映し出されることになる。参加者の顔は,小さな画面で6名程度しか見られないことも多い。リアルでは,少し目を巡らせば全員の顔を見ることができるが,ネットではそうはいかない。また,挙手も,ホストにはテキストで表示されるが,画面上での挙手は見落としてしまうこともある。だから,言いそびれ,当てそびれも生じてしまう。
  
4 振り返りのフリートーク
 階層を引き上げてパラフレーズするとよいという話が,大変興味深かった。例えば人物についてであれば,“顔”“体”“描かれ方”という階層があり,より細部や具体がその下の階層としてある,ということであった。そこで,髪型やしわや視線について述べられたときは,「“顔”について~~な印象があるということですね。」というふうに,ナビは一段引き上げた階層を意識して述べると,より一般化されて鑑賞者に納得してもらえるのではないかということのようであった。
 このような階層を意識するためには,ナビは,事前に自分なりに樹形図のような形にまとめておくとよいのではないかという発言もあった。
 私は,鑑賞に用いる画像を用紙の中央に印刷し,周囲の余白に書き込むかたちで,紙上ひとりディスクリプションを行うことがある。しかし,そこにとどまらず,階層を意識して整理して作業まで行うことで,より多様な発言に対応できるようになるのではないかと,このような会話を聞いて思った。
 振り返りのフリートークでも,大変な刺激と知見を得ることができた。今後自分の準備等にぜひ生かしていきたいと考えている。
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オンラインACOPで2回目のナビゲーターをしました

2020-07-05 09:45:29 | 対話型鑑賞

6月20日(土)14:00~17:00
鑑賞作品 戦争の手ざわり
作家:高嶋敏展(写真)
オンライン鑑賞者 7名

進行役は なつめっちさん
開始して作品をみながら、まずチャットで思ったことや感じたことを自由に記述してもらいました。
以下は、チャットに記載されたもの全てです。
14:22:30 開始 たかはし@大阪 : 周りの黒い縁までふくめて作品ですか?
●この問いに対しては、音声で、作品がよく分かるように背景を黒くしていることを伝えました。
14:24:15 開始 なつめっち@TOKYO : 文化財の建物なんだ!(◎_◎;)
14:24:32 開始 原泉@山口 : マイク不調なのでチャットメインで発言してみます。
●「はらさん、了解です。」とレスする。
14:25:19 開始 まっつん@群馬 : 今頃の季節?時間は午前11時くらいかな?
14:25:39 開始 みっし~@東京 : 文化財のプレート気づいた。木が気になる。
14:26:00 開始 まっつん@群馬 : 右の壁の文字は何?本?
14:26:07 開始 ちょなん@東京 : 写真の中には木の幹のみ、木の影には幹に加えて枝や葉も。写真の中に描かれているもの、写真の外の世界。左側の女性が進む先と、右側の男性が進む先にも意識がいきますね。
14:26:10 開始 たかはし@大阪 : 場所、季節、時間がいつかなーと考えてました。しかし真ん中の木が気になる
14:26:45 開始 みっし~@東京 : 浴衣の女性たちは駅からでてきた。男性は通行人かな
14:26:56 開始 まっつん@群馬 : 女性たちが向かうのが出雲大社?男性が学生さんかな?
14:27:08 開始 ちょなん@東京 : 木の影と駅の中の影。駅の中にどんな世界が広がっているのかも気になります。
14:27:32 開始 みっし~@東京 : 木の中にも女の人みたいな形
14:32:18 開始 原泉@山口 : 画面の真ん中にある木が画面を2分割しているため、まるで右と左で時間や世界のようなものが違うのかなとも思えます。
14:41:01 開始 原泉@山口 : 駅や大社に傷口を見せないようにしてるように見えていじらしくなっちゃう
14:44:38 開始 原泉@山口 : ちと電話かかってきたので離脱します
●ここからは、鑑賞後の参加者がチャットに記載した感想やナビへのコメントです。鑑賞中に作品に関する情報提供を行いました。「松の幹のえぐられたところは戦時中に飛行機を飛ばすために松根油を採取したための傷の跡であること。」「松の木はこれ1本ではなく、参道に松並木が植わっていること。そのすべてに同じ傷があること。」「松根油は実際には使用されず、敗戦を迎えたこと。」などです。
14:53:25 開始 まっつん@群馬 : クローズが良かったです!考えさせられました。
14:54:32 開始 みっし~@東京 : 松根油の話は、かなり重要な情報ということになりましたね。あると無いとでは全然違うものでした。
14:55:08 開始 たかはし@大阪 : 作品情報を何度か小分けにしてだしていただいたことで、小まとめまで鑑賞が散漫にならずぐっと進んだ感じがしました。この作品、私はあまり相性がよくないな、というかどう見ようか最初悩んだのですが、皆さんのお話とカスガさんの進行で最後まで考えて楽しむことが出来ました
14:56:01 開始 原泉@山口 : オンラインACOPはじめてだったんですが、意外とできそうですね!なかなか発言できない人がチャットで参加できることは、これまでの対話型鑑賞になく良いことなのでは、と思います。カスガさんのナビに関しても、パラフレイズによって次の話題に移らせたり、対象をフォーカスすることでよりみやすく考えやすかったと思います。建物の話や人物については時間の都合もあるでしょうが、もう少し触れても良かったのかも??
14:56:36 開始 なつめっち@TOKYO : お疲れさまでした!作家だけでなく、カスガさんの出雲への愛情が伝わってくるファシリテーションだ
ったと思います。オンラインですと、1対1の対応と参加者同士を繋いで対話を掘り下げることのバランスを取ることが難しいですね。途中で、共有の話題(松の傷)を提供してくださったので、みんなで一斉に考えることができたと思います。
14:57:43 開始 まっつん@群馬 : どんな見方をしてもらいたいかの途中の提案が効果的で、そこから話が深くなってきたかと思います。ただ、それ以前の意見にも、少し触れていただいても良かったかなとも思いました。
14:58:43 開始 ちょなん@東京 : チャットで第一印象を書く時間をつくってくれていたので、自分の考えをまとめる時間がとれて、その後の鑑賞に入りやすかったです。 原さんが木によって画面が2分割されて左右に世界が分かれていると話してくれた時に、駅から出る人の視点では正面に木があって、左右の分かれ道の中央に位置するシンボルにも見えるんだなと想像してました。そういった話に続くかなと思ったら木にフォーカシングが進んだので、話を出す機会がありませんでしたが。 木へのフォーカシングと松根油の情報提供で、傷や経済活動といったことに想像が移って、より鑑賞が膨らみましたね。
14:59:21 開始 みっし~@東京 : 木がメインになってしまいましたが、それ以外の部分のストーリーとかにも興味がありました。敢えて木以外のところにフォーカスするのもありかもしれないですね。
15:00:27 開始 かよ@兵庫 : すみません、出遅れました。出先から帰るのに車が渋滞しておりまして、先ほど戻りました。車内でつないでほとんどお話だけは聞かせていただいていました。2本目からは参加させていただきたいです。 カスガさん、お疲れさまでした。何の変哲もない写真のように見えて、絵画を語るというよりかは、道徳を語るような場になったなぁと思いました。
●以上、チャットへの書込みもありつつのオンタイムでの振り返りをしていきました。
●ナビゲーターの振り返り
対話の流れは正面にある木に話題が集中しました。皆さんの感想やコメントにもあるように、周囲の様子ももっと話してもらえばよかったと、反省しきりです。木の傷跡に言及され、その傷が気になる方が多かったので、「松根油」を採取するために傷をつけた跡がこのようにみえることを伝えることは重要だと感じました。情報を提供したので、結果、話題が木中心になってしまいました。鑑賞前から、話題の中心が木になることは想定できたので、初めに木以外の周囲について発話してもらって、季節や時刻やここはどこなのか、などの外堀を埋めてから、木についてじっくり語ってもらう手もあったのだと後から思いました。リアルな対話型鑑賞会で作品を前にして、参加者がそこにいるという空気感があると、作戦を立てながら進めていくことができていたのですが、前回といい、今回といい、ややゆとりや懐の深さの足りないナビになってしまいました。まだまだオンラインでのナビのスキルを上げていく必要を感じました。

以下、今回の対話の「文字起こし」も掲載しておきます。
N:ナビゲーター
A:鑑賞者(特定されない場合、笑い声やうなずきなど)
A1~A6(特定された鑑賞者。同じ数字は、同じ鑑賞者)
N:それでは、この作品をみてください。え~~、で、まあ、発言してくれていいなと思うんですけど、でもあの、チャットに最初に第一印象とか、メモってくださって始めるっていうのもやってみたいかなっていう気持ちもあるので、あの、皆さん、お気付きのことなどありましたら、どうぞ、チャットもご活用ください。では、まずは、じっくりご覧ください。お願いします。
N:あっ、写真だけが作品です。黒い縁はよりくっきりするように黒くしています。
●チャットへの書き込みを確認して、音声で返答する。
A1:画面に顔近づけたいので、ビデオ、停止しました。
A2:真似しよっ。
A1:鼻の頭の毛穴が映るから・・・。
●この間、鑑賞者は思い思いにチャットに書きこむ
N:はらさん、了解で~~す。
●(※音響の環境がよくないのでチャットに書きこむ旨のはらさんからの書込みへのレス)
●この間、鑑賞者は思い思いにチャットに書きこむ
N:まだまだ、顔を近づけてご覧になっている方もいるようなんですけど、そろそろ始めてもいいですか?
A:はい。
A:は~~~い。
N:は~~い。すごくちっちゃなとこまで、端っこの方まで、みてくださった方もいるみたいなんですけど、いかがでしょうか?えっと、チャットに書かれたことでもいいですし、それ以外で、ぜひこのことから話し始めたいという方がいらっしゃったらお願いします。
A3:じゃあ、はい。
N:はい、では、ちょなんさん、お願いします。
A3:はい。そうですねえ、この作品の中で、すごく一番印象に残ったのは、真ん中のこの木、木の幹のみ写真の中には写されていて、ただ、木の影の方には、枝であったりとか、葉っぱのようなものがみえていて、この写真の中の世界と写真の外の世界、で写真の外の世界というのをこの影がなんか表現してくれているように感じて、この写真の、何だろうなあ、外側の世界にはどんな世界が広がっているんだろうっていうところを少しくすぐってくれるような気がしました。うん。
N:なるほど。え~~、木の実態からはみえないものが、影によってみえている。だから実態と、あの、それ以外、のものを、何か、この影から考えさせられる、って、そんな感じが、そういうものをなんか伝えようとしている作品なのではないかなっていう風に、あの、受けとめていらっしゃるのかなって?
A3:そうですね。他言うと、まあ、そうですね、あの、左側の女性であったりとかが、左の方向に進みそうな、歩みを進めているようなところと、右っ側の男性が右の方向に進んでいるであったりとか、その写真の外側に向けてなんか、足を進めているように思うんですけど、その先の世界が、そうですね、気になります。
N:なるほど、木も先がみえていない、先、この人たちも、方向性から、外に向かって、先に行こうとしてしている、先の世界、想像させるっていうか、連想させる、併せて、これを手がかりに、っていう感じですかね?
A3:はい。
N:は~~い。何か、最初っから、壮大な、え~~お話をしていただいたんですけど、何か気づかれたことでも、これから、こんな風に思うよって、ことでも。はい。いかがでしょう?
N:木が気になるって方が結構いるんですけど・・・。
A:笑い声が聞こえる
N:木について語っていただいてもいいかな?って思います・・・。
A1:はい。
N:はい、なつめっちさん。
A1:は~~い、この写真撮った人は、何を、どれを主役に撮ったのかな?って、思いました。
N:どれだと思いますか?
A1:え~~っと、木の影。
N:あっ、木の影?影だと思われたのはどこからですか?
A1:まあ、主役かな?って。
N:木が主役なんじゃなくて、影が主役なんじゃないかなって?
A1:なんか、唯一、全部見えているので・・・。
N:えっ、でも、人も全部みえてますよ。
A1:あっ、そうですね。
N:A1:ともに笑う・・・。
N:木がこう写りきっていないところの、この木の全体像がみえているところが、なんか、なんか、なんか意味があるんじゃないかなって、そういう捉えでしょうかね?
A1:そうですね。それだけが、こっち向いてる。
N:おおっ、ちょっと待った、こっちを向いてるって感じたのは、どこからですか?
A:笑いが起こる
A1:駅は全貌がみえないし、人もあっち向いたり、こっち向いたりしてるけど、影だけが、こっちを向いている。
N:影が全部みえている。でも、木は全部みえてないですねえ。
A1:なので、木の影が、を、撮りたかったのかなあ・・・。
N:ああ、この木の影が撮りたかった。
A1:でももうちょっと他に立つ位置あっただろうって、思いました。
N:う~~ん、立つ位置あっただろうっていうのは、どういう意味ですか?
A1:どっか、右なのか、左なのか、後ろなのか、分かんないですけど・・・。
N:ああ、と言うことは、なぜここを撮ったのかということも、逆に意味としてある・・・。
A1:多分、木が気になるってことから・・・。
N:じゃあ、そこも考えていきたいと思います。他にいかがでしょう?
N:なんか、さっき、みっしーさん、何か、反応してたんで・・・。
A2:私も木が気になったんですけど、何でかって言ったら、私、わりと電車とか駅とか好きなので、よく見たいなって思ったんですね。出雲大社なんだこの駅って、思ったんだけど、もう、遮るように木があって、真ん中にあるじゃないですか、だからこの人は撮りたいのは木だったのかなって。木を撮って、その主役はどれかっていうさっき話だったんですけど、木も、影も含めてどっちも撮りたかったのかなって思いました。両方。木っていうもの全部を。
N:なるほど。なるほど。でも、木っていうもの全部撮りたかったんだったら、全部撮ればいいのに、なんで、影だったんですかね?
A2:う~~~ん、なんででしょうねえ・・・。
N:だって、木、撮りたかったんなら、木をちゃんと撮ればいいって思うんですけど・・・。
A2:影も撮りたかった。
N:ああ、なるほど。
A2:どっちだ。どっちだろうなあ・・・。
N:ちょなんさんの言った、なんか、虚と実みたいな・・・。
A2:う~~~ん、そうですねえ・・・。
N:そんなところもある?
A2:う~~ん。
N:ほかに?ほかにどうでしょう?
★あの、ごめんなさい。あの、はらさんがチャットしてくれてますよ。(ちょなんさんが助言してくださる)
N:あ、は~~い、すみません。はい。
A4:聞こえますか?
N:は~~~い、みえました。すみません。
●(チャットを確認)
A3:声聞こえますか?
●(はらさんの発言をスルーしてしまう)
N:あ~~、なるほど、木がまん真ん中にあるから、左右分割。 
★ちょなんさんが、「聞こえてますよ。」と返しているのを音声確認
A4:さっき、虚と実とか、両方とか、どっちかみたいなことが、よく言葉の中に出てきているなあって思って、両方とかどっちかって、何かふたつあるものを選ぶ時に使う言葉だと思うんですけど、何かと何かをふたつ分かれているということを皆さん注目していたんじゃないのかなと思うと、何か真ん中にある木がまるで右と左を分けているみたいな感じにみえて、人と木、とかもそうだけど、木を真ん中にして、男性の人と女性の人がとか、何かそういう分かれ方をしてるから、何か二分割されている画面ぽいなあと何となく思いました。
N:ありがとうございます。確かに、画面の真ん中に、ど~~んっとあって、左右を分けてるっていう、分かれたのに、分かれ方として、何か、人が、男性と女性とか、一人と二人とか、隔てられて分けられている。なるほど。
A3:はい。
N:え~~、ありがとうございます。そういう風な、あの、何か、この木の立ち位置による意味みたいなものも考えてくださっているのかなあと思うんですけど、皆さん、もうちょっと、あの、その、真ん中のこの、何でここにいるのこの木みたいな、木を、もう少しなんかよくみてもらえると何か気づかれることないですか?あの、影にも、目が行ってるのはいいんですけど、真ん中にどお~~んとあるこの木を、何の木?ですかね?この木の・・・。
A2:枝ぶりからして、すると、どうなんかなあ、松なんかなあ・・・。あの、私は、幹の中のえぐれているところがあるじゃないですか、あの形がすごく気になって、何か、女性にみえたんですよね。
N:女性にみえた?
A2:女性みたいな形をしてて、それも何か、何だろう、その人は、気になったんですかね?やっぱり。
N:これが?
A2:う~~ん。
N:なるほど。
A2:分かんないなあ・・・。
N:枝ぶりから、松だろうと・・・。
A2:う~~ん、かなあ・・・。
N:これは松の木じゃないかな?でも、これが気になる。これ気になっていらっしゃる方、どのくらいいらっしゃるんでしょうかねえ?ああ、いますねえ。はい。何なんでしょうねえ?これ。
A5:いいですか?
N:はい。
A5:えと、私も初め、初見でやっぱりえぐれたところが気になってて、あの、何か、自分はその、何か、両手をあの、斜め上に何か広げたような人の形みたいにみえてて、まあ、そうですね、何か全身みたいにみえてて、何かこんな感じ(ジェスチャーをする)で、影も、何か、両手を広げた人物の形みたいにみえて、何か存在感がその木にあるんで、それがちょっとなんか、神的な、そういうなんか偉大なものみたいな、そういうちょっと印象を、今、その、えぐれたとこと、影の、人としてのポーズも何か堂々としてるみたいなところから、何かその、何か、ちょっと人より上の、何か、存在みたいな、そういう見方で見てました。木の種類は私にはちょっと分かんないですけど、すごくなんか、木がなんかポイントになるのかな?って思いました。
N:なるほど、このえぐれられたこの形と木の影の形が、こうリンクしているようにみえて、人ではない、何かもうちょっと崇高なもの、木の精、みたいな、神とまでは言わないまでも、
A5:う~~ん。
N:精霊みたいな、なんかそのようなものを感じるので、この木もちょっと立派に見えるっていうか・・・。
A5:そうですねえ、出雲大社って言葉にも影響受けちゃてるかも?
A1A2:あるある。(笑い)
A1:神様もお集まりで・・・。
A5:お集まりって感じで
A1:そうそうそう・・・。
N:あのまあ、ここ、一畑電車の出雲大社前駅っていう、あの、駅舎なんですね。で、結構全部が映ると、結構古い建物で、うん、ステンドグラスとかも入っていて、ちょっとモダンな、でも、ローカルな駅舎の前のまあ、これ、みっしーさん言ってくれたんですけど、松の木です。枝ぶりからも分かっていただけるように、はい、で、これえぐれているのって、戦時中に、ええ、松根油って、松の油を採って、飛行機飛ばす燃料代わりにしようって、した時の傷の跡なんです。
A1:はあはあはあ、ふ~~~ん。人工で、傷つけられたものってことなのね。
N:そうなんです。で、これを聞かれて、何か今まで皆さんが、話しをしてくださっていたこととも、何かリンクさせながら考えられたり、新たにみえてきたりすることってないですか?
N:はい、みっしーさん。
A2:えっと、松と、駅舎は分からないんですけど、松はずっと前からあって、その、人々が行き交うところをずっとみてきたっていうのは分かりました。だから、人が駅から右に行ったり左に行ったり、色んな所にこう、えっと、旅立つって言うか、移動していったのを、この松の木ほうがずっと見てたんだなっていうのは、今の話でちょっと想像しました。
N:ありがとうございます。何か、こう、人の往来も見守ってきたみたいな、
A2:うん
N:そういう印象を受けるってことでしょうか。ちなみに、大社さんはこっちにあります。
A1:う、ふふ~~~ん。
N:女性の方が向かっているほうに大社さんはあります。他に?
N:はい、なつめっちさん。
A1:はい。その、松根油、を、採取した松というお話を伺ったあとにもう一度この写真をみて思ったことは「松、たくましいな。」って、思いました。
N:たくましさをもうちょっと、こう、なんか・・・。
A1:影からはかるに、根っこの方で削られたにかかわらず、大切な樹液を採られたにもかかわらず、それからずっとすくすくと伸びて、今は大きく枝を張っている様子が、影からうかがえるので、すごい頑張ったなあ、たくましいなあ、って思いました。
N:なるほど。生命力、みたいな・・・。
A1:うん。
N:木の力強さのようなものを
A1:うん、はい。
N:傷があってもなお、って、ところで、感じていただけたのかなって思います。はい、ほかにいかがでしょう?
N:はらさ~~ん、いかがでしょうか?
A4:あの、聞こえますでしょうか?
N:は~~い。
A4:先ほどは、たくましいなあという意見があったんですけど、自分はちょっと違って、なんかちょっと可愛らしいって言うか、愛おしいと言うか、いじらしいと言うか、撮影者の方に向けて、この傷が向いているので、駅や出雲大社の方には多分これ、行き交っている着物の女性や、男性らには見えないんだろうなって思うと、見えないように隠れて立っていると言うか、裏側に回るとみえるんだけど、そこ、行き交う人には見てもらえない傷って言うか、そんな感じがして、べつにこれ木が付けた傷、木が方向転換したわけじゃないんですけど、何となくそういう風にみえて、ちょっといじらしいなって言うか、あの、抱きしめてあげたい、感じがしますね。はい。
N:あの、すごいことに気が付いてくれてるって言うか、実はこれ、全部参道の裏側、人からは見えない、ここ、ずっと松並木なんですよ、
A:ほうほうほう
N:街道なんですよ。大社街道って言うか、大社さんの参拝道なので、で、参拝する人からは見えない方だけえぐれてるんですよ。で、これ1本だけじゃなくて、ず~~~っとこう松があるんですけど、両側に、全部、採られた跡がある訳なんです。はい。などという情報も聞きながら、こう、この写真の中にこの木が収まっていることとを兼ね合わせて考えてもらえるといいかなっと思ってるんですけど、どうですか?
A3:はい。いいですか?
N:はい、ちょなんさん。
A3:そうですね。ぼく今、この木と人をちょっと結び付けて考えてたんですけど
N:はい。
A3:あ、何だろうな、人間も、誰しも何か古傷であったりとか、心の傷みたいなのって隠してるというか、触れないようにしたりとか、とくに初対面の、こうやってコミュニケーション取ってても見せないじゃないですか。
N:はい。
A3:体の傷もみせないじゃないですか?一人一人そういう傷をもって生きていたりとか、ていう、なんか、まあ、外面と内面であったりとか、っていうところを一人一人持っているのかなっていう、あの木と同じく人間もって、て言うような、風には、ちょっとみえました。
N:なるほど、ここに写っている3人の人間の中にも、何か・・・。
A3:何か、傷が・・・。
N:この木と同じような・・・。
A3:傷があるのかも知れない。
N:そうですね・・・。あの、神頼みに、出かけるのも・・・。
A:くすくす、あはは、神頼み・・・。笑いが起きる
N:はい。ほか、いかがでしょう?
A5:じゃあ、いいですか?
N:はい。まっつんさん。
A5:え~~と、いま、その、カスガさんの話聞いて、その、油採るためにえぐれた部分て言うのが、人の見えない方向で、これ1本だけじゃなくて、他の木もみんなこうなっているんだよってお話を聞いて、やっぱりその、何て言うんですかね、あの、そういうやっぱり自然の物も人に対してすごくなんか貢献してるところというのがすごくあって、人そのものもあのこういったものを倒すんじゃなくて、周りの物が全て人工物の中で、自然を大切にしてるってところも、ちょっと感じるので、なんかあの、自然と人との共存じゃないけど、やっぱりお互いそうやって助け合わないと、あの、人って自然が無いと生きていけないんだよ。みたいなそういうなんか、人と自然との共存みたいな意味みたいなものを感じました。うん。
N:ま、傷ついてもなお、ここにこう、あり続けるように、まあ、人がきっと、ここに、根の周りとか見てもらっても分かるんですけど、あの、残していこうというのとかは、まっつんさんからの言葉からもうかがえるのかなっていう風に私も思います。ありがとうございます。ほかにいかがでしょう。ラスト5分になってま~~す。
A1:うふふ。(なつめっちさんは進行役なので、5分前のフリップを画面共有してくれた。)
N:いかがでしょう?はい、みっしーさん。
A2:えっと、色々な話、皆さんの話を聞いていて、私は、えっと、原さんが、痛い傷があるのをこちらにみせていて、抱きしめてあげたい愛おしさっていうのに、来るものがあって、なんかもう、松が人に見えるんですね。やっぱり、うん、傷を持った人っていうのはちょなんさんもおっしゃってたかと思うんですけど、なんかその傷にたいして、この写真を撮った方は向き合って、愛おしさを感じてるんだなって、いうのが、なんか、回り回って、木が気になってたのが、きっとそれだったんだって、ただの珍しい木だから撮りたい、っていうより、もう少し感情移入があったんじゃないかなって、ちょっと思いました。
N:なるほど、この木にあの、撮影者も愛おしさを感じているような、そんな思いがみっしーさんにも伝わって来てるのかなって、はい、思いました。ありがとうございます。
N:たかはしさん、いかがですか?発言なさってないですけど・・・。
A6:はい、えっと、ずっと、皆さんの意見を聞いて考えていたんですけど、なんでこの瞬間をこの撮影した人は撮ったんだろうなっていうのがずっと気になってて、木の存在が気になってたのが、えっと、傷の話を聞いて、皆さんの話を聞いて、えっと、この木を主役として撮影したんだなと言うところと含めて、この3人の人が来るタイミングを、まあ、この人たちをわざわざ仕込んだわけではないと思うんですけど、こういうタイミングで人が木を挟んで左右に分かれて各々の方向に行く姿も併せて、プラス、駅の名前も絶対入れたい、しかも右側も左側もって思ってる、すごく、ブレッソンの撮影を思い出すっていうか、ものすごくこの瞬間を待ちに待って、撮影された作品なんだろうなって、考えてました。
N:ありがとうございます。あの、この一瞬を撮るために、ここで多分、長い時間カメラを構えて待ってたんだろうなって、いう思いが、伝わってくる、まあ、ある意味ちゃんと、こう、作意して、ねらう瞬間みたいなものも感じられるような・・・
A6:はい。
N:その一瞬がこう、切り取られている、風に感じていただけたのかな、と、はい。いいですかね?
A6:うなずく
N:さあ、そろそろラスト、お時間になるのかなあって思いますけど、最後に言っときたい人、いかがでしょう?
A3:はい。
N:じゃあ、ちょなんさん。
A3:そうですね。松根油って言いましたっけ?
N:はい。
A3:飛行機の燃料だったりとか?
N:そうです。
A3:そういう、何だろうな、ま、自然環境っていうのをそもそも、なんだろうなあ、搾取しながらっていうか、エネルギーであったりとか、燃料に変えながら、そういう人間って、移動であったりとか、経済活動をしてるんですけど、ていう中で、駅となんか行きかう人、っていうのは、そもそもなんか電車の移動でここへ来たりって、すでに何かしらの燃料を使っていたりって中で、まあ、自然だったりとか、多少なりとも搾取しながら、なんか経済活動でお世話になっていると思うんですけど・・・。
★リコーダーの音が聞こえてくる(なつめっちさんのお嬢さんが吹くリコーダーの音)
A:微笑ましい、苦笑
A3:そうですね、というような、自然をちょっとまあ、搾取しながらも、何か人間としての営み、っていうものをしているってところで、木と駅を写して、人間を写して、移動している人間を写す、ってところで、そういった自然と人間との関係を表現しているのかなあ、って思ったところですね。
N:はい。ありがとうございます。え、お時間になりました。えっと、この作品を撮ったのは、出雲市の在住の写真家で高嶋政展さんと言う方で、これはシリーズの中の、あの1作品で、出雲の街の中、山陰ってあんまり戦争の被害、戦禍にあってないんですけど、それでも戦争の傷跡はそこかしこにあるんですけど、だんだん風化してきているので、後世に伝えたいってことで、そういう戦争の跡を写真に撮って回って、で、写真展を開いているんです。
で、あの、傷つけられて松根油で飛行機飛ばそうって目論んだ日本軍なんですけど、結局飛行機は飛ばせず、え~~、敗戦に至るという、そういう現実があった、ということを最後に皆さんにお伝えして終わりにしたいと思います。



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