ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

光中での実践から、生徒の感想をお届けします

2014-06-29 10:52:27 | 対話型鑑賞
前回に続いて、光中の生徒の感想をお届けします。

1回目の「ひまわり」はまだ対話型鑑賞のスタイルを取ってはいません。今回が初めての対話型鑑賞になります。生徒は違和感なく学習活動に臨みましたが、今まで体験したことのない鑑賞スタイルに戸惑いながらも、好奇心?興味?かなり楽しみながら参加していた様子が感想からうかがえます。全員分とまではいきませんが、心に留まったもので、私を勇気づけてくれるものをお届けします。でも、この授業を否定的にとらえた生徒は一人もいなかったので次回に向けて、私もとても楽しみです。次回は山下裕二先生ご推薦の雪舟の「慧可断臂図」です。

生徒の感想から・・・

今日の授業では、自分の中で絵を細かくみなければいけないというレベルが上がっていた様に思った。あの椅子の絵ではみんなが共通に思っている所も多くあったけれど、逆に真逆の発想をしている人もいておもしろかった。みんなの中でのそれぞれのイメージがあって、いっぱい想像していて、それをきくのは楽しかった。次の時間も楽しみ♪(女子)

今日の鑑賞は、1つの絵から考えてみて、想像がたくさんふくらんでおもしろいなと思った。みんな同じ絵を見ているのに、目をつける場所がみんな違って、目をつける場所が違うことでいすの使用者がお年寄りだと言う人もいれば、子供ではないかと言う人もいて自分の考えも広がって楽しかった。(男子)

今日の美術は皆の色々な見方、考え方を見聞きして、なるほどなーと感心したりしました。最初タイルを見て思ったのは、こういうタイルの台所だったりするのかなと思ってましたが、これは外なんじゃないか、などの意見をきいて、言われてみればそれもそうだなと、色んな考えが一気にわいてきました。イスの上の物をタバコだとしてみたら、たしかにそういう風にみえてくる。どんな人物が座っているのか想像もどんどんわいてくる。絵の鑑賞、割とおもしろいなあと思いました。(男子)

今日の授業は1回目に比べて自分的には少し難しい鑑賞だと思いました。でも、友だちの意見などを聞いて色々な視点で見ることができました。あと1つの絵を見ただけでその絵の中に描いてある物などから、その絵に描かれていない国名や人物、仕事までもが分かる(想像できる)のはすごいと思いました。前回よりも今回は発表できず、心残りにはなりましたが、次回は自分の思ったことをしっかりとみんなに伝えたいと思いました。(男子)

今日の授業で絵から何かを予想して、みんなで意見を出しあうのはとても楽しいことだなあと思いました。みんなで意見を出し合えば出し合うほど作者の人がどのようなことを思ってこの絵を描いたのかがとても気になりました。(女子)

今回の絵はこないだのひまわりよりも考えるのが難しかったです。こないだよりも考えなくちゃいけなかったのでかなり大変でした。でも、もっと絵も考えるだけおもしろく見えるんだなと思いました。(男子)

子どもって、いろんなことに好奇心を持って前向きに生きる生き物だと改めて思います。その好奇心や前向きな気持ちを失わせない教育を行うのは我々教師の使命だと思います。ひとりの教師の力は微力ですが、微力だからとあきらめず、地道に活動すること。できれば志を一にする者を募り、研鑽に励むこと。それが「先生」と呼んでもらえる条件ではないかと考えますが、みなさんいかがですか?
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光中の実践の生徒の感想をお届けします

2014-06-25 22:26:41 | 対話型鑑賞
光中の実践の生徒の感想をお届けします


画像で以前にお知らせしましたが、生徒の作品の読み取りや感想が届きましたので紹介したいと思います。

生徒の振り返り(この振り返りは「みるみるの会」会員が各校で実践する際にも共有している仕様です。)

A)しっかり絵をみることができた               ④14名 ③3名 ②0名 ①0名
B)絵をみてしっかり考えることができた            ④13名 ③2名 ②1名
C)自分の意見を言うことができた               ④8名  ③3名 ②4名 ①2名
D)友達の意見をしっかり聴くことができた           ④14名 ③2名 ②1名 ①0名
E)友だちの意見を聴いて、自分の考えをより深めることができた ④14名 ③3名 ②0名 ①0名
F)このような鑑賞をまたやりたい               ④15名 ③2名 ②0名 ①0名 

アンケートについては以上の結果でした。このアンケート質問紙は日本文教出版から出版した「みる・考える・話す・聴く」冊子の四つの行為とリンクした質問にしています。みるみるの会オリジナルです。昨年度山口で開催された全国造形教育研究大会周南大会の鑑賞の授業にも採用されていました。山口の先生方とは山口県立美術館が開催したティーチャーズデイのイベントで私たちみるみるの会を招待してくださったことで交流があり、その際に情報交換で示したワークシートを利用してくださったということになります。日文の冊子にも画像で掲載されていると思います。

話が横道にそれましたが、アンケートの結果はおおむね良好と言えます。ほとんどの生徒が最高点の④を付けています。質問(C)について低位の評価を行っているのは「発言」できなかった生徒と思われます。この件については次回の実践で全員の生徒に発言を促すように、こちらが留意したいと考えます。(授業を参観した大学生の意見にもありましたしね。)

では、ゴッホの「椅子」を生徒たちがどう読み取ったのかと、授業後の感想を一部ですが紹介します。

読み取り・・・読み取りについては「どこからそう思ったのか」という根拠がどれだけ示されているかを大切にしています。
生徒には「この椅子を使っているのはどんな人だと思うか?みえているものを手がかりに自分の意見を書く」と指示しています。

女子A)
私はこの椅子を使っているのはいなかで農業をして暮らしている優しそうなおじいさんだと思います。理由は外に置いてあるようにみえたのといすです。いすは木でできていて、手づくり感があって、色からしても私にはとてもあたたかみのあるいすに見えたから、優しそうな人だと思ったし、いなかにあると思いました。
それに、いすが足のところのけっこう汚れているように見えるので、農業をして、少しつかれたときにすわるものだと思いました。上においてあるタバコみたいなものもやすんでいるときにつかうと思ったので、イメージとしておしいさんだと思いました。

男子B)
扉の色が青色だし、床もレンガのような感じなので、ここは日本ではなく外国だと思ったので、このいすを使っているのは外国人、いすの上にパイプたばこがあるので、たばこは男性のイメージがあるし、パイプたばこは今はあまり見かけないので昔から使っているたばこだと思った。だからお年寄りの男性が使っていると思う。このいすは店で売っているようなしっかりしたものではなく木の長さなどが不規則なので手作りだと思った。仕事を辞めた外国人のお年寄りの男性が日曜大工みたいな感じで作ったのではないかと思った。

女子C)
かべとかドアとかは汚いし、ゆかもレンガなのでここは仕事場かなあと思いました。イスの上にたばこが置いてあるのでこの人はおじいさんだと思いました。そして、イスが古く手作りっぽいので、そのおじいさんが初めて自分で作ったイスで、今でも大切に使っているのかなと思いました。このおじいさんはこのイスと一緒に成長してきたんじゃないのかなと思いました。それで、おじいさんは木でいろいろな物を作る仕事をしているんじゃないかなと思いました。なので、うしろの箱に入っているのは材料や道具じゃないかなと思いました。

感想もUPしようと思いましたが、今朝は朝早くから日本代表を応援したので、目が限界です。明日に回します。

乞うご期待!!
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日本の中のはまだの美術展に併せての対話型鑑賞会2回目の実践を行いました

2014-06-24 21:05:48 | 対話型鑑賞
日本の中のはまだの美術展に併せての対話型鑑賞会2回目の実践を行いました


6月21日に浜田市世界こども美術館で開催中の「日本の中のはまだの美術」展に併せて2回目の対話型鑑賞会を開催しました。
ナビは上坂会員です。詳細なレポートは届き次第UPします。まずは当日の様子を画像でご覧ください。

今回はリピーターに加え、多くの一般来館者が参加してくださいました。「対話型鑑賞」の普及に一役買える絶好のチャンスでした。初参加の方々の印象も上坂会員が報告してくれると思いますので、楽しみにお待ちください。

作品は伊藤素軒の鯉を描いた作品2作と鶏を描いた1作の計3作のシークエンスとなりました。画像に2作品目が登場しない(撮影者が会の進行に気を取られて撮影を忘れていました。)ことをお詫びします。

では、画像をどうぞお楽しみください。
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日本の中のはまだの美術展に併せての対話型鑑賞会2回目の実践を行いました

2014-06-24 20:53:44 | 対話型鑑賞
日本の中のはまだの美術展に併せての対話型鑑賞会2回目の実践を行いました


ナビゲーターは上坂会員です。

今回はリピーターよりも初参加の一般来館者が多くて、私たちにとっては「対話型鑑賞」の普及に貢献できる絶好の機会でした。詳細は上坂会員から届くと思いますので、一足先にその時の様子を画像でお伝えします。
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みるみる会員の房野さんが素敵なワークショップに出かけてきました

2014-06-09 19:35:36 | 対話型鑑賞
みるみる会員の房野さんが素敵なワークショップに出かけてきました


みるみるの房野です。
島根県益田市にある「草花舎」というカフェギャラリーであった、作家さんのワークショップに行ってきました。

作家さんは<戸川幸一郎>氏。
広島在住のアーティストで、草花舎で大人から子どもまで楽しめるワークショップがあるというので、5月の連休と今日、行ってきました。

いただいたDMの写真が何とも魅力的なのです。
「興味のある方にどうぞ」とDMのうさちゃんのはがきを10枚くらいいただいたので、うちの学校の美術室前の展示コーナーに置いておいたら、中学生に大人気で、すぐになくなっちゃいました!なんと、告知のために私がメッセージを書いて飾っていた分まで!養護の先生も一枚ゲットして、保健室に飾っておられました。
中学生曰く、「かわいいけど、ちょっと怖くて、○○ちゃん(本校3年のSさん)に似てて、う~ん、何とも言えない~」だそうです。

戸川氏本人も、とっても気さくな方で、いろんな子どもたちに関わってこられたお話をしてくだり、作品同様、チャーミングな方でした。

草花舎は昔からお世話になっている私の大好きなカフェギャラリーで、そこに、たくさんの戸川氏の作品が飾られていました。(詳しくは戸川さんのHPを見てね!)

さて、ワークショップでは、クレヨンと魔法の粉を使ったスクラッチ・・・なんですが、とても簡単、かつ深いモノもできそうな、いろんな可能性を感じるものでした。
戸川氏は子どもが作ったあと、その作品を元に本人に詩を書かせるのだそうです。
なるほど、中学生もやっているうちにハマって、ポエムも浮かんできそう。
戸川氏の作品は「さすが!」でどれもほしくなるものばかりでしたが、写真はその時私が作ったものです。

戸川氏の活動は絵画、版画、立体…と幅広く、ほんわかとした魅力にあふれています。また、小さな子どもから、認知症の高齢者まで制作を通して臨床美術にも携わっておられるとのこと。そんなお話を聞きながら制作(というか、落書き!?)していると、なんだかとても癒されました。

このスクラッチ、授業にも取り入れたいな~と、只今、画策中。
できたら、また、報告したいと思います。
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