須田悦弘氏の作品をみるために益田に向かいました
土曜日は久々のみるみるの会を浜田市世界子ども美術館で開きました。しかし、浜田市美術展の搬入日だったので、いつも使用しているコレクション室が使えないとのこと。そこで、対話型鑑賞は行わず、2011年から始まった我々の活動を振り返るMTGを行おうと集まりました。また、京都造形芸術大学・ACOPと共著している実践資料集も発行に向けて佳境を迎え、ゲラが上がっているということだったので、日文の担当者も交えて、一緒にそちらのMTGも行う予定にしていました。
私は、会員の房野さんのグラントワでの企画展レポートを読んで、須田悦弘氏の作品がとても気になったので、朝イチのJRに乗って、午前中に益田まで行き、企画展を鑑賞し、午後に向けて浜田に移動しようと考え、西出雲駅6:04発の鈍行列車に乗りました。出雲市駅ではなく西出雲駅から乗るのは、駅の真ん前に無料の駐車場があるからです。ここに車を停めておけるので便利です。ただ、特急列車は停まらないので各駅停車の列車に乗り、のんびり移動することになるので時間はかかります。でも、そのおかげで、朝焼けの美しい空をみることができました。画像でUPしているのでみてくださいね。朝焼けも美しかったのですが、白んでいく空に残っている月の白く輝く姿もまた一興でした。中秋の名月のあとの月なので、一層美しかったのかも知れません。
さて、久々の車窓からの日本海もまた美しかったです。朝焼けの空が物語るように、昨日は晴天で、日本海は波もなく穏やかな海原が見渡せました。小田駅から田儀駅に至る間に日本海から島根半島の日御碕方面が一望できるところがあります。そこからみる光景は絶景です。この日は空気も澄んでいて、珍しく、靄もかからず、島根半島までくっきりと見渡すことができました。大田のあたりからだと角度がよいと日御碕灯台がみえる場所もあります。そんな時はとっても得した気分になります。車を運転していてはみられない光景なので列車の旅もまたよいものです。
この夏の豪雨被害でJR山陰線は江津から浜田までが不通となっており、バスの代替輸送が行われています。江津駅からバスに乗り換えて浜田まで向かい、浜田からまたJRに乗って益田まで移動するという道中となりました。土曜日の朝でしたが、制服姿の高校生がたくさん乗っていたので、赤字路線かも知れませんが、生活路線でもあるので、早く復旧するといいと思います。しかし、同じ豪雨被害の益田から先の山口線は復旧の目途も立ってないそうで、ますます過疎化に拍車がかかるのではないかと暗い気持ちにもなりながら、益田駅に到着したのは9:12でした。益田駅からグラントワまでは道路沿いに歩道も整備されているので歩いて15分くらいでしょうか?お日様をもろに正面に受け、日焼けをちょっと気にしながらの散歩でしたが、9:30開館に合わせるように到着しました。
グラントワは朝からにぎわっていました。中庭には浅い水場がありますが、その周りを保育園児が元気に走り回っていました。美術館は10:00開館なので中庭で走り回る園児を眺めながらしばしの休息を取り、展示会場に向かいました。この美術館の学芸員の廣田さんはみるみるの会員です。この日は企画展イベントで益田市周辺にある巨木を見て回るツアーに出かけるということで、スポーツシューズを履き、軽快な出で立ちで私を迎えてくれました。ツアー参加者に企画展の作品を2点ほど紹介するのを私も一緒に聞きましたが、「へえ~~~。」と納得することしきり・・・。やっぱり学芸員さんの知識は半端ないですね。プチうんちくをGETしました(笑)。
企画展の作品は日本人の身近ある「草木」にまつわる作品が展示されています。古来より自然とともある日本人ならではのまなざしがそこにはあるように思います。夏に若冲展をみたときにも感じた想いがよみがえります。廣田さんが「昔の人は、木には神が宿ると思われ、木そのものを神としてあがめたと言われます。また、それに対して人は草として扱われました。」と話されましたが、まさに人は「民草」とも表現されるので、人は「草」で、強い「木」に守られるように、弱くはかない「草」のような存在であるということを、改めて思い知らなければならないのではないかと思いました。
「人」が自然に対する畏れを忘れ、思うがままに自然をコントロールできると傲慢になってきている現代に自然(神)からの大いなる警鐘として東北大震災はあったのではないかとも感じられます。被害にあった東北の方々には申し訳ないですが、この震災を通して、自然の情け容赦ない破壊力に我々日本人は今一度、畏怖の念を呼び起こさなければならないのではないでしょうか?その前には、人智は足元にも及ばず、科学の粋を集めたと思われていた施設さえ、完膚なきまでに破壊され、その力の前に「草」のようにか弱く佇むしかない「人」の群れ・・・。私たちは今、本当に大切なものは何か。本当に大切にしていかなければならないものは何のかを立ち止まって考えなければならないのではないかと思うのですが、日本の政治を司っている人たちにその思いはあるのでしょうか?
2020年に東京オリンピックの開催が決定し、久々に明るい話題が日本国中に流れました。とてもうれしいことです。その際に、首相が、原発問題を解決すると、世界に向けて発信したのは、オリンピック招致運動が生んだ大きな副産物だと思っています。どうか、この問題をあいまいに進めず、世界に向けて責任を持って対応してほしいと、切に願います。福島の方々を始め、東北の皆さんが、一日も早く、安寧な日々を迎えられるようにと思います。この夏、福島に出かけ、そこに暮らす方々の温かさに触れることでこの思いは一層強くなりました。
今回のグラントワに企画展は、自然豊かで四季の移り変わりの中に身を置き、暮らしてきた日本人として、今後の日本の有り様を今一度考えさせてくれました。
企画展示室の最後に、須田悦弘氏の彫刻作品が展示されていますが、この作品にも、日本人の感性が表出されていると思います。このか弱き存在にすらも「美」を見出すことのできる日本人の感性を失ってはならないし、これからを生きる子どもたちにも、我々大人は伝えていかなければならないと考えました。
このような豊かな朝を過ごした私は、益田在住の房野さんの車に同乗させていただき、午後の浜田でのMTGに向かいました。MTGの中心は日文さんからの実践集の発行に向けての最終確認でした。この詳細については、またお伝えしたいと思います。また、この時に、10月以降のみるみるの活動についても確認をしたのでお知らせします。興味を持ち、ご都合がつきましたら、浜田市世界子ども美術館や石見美術館にお越しください。お待ちしています!!
みるみるの今後の活動
10月26日(土)10:30~ 浜田市世界子ども美術館 企画展示室 ロビー集合
11月16日(土)14:00~ 浜田市世界子ども美術館 場所未定 ロビー集合
12月21日(土)14:00~ 浜田市世界子ども美術館 場所未定 ロビー集合
1月18日(土)14:00~ 浜田市世界子ども美術館 場所未定 ロビー集合
2月以降は、石見美術館で「みるみるとみてみる?展」(仮称)がコレクション室で開催予定のため以下の予定
2月 9日(日)14:00~ 石見美術館 コレクション室
2月15日(土)14:00~ 石見美術館 コレクション室
2月22日(土)14:00~ 石見美術館 コレクション室
3月 1日(土)14:00~ 石見美術館 コレクション室
3月 8日(土)14:00~ 石見美術館 コレクション室
3月15日(土)14:00~ 石見美術館 コレクション室
土曜日は久々のみるみるの会を浜田市世界子ども美術館で開きました。しかし、浜田市美術展の搬入日だったので、いつも使用しているコレクション室が使えないとのこと。そこで、対話型鑑賞は行わず、2011年から始まった我々の活動を振り返るMTGを行おうと集まりました。また、京都造形芸術大学・ACOPと共著している実践資料集も発行に向けて佳境を迎え、ゲラが上がっているということだったので、日文の担当者も交えて、一緒にそちらのMTGも行う予定にしていました。
私は、会員の房野さんのグラントワでの企画展レポートを読んで、須田悦弘氏の作品がとても気になったので、朝イチのJRに乗って、午前中に益田まで行き、企画展を鑑賞し、午後に向けて浜田に移動しようと考え、西出雲駅6:04発の鈍行列車に乗りました。出雲市駅ではなく西出雲駅から乗るのは、駅の真ん前に無料の駐車場があるからです。ここに車を停めておけるので便利です。ただ、特急列車は停まらないので各駅停車の列車に乗り、のんびり移動することになるので時間はかかります。でも、そのおかげで、朝焼けの美しい空をみることができました。画像でUPしているのでみてくださいね。朝焼けも美しかったのですが、白んでいく空に残っている月の白く輝く姿もまた一興でした。中秋の名月のあとの月なので、一層美しかったのかも知れません。
さて、久々の車窓からの日本海もまた美しかったです。朝焼けの空が物語るように、昨日は晴天で、日本海は波もなく穏やかな海原が見渡せました。小田駅から田儀駅に至る間に日本海から島根半島の日御碕方面が一望できるところがあります。そこからみる光景は絶景です。この日は空気も澄んでいて、珍しく、靄もかからず、島根半島までくっきりと見渡すことができました。大田のあたりからだと角度がよいと日御碕灯台がみえる場所もあります。そんな時はとっても得した気分になります。車を運転していてはみられない光景なので列車の旅もまたよいものです。
この夏の豪雨被害でJR山陰線は江津から浜田までが不通となっており、バスの代替輸送が行われています。江津駅からバスに乗り換えて浜田まで向かい、浜田からまたJRに乗って益田まで移動するという道中となりました。土曜日の朝でしたが、制服姿の高校生がたくさん乗っていたので、赤字路線かも知れませんが、生活路線でもあるので、早く復旧するといいと思います。しかし、同じ豪雨被害の益田から先の山口線は復旧の目途も立ってないそうで、ますます過疎化に拍車がかかるのではないかと暗い気持ちにもなりながら、益田駅に到着したのは9:12でした。益田駅からグラントワまでは道路沿いに歩道も整備されているので歩いて15分くらいでしょうか?お日様をもろに正面に受け、日焼けをちょっと気にしながらの散歩でしたが、9:30開館に合わせるように到着しました。
グラントワは朝からにぎわっていました。中庭には浅い水場がありますが、その周りを保育園児が元気に走り回っていました。美術館は10:00開館なので中庭で走り回る園児を眺めながらしばしの休息を取り、展示会場に向かいました。この美術館の学芸員の廣田さんはみるみるの会員です。この日は企画展イベントで益田市周辺にある巨木を見て回るツアーに出かけるということで、スポーツシューズを履き、軽快な出で立ちで私を迎えてくれました。ツアー参加者に企画展の作品を2点ほど紹介するのを私も一緒に聞きましたが、「へえ~~~。」と納得することしきり・・・。やっぱり学芸員さんの知識は半端ないですね。プチうんちくをGETしました(笑)。
企画展の作品は日本人の身近ある「草木」にまつわる作品が展示されています。古来より自然とともある日本人ならではのまなざしがそこにはあるように思います。夏に若冲展をみたときにも感じた想いがよみがえります。廣田さんが「昔の人は、木には神が宿ると思われ、木そのものを神としてあがめたと言われます。また、それに対して人は草として扱われました。」と話されましたが、まさに人は「民草」とも表現されるので、人は「草」で、強い「木」に守られるように、弱くはかない「草」のような存在であるということを、改めて思い知らなければならないのではないかと思いました。
「人」が自然に対する畏れを忘れ、思うがままに自然をコントロールできると傲慢になってきている現代に自然(神)からの大いなる警鐘として東北大震災はあったのではないかとも感じられます。被害にあった東北の方々には申し訳ないですが、この震災を通して、自然の情け容赦ない破壊力に我々日本人は今一度、畏怖の念を呼び起こさなければならないのではないでしょうか?その前には、人智は足元にも及ばず、科学の粋を集めたと思われていた施設さえ、完膚なきまでに破壊され、その力の前に「草」のようにか弱く佇むしかない「人」の群れ・・・。私たちは今、本当に大切なものは何か。本当に大切にしていかなければならないものは何のかを立ち止まって考えなければならないのではないかと思うのですが、日本の政治を司っている人たちにその思いはあるのでしょうか?
2020年に東京オリンピックの開催が決定し、久々に明るい話題が日本国中に流れました。とてもうれしいことです。その際に、首相が、原発問題を解決すると、世界に向けて発信したのは、オリンピック招致運動が生んだ大きな副産物だと思っています。どうか、この問題をあいまいに進めず、世界に向けて責任を持って対応してほしいと、切に願います。福島の方々を始め、東北の皆さんが、一日も早く、安寧な日々を迎えられるようにと思います。この夏、福島に出かけ、そこに暮らす方々の温かさに触れることでこの思いは一層強くなりました。
今回のグラントワに企画展は、自然豊かで四季の移り変わりの中に身を置き、暮らしてきた日本人として、今後の日本の有り様を今一度考えさせてくれました。
企画展示室の最後に、須田悦弘氏の彫刻作品が展示されていますが、この作品にも、日本人の感性が表出されていると思います。このか弱き存在にすらも「美」を見出すことのできる日本人の感性を失ってはならないし、これからを生きる子どもたちにも、我々大人は伝えていかなければならないと考えました。
このような豊かな朝を過ごした私は、益田在住の房野さんの車に同乗させていただき、午後の浜田でのMTGに向かいました。MTGの中心は日文さんからの実践集の発行に向けての最終確認でした。この詳細については、またお伝えしたいと思います。また、この時に、10月以降のみるみるの活動についても確認をしたのでお知らせします。興味を持ち、ご都合がつきましたら、浜田市世界子ども美術館や石見美術館にお越しください。お待ちしています!!
みるみるの今後の活動
10月26日(土)10:30~ 浜田市世界子ども美術館 企画展示室 ロビー集合
11月16日(土)14:00~ 浜田市世界子ども美術館 場所未定 ロビー集合
12月21日(土)14:00~ 浜田市世界子ども美術館 場所未定 ロビー集合
1月18日(土)14:00~ 浜田市世界子ども美術館 場所未定 ロビー集合
2月以降は、石見美術館で「みるみるとみてみる?展」(仮称)がコレクション室で開催予定のため以下の予定
2月 9日(日)14:00~ 石見美術館 コレクション室
2月15日(土)14:00~ 石見美術館 コレクション室
2月22日(土)14:00~ 石見美術館 コレクション室
3月 1日(土)14:00~ 石見美術館 コレクション室
3月 8日(土)14:00~ 石見美術館 コレクション室
3月15日(土)14:00~ 石見美術館 コレクション室