ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

下関市立美術館のWSに参加してきました!!

2016-03-21 17:52:21 | 対話型鑑賞


3月19日(土)下関市立美術館 10:00~13:00
参加者 春日美由紀 上坂 美礼
下関商業高校の宮崎先生たちが立ち上げた「むくの木の会」と京都造形芸術大学のアートリンクセンターのタイアップで中高校生のための対話型鑑賞会が開催されました。日頃からみるみるの会でお世話になっているACOP研究センターの北野さんが講師を務めるというお知らせをいただいたので、山口在住の上坂会員と出かけました。
私は下関の地に降り立つのは初めてです。いつも九州に向かう通過地点でしかなかったので、ちょっとドキドキしました。しかも下関市立美術館も初入館です。収蔵品展のネーミングが「高校三年生に贈る、知っておきたい下関の美術」ということで、郷土愛満載の展示だと思うと、下関の中高校生が作品に対してどんな思いを抱くのかも興味津々でした。先月香月泰男美術館を訪れたばかりだったので、香月の作品に出会えるのも楽しみでした。
会は、北野さんのレクチャーで幕を開けました。中高校生が退屈しないような配慮が満載の参加型のレクチャーでした。
ジェーン・グドール氏とチンパンジーの画像で「みる・考える・話す・聴く」の簡単なレッスンを終えた後、展覧会場へ赴き、自分の一押しの作品を選ぶという課題が出されました。ワークシートと鉛筆を持って全員で会場に移動。参加者は自分の一押しの作品のどこがお薦めなのかをメモしておき、後でグループごとにプレゼンできるようにと指示が出されました。
展覧会場の作品群は加納芳崖の日本画から始まり、山口ゆかりの香月作品、そして香月を支えた河村氏のコレクションでは岸田劉生、梅原隆三郎、藤田嗣治などの著名な作家の作品も並んでおり、そうそうたる顔ぶれだと感じました。また、山口出身の桂ゆき氏の現代アートや植木茂の彫刻も並びバリエーションも豊富でした。なかでも圧巻だったのが堀晃氏の「海の話」ではないでしょうか?中高校生にも人気だったようでたくさんの人が作品の前に集まっていました。一押し作品を選定する時間は約20分。展示室には時計がないので、大人たちが残り時間を告げて回りました。私もとりあえず一押しを決めておこうと思い、堀晃氏の隣にある堀研氏の「風の中を行く」を選んでおきました。岸田劉生の「村娘之図」も捨てがたい魅力がありました。
研修室に戻って10グループが編成されました。グループ入りを拒まなかったので4グループになりました。中学生2名、高校生2名と私の5人のグループでした。初対面同士なので4名の中高校生に緊張が見られたので、本当は密やかにしておこうかと思いましたが、まあ、話し合いがスムーズに始められるまでと思い、仕切りました。私の隣から時計回りに一押し作品を紹介していきました。最初の女子中学生は和田英作の「霞ケ浦の落日」でした。湖面に映る夕日の美しさに惹かれたと話しました。次の中学生は桂ゆきの「ハートブレイク」でした。赤い布で様々なものがクッションのように形成され、全体がハートの形を成すように配置されている作品でかなりインパクトのあるものでした。そこが気に入ったようでした。次の高校生は香月泰男の「雪庭」でした。抽象に近い作品でタイトルを見ても雪庭に見えないところに惹かれたそうです。そして最後の高校生は堀晃の「海の話」でした。骨の魚が泳いでいるところや泡が画面の中央に横に規則正しく並んでいるところが不思議な感じがしたそうです。そして、最後に私の番です。岸田劉生の「村娘之図」の娘の眼光に惹かれたことを話し、もうひとつは堀研の「風の中を行く」だと言いました。金色の画面に圧倒されるけど、絵の中ほどに手があることに気づき、少し下がってみるとたくさんの人が描かれていること、砂漠のような砂嵐の中を人々が行き交っている姿が浮かび上がってみえたことを話しました。一通りの発表が終わったので、いろいろと質問したり、感じたことを話し合うようにしました。お互いに選んだ作品の紹介の言葉の中に自分が気付かなかったことがかなりあって、みんな驚いていて、紹介された作品がもう一度みたいという気持ちになったようです。その中でも特にもう一度みんなで見たい作品を選んで、どうしてその作品を選んだのかを全体の前で発表することになりました。中高校生が私の紹介した作品をもう一度見たいといいました。「海の話」のインパクトが強くて、隣にある「風の中を行く」をよくみていない。何が描かれているのかよくわからなかった。という意見があったので、もう一度みる作品に選びました。この作品を選んだ理由は、私ではなく、別の人に発表してもらいたいと思い、誰かいないか尋ねたところ、高校生の一人が名乗り出てくれたのでお願いしました。
10グループのもう一度みてみたい一押し作品の発表会が始まりました。イチバンがプレッシャーなくていいよ!と励まして、うちのグループが先頭切って発表しました。同じ作品が多数のグループに選ばれるのではないかと思っていましたが、意外とばらけて、発表者の発言に「へえ~~~。」「そうなの???」といった感想とも感嘆とも言えない声があちこちで湧き、中高校生でこの鑑賞法に経験がほとんどないにも関わらず、よくみていることが分かり、かなり驚きました!!でもやっぱり美術部ならではかも???
その後各グループごとに選んだ作品をもう一度みんなでみにいきました。これが美術館ならではのいいところです!!そこでは作品の前で多くの対話が交わされていました。また、選んだ一つの作品だけでなく、グループ内の仲間の選んだ作品もみておこうという自発的な動きもみられました。仲間と情報を共有するからこそ、作品に対する興味や好奇心が湧くのだと思います。それが今回のイチバン!!だったように思います。
10時から始まったこの企画は途中休憩らしい休憩も取らず1時まで続きました。中高校生はさぞかしお腹が空いたのではないかと思いますが、不満の声もなく、最後まで前向きにしっかりと鑑賞していた姿が素晴らしいと思いました。
みてきた作品のお薦めレポートを真剣に書いている姿にも胸を打たれました。本当に素敵な下関市内の中高校生でした。
その後、参加した先生、美術館関係者との振り返りがありましたが、そちらについては、長くなるので、割愛します。同じく参加した上坂さんからの報告を待ちたいと思います。(春日美由紀)
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みるみるとじっくり見てみる展最終回の対話型鑑賞会の報告です!!

2016-03-11 21:24:49 | 対話型鑑賞


みるみるとじっくり見てみる?第5回目(最終回)
ナビゲーター:春日美由紀
鑑賞者:一般男性3名(うち2名は益田市小学校教員と山口市小学校教員)
    一般女性1名
みるみるメンバー4名 合計8名
鑑賞作品:ファッションプレート(画像左側の作品)

ファッションプレートが5作品並べて展示してあるうちの右から2作品目を鑑賞した。
作品は中央に女性が5名群像のように配され、周囲には幾何学的な模様が描かれている。女性群の向かって左側には花台に載せられた花瓶に丸い形の花と思われるものと右側には背もたれのあるベンチのような椅子が置かれている。

じっくりと作品を鑑賞した後に、初参加の男性が口火を切られた。
「奥の丸い目玉が男性で、手前の白黒のぎざぎざが牙で、ここにいる女性を狙っている。」という過激な発言で始まった。
それを受けて年配の男性が「赤いドレスの女の人はかなり取り込まれているように思う。」と発言された。
目玉であることや牙が女性を狙っているという発言はやや突飛な感がぬぐえなかったが、否定せず、発言の中にあった「女性たち」について注目してもらうように「女性と思ったのはどこからですか?」とか「女性は何人いますか?」と中央の女性に話題が向くようにした。
また、鑑賞者から「ファッションプレートって何ですか?」という問いがあった。これは鑑賞会の最初にこの企画展の主担当の学芸員が「ファッションプレートの作品です。」と紹介したことに対する疑問であったので、みるみるメンバーで学芸員である廣田さんに説明をしていただいた。その中で「洋服のみならず、ライフスタイルまでも提案するようなものであった。」と話されたのでそのようなことにも気付けたり確認できるとよいと感じながら対話を続けていけるとよいと感じていた。
また、作品の周囲に活字があることに気づかれ、1924、20、作者と思われる方のサイン、特に1924の数字が1924年で大正時代であることを発言された。が、日本の大正時代であっても、この作品が制作されたのは日本ではない、外国であるという発言があったので「どこの国だと思うか?」と質問をした。明確な回答はなかったが、ヨーロッパかアメリカなどの西洋ではないかという意見で皆が納得した。
また、女性の服のデザインが直線的なこと、背景の描かれ方も直線や曲線を多用したものなので「アールデコ」の影響を受けているという発言があった。その時「アールデコって?」という質問があり、鑑賞者に知っている方はいないか確認したが、自信をもって語れる方は学芸員のほかにいなかったので、ナビの方から「アールヌーヴォーの、アールヌーヴォーは自然をテーマに装飾的なデザインをしたのですが、その後を受けて自然を廃し直線や曲線などの幾何学的なデザインを多用したものがアールデコです。」と簡単に説明を行い、理解を促した。
そして、視点が中央の女性群から隣にある花台や椅子に移っていった。この花台や椅子の話題がなかなか出てこなかったので、鑑賞者の興味は中心の女性群とその背後にある目玉のような曲線にしか無いのかと感じていたが、この作品を読み解くには花台やベンチの存在も重要であると考えていた。それは、廣田さんが「ライフスタイルまで提案している」と発言したことにも関係している。私としては、ここはブティックか何かで、このお店の売りの服装をした女性が5人いて、もしかしたらハウスマヌカンかもしれない、そこにはおしゃれな花台やフラワーベース、ベンチもあり、「服だけでなく生活に必要なものまで売っているのではないか。」と言った鑑賞者の発言を求めていた。しかし、ナビが必要以上に解釈を誘導するのは好ましくない。鑑賞者の中から「花を活けている花瓶のようなものが載っている台と椅子?の間の狭いところに女の人たちが立っていて窮屈な気がする。」という発言が出たことはとても重要だった。
花が活けられていると思われるもの、それが載っているものについて確認をし、椅子?と発言したものについて、本当に椅子と思うかと再度訊ねた。「椅子」とみるのか、それは私には一人掛けの椅子ではなく複数人が座れるベンチのようにみえていたので、「一人掛けか?複数人座れるのか?」を確認した。そうすると「一人で座る椅子ではない。」と答えたので、「どこからそう思うのか?」と確認した。「座面が奥に延びているように見えるので、複数人座れると思う。」と答えてくださったので「ベンチのようなタイプですかね?」と問い直したところ「そうですね。ベンチです。」と納得された。
そして、「花台とベンチの間の狭いところにこの女性たちが立っていて窮屈だと言われましたが、そのことについて、何か意見のある方、いらっしゃいませんか?」と、鑑賞者の意見を尊重し、その見解について他者の意見を求めた。そうすると「確かに窮屈な感じがするが、生活する場ではないので、これはこれでよいのではないか。」という発言が出た。「生活する場ではないということは、どういうことですかね?」とさらに質問を重ねた。その時「これが家(自宅)だったら、なんだかくつろげない気がする。よそいきな感じがする。」という発言が出た。(この時、すでに40分を経過していた。このファッションプレート1枚で40分もトークをしているのだ。話は尽きないようだが、そろそろ終わりにしなくては・・・。しかし、自然な形で終末を迎える工夫が大事・・・。ということで)ここで、ナビである私は、ファッションの秘めている進歩性や非日常性とこの発言を繋げて、人々がファッションに対して憧れを抱くのはその提案の斬新さ(進歩性)と日常から脱却したい(非日常)という願望であり、そこに魅力があるのではないかと、鑑賞者の発言を繋いでいくと、そういう解釈が形成できるのではないかと考え、これで締めくくろうと考えた。
そこで「おもしろい意見ですね。ここに表されている世界は日常的ではない。つまり、非日常的である。と、そういうことですかね?それは、つまりファッションそのものではないかと思います。皆さんのご意見をきかせていただいて、ファッションはその時においては、非日常的であると思われるものを衣装やライフスタイルとして提案することで、観るものに感動を与えるものと言うことができるのではないでしょうか。」と締めくくったつもりだったのだが、最後にどうしても発言したい方がいらっしゃって、その最後の発言で終わりを迎えた。

この後の鑑賞会の振り返りでは、小品ながら40分以上のRICHな対話ができたと会員からの評価を受けた。
今回は「みるみるとじっくり見てみる?」展の対話型鑑賞会の最終回で、展示された作品の多くを鑑賞し終わっている状況で、作品選定するのにやや困難を感じていたので、山口から遠路はるばる2度目の参加となった津室さんに選んでいただいた。私にとっても情報が少なく、どんな発言が出るのか予想しにくい難度の高い作品となった。しかし、こういう作品の方がナビを行うときの緊張感が増し、鑑賞者の発言を聴き取ろうとする力が上がるように思う。また、情報や予備知識がない分、常に作品に戻るしかないので、作品をよりよくみようとする姿勢が上がるように思う。ナビが作品をよりみようとすることはすなわち、鑑賞者にもよりみることを促すことにつながると思う。やはり、作品をよくみて、作品から離れ過ぎず、作品に戻りながら対話を重ねていくと作品を深く味わうことができるように思う。
また、鑑賞者の発言をパラフレーズするのがうまいと言ってもらうのだが、これは鑑賞者の発言の一言一言を聴き取るのではなく、大枠、全体で言わんとすることを汲み取ろうとする姿勢で聴いているかということになるのではないかと思う。鑑賞者の発言を「あなたの言いたいことは何?伝えたいと思っていることは何?」という思いで耳を傾けられているかということではないかと思う。その感度をどれだけ上げられるかが、ナビのスキルにつながっていくと思う。しかし、一朝一夕にできるものではないとも思う。やはり経験に勝るものはない・・・。実践あるのみではないか?
しかし、今回の作品は本当に小品であったが、鑑賞者の発言が絶えることがなく、また、素直な発言が多く、気取りのない親和的な雰囲気の中で鑑賞できたことが何より心地よく、RICHな対話が展開できたということに感謝したい。
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小中連携で対話型鑑賞を実践した房野さんからの報告です!!

2016-03-06 22:56:13 | 対話型鑑賞



小学校・中学校の連携授業で、対話型鑑賞をしました。

私、房野は中学校の美術科教諭ですが、同じ校区の小学校との連携事業の一つとして、鑑賞の出前授業を計3回しました。初めて対話型鑑賞をするという生徒が対象でしたので、様々な学齢で実践経験のある春日さんの助言を参考に、徐々に積み上げ、深めていけるような構成にしてみました。

1回目:房野による対話型鑑賞:ゴッホ「ひまわり」を題材に「あなたはどのひまわり?」
これは、春日さんがされていた実践を参考にやってみました。(詳細は以前のブログを見てね!)
 今回授業をさせていただいた6年生36名は、自分の意見を発表することに抵抗がある児童が多いと聞いていたので、始めは4人グループで図版を見ながら自分だと思うひまわりについて、ワークシートに記入してから選んだ理由を発表し合いました。小グループだと、苦手意識のある子も話しやすい雰囲気で気軽に発表ができたようです。ほとんどの児童が「自分の意見が言えた」と感じ「みんなそれぞれ自分に合ったひまわりを選んでいて、なるほどと思ったり、意外な面も知ることができたりして楽しかった。」という感想が多くみられ、手ごたえ、あり!でした。

2回目:ゴッホ「椅子」
房野がナビゲーターをし、一つの作品を見ながらのスタンダードな対話型鑑賞。
 電子黒板に映した作品を見ながら、挙手をして発表。(今回はモチーフが少ないので、色がきれいな電子黒板を使いました。)途切れることなく挙手と発表がありましたが、口をつぐむ子も。けれど、ワークシートにはなかなか鋭い意見もあって、子どもたちが「よく見て」「考えている」ことはわかりました。あとは、「自分の感じたことをみんなでシェアできる」「そこからさらに考えを深める」というスタイルを定着させることが課題です。これは、一朝一夕にはできることではないですが、子どもたちの「楽しい」「もっとやりたい」という気持ちは伝わってきました。きっと、続けることで力は伸びていくことを確信しました!

3回目:草光信成「4人の子ら」
 これまで房野の授業を参観してくださった小学校の先生のうち、お一人がナビゲーター、もうお一人がT2として児童の意見を板書にまとめました。房野はT3として、対話型鑑賞のルールの確認と、前回の「椅子」のワークシートに書かれていた内容について「根拠をもって発見したことを書いている」児童のワークシートを紹介。今回はさらに、「根拠を示しつつ、そこからさらにどう考えたか」について発表したり、ワークシートに書いたりできるように促しました。
ナビをされた先生の感想にもあるように、子どもたちの感想には、鑑賞の楽しさを知った喜びや、今まで意見を言ったり、書いたりすることがほとんどなかった子どもに回を重ねて変容が見られたことが分かり、出前授業をした甲斐があった!と私自身もうれしいです。また、このブログに情報提供を快諾してくださった校長先生、感想を寄稿してくださった小学校の先生にも感謝します。ありがとうございました。

 小学校で、「対話型鑑賞をしたいけど、どうすればいいのかな?」と迷われている方がいらしたら、ぜひ!チャレンジしてみてください。3回できるなら、今回の実践は取り組みやすいと思います!詳しい情報提供も喜んでいたしますよ~!

3回目の授業実践をされた小学校の先生の感想

〇6年生36名の子どもを対象に「4人の子ら」をT3(中学校教諭1名、小学校教諭2名)で対話型鑑賞を行いました。私の授業までに、中学校教諭による授業を受けて、スモールステップで対話型鑑賞に慣れ、鑑賞を楽しむことを知った子どもたちでした。
私の授業では、時間配分がうまくできず、子どもたちの発想を共有し合う時間を持てなかったのがとても残念です。ワークシートに記入された子どもたちの感想は、今までの鑑賞より深まったものがある一方で、私のうまくいかなかったファシリテート(授業進行)のため、そうでないものもありました。
対話型鑑賞を通して、「自分の考えをもてる。自分の考えの根拠も示すことができる。」ように、子どもたちは変容した姿を見せてくれました。みんなの意見を聴くことの楽しさ。自分の意見を伝える楽しさも同時に体験できたと思います。私も、子どもたちの予想もしなかった発言を聴き、改めて子どもたちの発想の豊かさを感じました。また私自身、この授業を通して、子どもたちの多様な価値観を知ることができましたし、子どもたちも楽しかった、またやりたいという感想を書いてくれたので、やってよかったな、と思いました。
ワークシートに書かれたコメントは、本当に内容が豊かだったので、授業中にみんなで共有できなかったこと、自分の進行がうまくできなかったことが、本当に残念でした。
今回、授業の直前に、それまでの授業で記入していたワークシートに中学校教諭からのコメントつきで返却しました。どういう視点で鑑賞したらいいのか、そのコメントを参考にするよう事前の言葉かけもしました。また、授業中は、子どもの発言を内容ごと色分けしながら、T2が板書をすることもやりました。授業の終わりに振り返りをするときに、その板書を参考にする子どももいたことがワークシートからも伺えました。特に、何を書いたらいいのか悩む子どもにとっては、どんな意見が出たかを思い出すことができ、それについて自分の考えを書くことができていました。
今後の私の課題は、時間配分、発問(子どもの発言をつなぐ)など、ファシリテーターとしての技量を磨くことだと思いました。また、子どもたちと一緒に鑑賞を楽しみ、子どもたちの価値観が広がったり、深まったりするような作品を自分自身が見つけるべく、自分もたくさんの作品を美術館等へ観に行ってみたいと思います。

 授業後の感想より。
・自分の意見は発表できなかったけど、みんなの意見を聞いてなるほどと思うことがたくさんありました。
・もっと自分の意見を言えるようになりたいです。
・中学校に入って、〇〇先生と勉強するのが楽しみです。
・来年も中学校で頑張りたいです。
・その絵が島根の人が描いた絵と聞いて、驚きました。次は、もっと島根の人の絵を見てみたいです。
・1枚の絵からたくさんわかることがあったので、すごいと思いました。また、このような鑑賞会をやりたいです。
・今日のこの鑑賞会をやって、はじめはよく分からなかったけど、自分の意見を言えるようになったし、人の意見を聞いてよく絵を見て分かったことや、知らなかったこともあって、すごくおもしろかったです。
・一人では何も思いつかなかったけど、みんなで考えるといろいろな意見が出てびっくりしました。もしこんな絵を見る時があったら、こんな発想をしたいです。

 房野さん、ご苦労様でした。今回実践された小学校の先生は私たちみるみるの会の例会にも参加し、ナビ体験を行ったうえで実践をされました。その積極的な姿勢は素晴らしいと思います。このような連携が会員のいる地域で広まっていくよう28年度に向けてまた頑張りたいと思います。
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