ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

我が校の桜です。やっぱり春は桜です!!

2013-03-27 17:58:49 | 対話型鑑賞
我が校の桜です。やっぱり春は桜です!!


1週間に1回、更新できればよくがんばったと言えるブログになってきました。特に年度末・年度初めは教師は多忙です。その上に、3月末に開催される美術科教育学会に参加することにしているので、仕事は今日が年度仕舞いでした。

春休みの始まった25日26日に美術部の生徒に手伝ってもらって積年の懸案事項であった美術室の大掃除を行いました。赴任4年目を終えて、やっとの事でしたが、とてもすっきりとした教室になり、4月からの授業が待ち遠しくなりました。

さて、今日は、幼稚園実践の最終日に園長先生に参観していただいた後に寄せてもらった感想文を載せたいと思います。決して、当方が脚色した部分はありませんのでご了解ください。ちょっとほめられすぎで、赤面する部分もありますが、初めて対話型鑑賞に触れた、大人の率直な感想だと思いますので、ご一読いただければ幸いです。

Q1.園児の様子を観察されて、気づかれたことをお書きください。

 最終回を見ましたが、園児は絵を見て自分なりの感想や考えを発表していて、まず、びっくりしました。今日までの取り組みの成果がよく出ていたと思います。すぐれた絵画をここまでしっかりと鑑賞することが、わずか5~6歳の園児にできるかと感心もしました。
 私自身もすぐれた美術作品をじっくりと30~40分もじ~~っと鑑賞したことは今まで一度もありませんでしたので、初めてのよい体験をしたなと思いました。

Q2.この鑑賞活動についての感想をお書きください。

 もっと色々の作品をこのような指導方法で観てみたいなと思います。先生の指導姿勢にも感心しました。園児の発言をとても大切にしておられた事、全員に発言の機会を与えられた事、等々、感心する事ばかりでした。ありがとうございました。

さてさて、明日、明後日と島根大学で美術科教育学会が開催されます。いろいろと活動の支援をしてくださっている京都造形芸術大学の研究員である3名の方が発表をされるので、応援に行こうと思っています。ほかにも気になる発表がたくさんあるので、今後の授業に活用できたらと考えています。

この学会のレポートは4月1日以降になりそうですが、お楽しみにお待ちください。

みるみるからは多数の会員が参加予定です。明日の夜の懇親会では、お友達をたくさん作りたいです!!

では、行ってきます!!
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平成24年度もいよいよ終わりです

2013-03-21 22:25:36 | 対話型鑑賞
島根の義務教育校は明日が3学期の終業式、今年度の修了式です。そして、教員の人事異動が発表され、離任式も同時に行われます。

別れの時がやって来ます。夜は送別会の宴が持たれる学校も多いと思います。

さて、今夜も幼稚園の実践報告をUPしたいと思います。
3回目の作品はメアリー・カサットの「孫に本を読むカサット婦人」です。記録は担任の先生です。この日も、園児の生活経験がもたらす多くの発言があったと、のちに語ってくださいました。実に多岐にわたる子どもたちの発想と発言にご注目ください。

絵を見て話そう  みるみるの会

出雲市立神門幼稚園 年長 5歳児
 第3回 平成24年2月4日

子どもの気付き

○T「前回の絵を、覚えていますか?」

・「女の子が、お家の中で、遊んでいる絵」

今日の絵を見る

・「白い服を着たおばさんの所に、眼鏡をかけているのがわかる」

○T「おばさんだと、思うのね」

・「おばさんらしいから」
・「本を読んでいる」

○T「何の本でしょうね」

・「バスに乗ってる」 → ○T「どうして?」 → 「どっかに、出かけるから」
・「ここに、男の子が隠れているのか、わからない」
○T「わかる人?」
・「(服が)白いけど、茶色に見える」
○T「答えられる人?」
・「この人は、青い服を着ているけど、良く見ると、紫や緑の入ってる」
・「さっきのね、隠れているのは、赤ちゃんだよ」
・「男の子が、ほうきを持っているように、見える」
・「字が書いてあるように見える。絵本?」

○T「これは、何をしている所かな?」

・「本を読んでる」

○T「周りの人はどんな人?大人?」

・「子ども」


○T「子どもが、何をしているの?」
・「この人が、本を読んでいるから、この人達は、見てる」
・「本を見てるから、一緒に見てる」

○T「この人は、子どものお母さん?」

・「この人が、お母さんで、周りは、全部、子ども」
・「おばあちゃんだと思う」

○T「さっき、お出かけする所、お出かけをするバスって言っていたけど、これは何処?」

・「電車だと思う」 → ○T「どうして?」 → ・「わからない」
・「お家だと思う」 → ○T「どうして?」 → ・「窓が大きいから」
・「外は、草がいっぱい生えている所だと思う」 → ○T「じゃあ、こっち側は?」
 → ・「お家だと思う」 → ○T「外はどうして緑だと思うの?」 → ・「草だから」
・「本の所が、赤と白だよ」
・「電車だと思う。(窓の外に線路の様な物が見える)」
・「(窓の外に)草がいっぱい生えているから、動物園だと思う」
・「ここは、電車だと思う。石とかが、あるように見えるから」
・「お父さんは、何でいないの?」
・「仕事に行ってるから」
・「外は緑なのに、窓の所が黒い」 
→ ○T「どうして?」
・「窓のロック」
・「カーテン」
・「帽子が掛けてあることろ」
・「この本はね、食べ物屋さんの表(メニュー)」
・「ここが茶色くて、ふかふかだから、電車だと思う」
・「お店で、“早く決めてよー”って、言ってる」
・「窓の所が黄色」
 →○T「何でかな?」
・「鍵がかかっているから」

○T「他の意見はないですか?」

・「この黄色い場所は、物を引っかける場所だと思う」
・「おばあさんの服に、しましまが見える」

【園児の様子で気付いたこと】

○回を重ねる毎に、発言しようとする子どもが増えた。春日先生の問いかけや、友達の話を聞かず、自分の気付きだけを話す子どもが多いが、少しずつ、春日先生や友達の話に耳を傾け、質問に答えようとしたり、「○○ちゃんは、こう言ったけど、私は、~だと思う」と、話したりするようになってきた。

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すっかりご無沙汰しました

2013-03-20 20:59:48 | 対話型鑑賞
ブログの更新がなかなかできず、すっかりご無沙汰している間に季節は変わり、梅の花の香りのかぐわしさに心奪われる今日この頃、よく目を凝らすと、桜の花もちらほら咲き始めているようです。

教員は、この時期、卒業式だったり、年度末の成績処理だったりと、目が回るように忙しいです。師走は12月ですが、本当の師走は3月ではないかと思います。

その上、私は高校時代からの友人をガンで失ってしまいました。ガンと知っていながら、便りのないのを元気な証拠と勝手に決めて、連絡も取らずにいた内に、すっかりガンは進行し、彼女の命を奪ってしまいました。心残りな春を迎えることとなりました。

でも、くよくよしていては彼女の供養になりません。幼児教育を大学時代に専攻していた彼女の分も、幼稚園での実践を今後も続けていこうと思っているところです。

では、長らくお待たせしましたが、幼稚園での実践の2回目の報告を行おうと思います。この記録も年長組の担任の先生が起こしてくださったものです。
鑑賞作品はピカソの「白いドレスの少女」です。短髪のネイティブ・アフリカと思われる女の子が白いハトを胸に抱いて立っている作品です。

どんな対話が展開されたのか、ご覧ください。


絵を見て話そう  みるみるの会

出雲市立神門幼稚園 年長 5歳児
 第2回 平成25年1月28日

子どもの気付き
・「(部屋の隅)オレンジ色に見える」
・「何か、動物を持ってる」
・「空なのに、月や星が見えない」
・「絵に字が書いてある」
・「虹色のボールがある」
・「手の下から、何か降りてきている」
・「ボールが転がっているけど、拾わないのはどうして?」
・「何かあるけど、わからないな。これは何?」
・「りぼんじゃないかな?」
・「(服が一部黒くなっている所)これは何で?」
・「陰で黒い?」
・「リボンの所だよ」
・「リボンが、こっち(右)には見えないけど、こっち(左)にはあるよ」
・「ドレスなのに長袖だよ」
・「ボールの所、2つ同じ色がある」
・「女の子なのに、髪が短い」
・「白い靴だけど、ドレスの色と、少し違う(黄色)」
・「ドレスと靴と、全部、白だよ」
・「後ろの色が、青」

○T「どこに、いるの?」

・「家」
・「部屋の中だよ。ボールが転がっているのは、おもちゃだよ。壁が、空の色の壁」
・「(左上)オレンジ。(右上)黄色に見える」

○T「何処だと思いますか?」

・「家の中だと思う」 → T「どうして?」 → 「網を持ってないから」
・「外だと(壁に)字が書けない。(作家のサイン)」
・「ドレスが、全部、白」
・「リボンのここんとこだけ、床と同じ色」



○T「何で?」

・「破れてるから?」
・「鳩のしっぽが、三角の模様みたい」
・「リボンが、くっついているんじゃなくて、岩が隠れているみたい」

○T「部屋の中で、何してる?」

・「写真を撮るのに、ポーズをしている」
・「遊んでいる所。ボールで遊んでいる」
・「鳥のおもちゃで、遊んでいる」
・「部屋の中で、靴を履いてるよ」

○T「家なのに、靴を履いているのは、何で?」

・「靴の模様の、スリッパなんじゃない?」
・「足の裏の所が、きれいだから」
・「靴の模様の靴下だから」
・「上靴だから」

○T「最後に、言いたい人」

・「お家の中なのに、どうしてドレスを着ているのかな?」
・「誰かの結婚式に行く前に、家で写真を撮ってから行くんじゃないの?」
・「ままごとごっこをしているんじゃないの」

【園児の様子で気付いたこと】
 春日先生の「家の中なのに、どうして靴をはいているの?」という問いかけに、「靴下の柄」「上靴」と、答えていた。自分の生活経験の中で、考えたり感じたりしている様子から、生活の中で、いいろいろな経験をさせることの大切さを、改めて感じた。

園児たちは、仲間の言葉は聞いているが、そのことにつなげて考えていくことにはまだ困難があり、自分の言いたいことが先に立ちました。でも、同じことに関する疑問には自分の意見を言えるようになってきていました。2回目とは思えないような、進歩がありました。この先3回の実践が楽しみでした。次回は、3日目の報告を行います。

では、また!!
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幼稚園で最後の実践を行いました

2013-03-07 21:48:21 | 対話型鑑賞
幼稚園で最後の実践を行いました


校区内の幼稚園で5回目(最後)の実践を行いました。年長クラスの担任の先生が1回目からのレポートを作成してくださったので紹介します。

絵を見て話そう  見る見るの会

出雲市立神門幼稚園 年長 5歳児
 第1回 平成24年12月13日 作品 小倉遊亀「径(みち)」東京芸術大学蔵

子どもの気付き
始めに、静かに絵を見る。

・「傘に、物を置く(傘の柄に、ぶら下げてある)」
・「犬に、散歩の時の紐がない」
・「子どもの後ろに犬がいる」
・「真ん中の子どもの、顔が見えない」
・「犬の首輪が、ブルドッグのやつみたい」
・「顔が、見えない」
・「お母さんは顔が見えるけど、子どもは見えない」

○T「あなたは、この人は、子どものお母さんだと思うんだよね」

・「これは、何だろう。お花かな?」
・「犬が、目をつぶってる」
・「お母さんの籠と、子どのも物が違う」
・「籠の中が、上は緑で、下は黄色」
・「逆さ順に(背の高人から)並んでる」→(幼稚園では、低い順に並ぶことが多い)
・「お母さんと子どもの服が、似てるけど違う」
・「お母さんと、子どものスカートから、出てる足の感じが違う」
・「女の子のスカートから黒い物が出てる。スカートの模様?」
・「お母さんと、子どもの靴の色が違う」
・「犬のしっぽが、丸くなってる。何でだろう」

○T「どうしてかな?分かる人」

・「犬さんは、しっぽが、くるくるしてるんだよ」

○T「この絵は、暑いとき?寒い時?」

・「暑い時」 → T「どうして?」 
・「半袖だから」
・「傘の持つ所が違う。お母さんは真っすぐで、子どもは曲がってる」
・「お母さんと、子どもの靴が違う。お母さんは、足が出てる。子どもは、隠れてる」

・「(傘の持ち方)お母さんは、真っ直ぐ持ってるけど、子どもは斜めに持ってる」
・「傘の色が違う」
・「傘の棒(柄)の色が違う」
・「カバンの紐が、お母さんは太くて、子どもは細い」
・「お母さんのサンダルに、ボタンが付いてる」
・「お母さんは、後ろに髪がある。子どもは、後ろに髪がない(刈り上げ)」
・「犬が、しっぽを巻いているのは、汗を拭いてるからだよ」
・「靴が違うし、色も違う」

○T「この人たちは、何をしているのかな?」

・「お買い物の、帰りだよ」

【園児の様子で気付いたこと】
 今日は、初めての絵画鑑賞会だった。初めて見る絵を、興味深そうに見入る様子が見られた。
発言する場面では、友達の言葉や春日先生の問いかけなど関係なく、自分が気付いたことを、それぞれが話していた。学級での振り返りの時間に、自分から発言をすることが少ない子どもが、進んで手を挙げて発言しており、見ることで、様々なことを感じ、伝えたい、話したいと感じている様子が伺えた。

担任の先生はきちんと担任クラスの園児の発言を記録に取ってくださっていて、今日3回目のものまでいただきました。順次紹介していこうと思います。園児たちは回を追うごとに発言できるようになっていったようです。

今年度の実践は今回で終わりでしたが、来年度も継続していただけるようにお願いしました。最後に修了証を渡しました。みんなうれしそうに受け取ってくれて、5回やらせていただいて本当に良かったと思いました。
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京大博物館で開催中のウフッツイ美術館展で対話型鑑賞の実践を行いました

2013-03-06 21:50:23 | 対話型鑑賞
京大博物館で開催中のウフッツイ美術館展で対話型鑑賞の実践を行いました


3月3日の土曜日に11:00~:14:00~2回、来館者を対象に対話型鑑賞を実践しました。
11:00~金谷
14:00~春日が担当しました。

11:00~は、あらかじめ参加を希望していた方が4名おられ、4名+そこに居合わせた来館者(不特定)で行いました。
14:00~は、希望者がいなかったので、そこに居合わせた来館者に声をかけ、興味を持たれた方で行いました。

実践の様子は、画像をご覧になってください。
また、詳細は、後日レポートを作成しUPしますので、しばしお待ちください。

それにしても、HITACHIの技術はすごいです。近寄って見ると、タッチまで再現されていて、フラットなはずなのに凹凸があるように見えますし、キャンバスのザラザラな質感や、剥落しかかっているキャンバスの端のリアルなこと・・・。本物と見まがうばかりです。

見る価値、有り有りです!!

好評につき、会期も1週間延長されたようです。近畿近辺の方は、本当にみるべきです。私はまだ、本物を見たことがないのですが、見たくなりました!!どこまで本物に迫れているのか、好奇心がわきました!!イタリアに行かなくては!!

では、学年末で、成績も出さないといけなくあり、卒業式に向けての準備もあり、週末は、3年生最後の対話型鑑賞を行おうとも思っていたりするので、あわただしいので、今夜はこのあたりで失礼します。

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