ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

金谷レポートに続いて房野レポートもとうちゃこ!!切り口違いますよ!!

2014-07-30 17:51:07 | 対話型鑑賞
中学校美術Q&A in 島根 が 島根県松江市で開催されました。ここでレポートを発表しては・・・とのお話をいただいたのが5月くらい?あっという間にその日はやってきたのでした(汗)

50名くらいの参加だったでしょうか?そのうち半数以上は県外の方々・・・。「地元の出雲、松江の先生方にはもう少し参加していただきたかったなあ~。大丈夫?島根の美術!」と思いましたが、そういう私も今回が初めてじゃん!これまで興味はあったけど、なかなか参加できずにいたんだったよな~、と我が身を反省しつつ、こういう機会を作ってくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいなのでした。

内容については先行の金谷さんがバッチリレポートしてくれているので、私は別の角度から。

基調提案で山崎先生が「2014年は次回の学習指導要領改訂のとても大事な年になる。」とおっしゃったのが印象的でした。
<図工・美術がとても大切だということをもっとアピールしなくては!今後美術は必修科目ではなくなってしまう危機にある。>

このことは、実は今日もひしひしと感じたことなのです。

私は本日、自校の研究主任として県教育委員会主催の「授業改善研修」なるモノに参加してきました。ここでは全国学力調査と島根県の学力調査の結果をふまえて、<どうしたら、島根県の子どもたちの学力を伸ばせるか>を考え、参加者は校内の学力向上推進者としてしっかりがんばれ、がテーマでした。

学力調査でトップの秋田県とは対極に、島根県は点数、家庭学習時間などなど、いろんなポイントが下位です。それで、学力向上が最重要課題なのですが、その対象にどうやら実技教科は含まれていないようで…。テストで測れる教科は確かに誰にでも語りやすいですが、実技教科で育む力(学力)もとても大切なはずです。でも、同じ土俵にも載せてもらえない教科ってなんなんだ~!と、やるせない気持ちになったのでした。だから、自校ではモチロンすべての教育活動で学力向上の提案をします!

山崎先生の言葉を本当に実感します。
そして、問題意識を持ったからには、やはりアクションを起こさないと!との気持ちを強くしたのでした。図工・美術が大切だということをみんなにわかってもらうには?

Q&Aでは、島根の仲西先生、上坂先生の美術館と学校のコラボ、
愛媛の木村先生の子どもの絵の変容「画一化から自由な自分らしい絵」へのアクション、
秋田の田中先生の「美術はメディウムのようなもの。いろいろな人と人を繋いでゆく」などなど。心にズシンとくる実践ばかりでした。
やっぱり美術って素敵!絶対に大切なものだよ!と勇気と刺激をもらいました。

関西国際大学の松岡先生は島根にゆかりのある方で、ユーモアを交えながら子供の発達段階をふまえた指導の大切さを教えてくださいました。どうしたら、あんなに人を引き付ける語りができるのだろうかと、今回、自分の発表がめちゃくちゃ恥ずかしくなりました。私たちの発表の後、「ずいぶん練習したでしょ」という指摘をたくさんされて、練習が透けて見えるなんて、まだまだだぁ~(*_*;と汗が出ました。修行が足りません!松岡先生に弟子入りしたくなりました。「語り」は対話型鑑賞のナビに通じるスキルですよね。
東良教科調査官は金谷さんも書いていた3つの視点から授業を見直すこと、私も自分の授業を見直すきっかけにしたいと思います。そのほか、「自分の気持ちを入れる器」「気持ちを伝えるカードのデザイン」「木の生命力を描く」「包装紙のプロジェクト」「職場体験をした事業所のポスター」などなど、たくさんの実践を紹介してくださいました。
どれも真似したいものばかり…。

なにはともあれ、金谷さんとみるみるについて発表する機会をいただいて、恥ずかしながらもとってもいい経験でした。春日さんの強力なバックアップも心強かったです。こうしていざ、発表となると、わかっていたつもりのこともうまく表現できないということがわかりました。
言葉にするって大切です。思考は言葉にして初めて自分のものになる・・・VTSJでフィリップが教えてくれたことを改めて考えることができました。対話型鑑賞に通じる大切なことです。

それと、岡山大学の清田先生が「実践の課題とこれからの展望は?」と質問されましたが、発表するからにはその点はきちんと言っておくべきだったと反省。でも、普段、みんなで話題にして意識化していたことなので、慌てることはありませんでした。仲間で切磋琢磨しているおかげですね!

短めに…と思っていたのに長々失礼しました。でも、書ききれないくらい魅力いっぱいの中学校美術Q&Aでした。新しい出会いに感謝!です。また、いつか、どこかのQ&Aで皆さんに再会できることを楽しみにしています。
まだ、参加したことのない人はぜひ!参加してよかった!と思えること間違いなしです。
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画像に続いて、レポート とうちゃこ!!です。って、自転車には乗ってないか?!

2014-07-29 19:27:17 | 対話型鑑賞
「あーんべいいな、あんべいいな!」が、頭の中をループしております、みるみるの金谷です(気になる方は、検索を!)。

7月26・27日に松江市で開催された、中学校美術Q&A in 島根で、初参加&実践発表という貴重な経験をさせていただきました。関係者のみなさん、ありがとうございます!そしてお疲れ様でした!参加&発表をして、学んだことや感じたことをレポートします。

まず一日目の最初に、中学校美術ネット代表の山崎先生の基調提案を聴き、危機感を新たにしました。私自身、中学校現場を離れてしばらく経っているとはいえ、美術教育の存続に関してずい分不勉強であったなと、反省しました。…なんて、言っていても始まりませんね。

山崎先生の提案にあった「一番大切なものは、日々の授業のQuality」。この言葉は、ふと見上げた空に浮かぶ月だと思いました。月を見上げては、大切なもの「Quality」を思い出し、月明かりに照らされた道を「もう少し先まで、次の電柱まで行ってみよう」と「Action」を起こしていく、私はそんなイメージをもちました。もちろんその道は、子どもたちの幸せへとつながっていく道です。これから、バタバタと仕事に振り回されそうになった時、「一番大切なものは、日々の授業のQuality」と月を見上げてそうつぶやいたら、迷子にならずにすみそうです。

仲西先生の発表で、「(島根県)安来市の図画作品展では、子どもの思いや指導者のねらいを書いたキャプションがついている!」ということに衝撃と感銘を受け、松山から来られた木村先生の発表では、子どもの絵の変容にこれまた衝撃を受けました。私も、見えるもの(風景など)と空想の世界を組み合わせた、子どもの気持ちに火をつけるような題材で、子どもの概念をこわし、子どもたちの力をもっともっと掘り起こし自由にしていきたいと思いました。

関西国際大学の松岡先生の講演を聴きながら、実は何度も心の中で「ごめんなさい」を言いました(あぁ、○○ちゃんの透明空間を塗りつぶさせてしまったぁ…等々)。図式期の子どもの表現を理解していなかったことを反省しながらも、子どもたちのすてきな表現に、顔がにやけっぱなしでした。私も、『自分と世界が一体化し、全感覚を起動させて、あるがままからスタートし、とにかく体験して、今とプロセスに生きる子ども』を内在化させた大人を目指します!
余談ですが、松岡先生のファッションもすてきでしたよ!きっと、保育所の子どもたちにも大人気だったと思います。私は、色違いの靴下から始めてみようと思います。

さて、一日目のQ&Aは、ここまで。このあとは、懇親会でおいしいお料理とお酒でさらに親交を深めたり、みるみるチラシをお配りしたり、発表に向けてミーティングをしたりして、松江の夜は更けていったのでした。

二日目は、みるみる会員でもある上坂さんの発表でスタート!三隅中美術部と石正美術館がコラボした実践を発表しました。自分で漉いた石州和紙に、日本画を描くなんて、美術部員がうらやましい!中学校と美術館が連携し、生徒が本物に触れることや、地域資源が活用されることは、まさにQuality&Action!だと思いました。徒歩30秒の距離にある三隅中と石正美術館のコラボが、打ち上げ花火にならずに、この先もゆるりとつながりながら、ふるさと教育の面でもすてきなモデルとなるといいなと思いました。「浜田市に美術館が2つあってよかった!」そういう人が、もっと増えるようにActionを起こしていきたいですね。

さて、いよいよ房野さんと金谷による「『みるみる』って?!」の発表です。
発表前半の対話型鑑賞のルーツや教育的効果、「みるみる」立ち上げの経緯など、理論的なところは房野さんが担当し、後半の実践紹介は金谷が担当しました。

実践紹介では、県内外の美術館や大学との連携について、また実際の対話型鑑賞「慧可断臂図」の授業の様子をビデオで流したり、ワークシートの形式やみるみるの“てっぱん”作品を紹介したりしました。実は、岸田劉生と東山魁夷の作品で、ミニミニ鑑賞会をする予定でしたが、時間の関係でショートカット。けれども、進行の梶岡先生のお計らいで時間をいただき、「慧可断臂図」の授業後の生徒の読み取り文と感想は紹介することができました。ありがとうございます。

発表+質疑応答=40分の枠で39分、発表に使ってしまいました。それにもかかわらず、質疑応答の時間をとっていただきました。重ね重ね、ありがとうございます。

そんな貴重な時間での、質疑応答の主な内容です(「慧可断臂図」の授業者&みるみるの代表でもある春日さんにも答えてもらいました)。
① 鑑賞後の読み取りや感想をどのように書かせているのか?
→ワークシートの罫線の所に、1時間の鑑賞の中で、話題になっていたことや関係性などに対して、作品の「どこからそう思うか」の「どこから」を必ず書いて(根拠を明確にして)、自分の考えを書くようにさせている。対話をする際にも、「どこからそう思うか」を言うようにしているので、話すときも、読み取りを書くときも生徒は同じことをしている。感想は、読み取りを書いた後、時間があれば書くように伝えている。
書き方については、生徒が書いたものに対して、コメントを入れて返却している。そのコメントの中に、どのような見方や書き方をしたらよいか、アドバイスも入っている。それを見て、生徒は書き方について学び、次の学習に生かしている。

② ワークシートの振り返り部分のデータ分析について
→データの分析はしていない。4~1で自己評価できるようにしているが、4や3(よい・おおむねよい)に○をつけている生徒が多い。自分の意見を言えなかった生徒は、「意見を言えた」の項目で、1をつけることもあるし、1回だけでも自分の意見を言うことができ、満足している生徒は4に○をつけている。

③ 鑑賞中の情報提供について
→実践を重ねるなかでより深く作品に迫ることができるように、鑑賞者の様子やタイミングをみて情報を提供することも行っている。限られた時間の中で、あまり重要でないところで時間を使うより、必要なら情報を与え、それによってより深く考えられるほうがよいと考えている。

④ 今後のみるみるの課題は?
→・評価の仕方。
評価について、京都造芸大から講師を招き8月19日に浜田で研修会を行い、学びを深める。
    ・会員のスキルアップ
    ・小学校での取り組み(作品選び、普及活動)

 私たちの「『みるみる』って?!」の発表の後、「おもしろかった!」「ユーモラスでしたよー」「漫才みたいだった」等々、あたたかいお言葉をいただきました。
みるみるでやっていることや伝えたいことは、とてもまじめ!で地道なのですが、Q&Aに参加の皆さんが、みるみるの活動やメッセージをあたたかく受け取ってくださってうれしいです。ありがとうございました。

みるみるの次は、最後の発表者、秋田の田中先生です。「夏休みですし、秋田を紹介します」と、その後に流れてきた「あーんべいいな」の歌とすてきな画像に釘付けになりました。思わず、「そうだ、秋田行こう」とつぶやいてしまいました。
「授業の学びを展示する」という発表で「子どもたちの、ナマの思いを、見逃すな!」というのがとてもかっこよく、こころに残りました。
私も「プロセス」を見せる、伝える展示をするぞ!まずは、校内から、そして公民館や中学校に拡げていくぞー!と、ActionにつながるPowerもいただきました。

二日目の午後は、東良調査官の講演で始まりました。やるべきこと、やりたいこと、やれることの3つの視点からお話がありました。日々、あれこれと欲張ってしまいがちな私ですので、この3つの視点をしっかりもって、来学期の授業を組み立てていこうと思いました。それと、「全ての子どもたちは豊かな存在である」という言葉を付箋に書いて、PCに貼り付けたということは、私だけの秘密です。

さてさて、超ロングバージョンなレポートにお付き合いいただき、ありがとうございます!Q&Aでは、この後アクション会議が開かれ、話し合いの後、参加者が一人一枚ずつ「アクション宣言」も書きました。その様子や内容は、中学校美術ネットでチェックしてくださいね。
そうそう、アクション会議の中で登場した「いいね!」シールは、ほんとにいいですよ!私も、これから作る気満々です。

中学校美術教育Q&Aに参加することができて、多くの学びとともに、あたたかな人とのつながりを得ることができました。運営メンバーの皆さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。そしてこれからも、すてきな未来をつくっていけるよう、よろしくお願いします!
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中学校美術Q&Aに参加しました!!

2014-07-29 17:49:01 | 対話型鑑賞
中学校美術Q&Aに参加しました!!


中学校美術Q&Aが島根県松江市で26日27日の両日行われました。
北は北海道から南は山口、愛媛と日本全国から島根の地の集ってくださいました。

交通のアクセスが悪く、航空機も日曜日だと最終の東京行は予約で早くから満席ということで、大会終了時には参加者もまばらになってはしまいましたが、アクション会議は盛り上がり、2学期からの実践に元気の出る終末となりました!!

遠方よりお越しの皆様、ほんとうにありがとうございました!!

また、Q&Aでお会いしましょう!!

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上坂会員のレポートに注釈をつけた第2弾です!!

2014-07-24 20:45:48 | 対話型鑑賞
上坂会員の2作品目のナビの振り返りのレポートにまたまた注釈を付けてみました。こんな風に自分のナビも振り返りながら突っ込んでいくとナビの腕は上がると思います。でも、一人ではなかなか思うようにいかないので、こうやって仲間と一緒に実践後に振り返って、突っ込み入れてもらって研鑽を図ることが大事だと思います。あの時の切り返しの言葉ひとつ違うと会話の流れがスムーズだったのではないかと反省することもしきりです。では、どうぞ。

平成26年6月22日(土)14:00~
浜田市こども美術館 「はまだの美術」    ナビ  上坂 美礼
会場 伊藤 素軒(いとう そけん)の部屋
来場者  高校生2名 
 浜田市内から「みるみるの会」を求めて来場した女性 3名くらい
 描く連のみなさま 4名
 みるみるの会員 4名
 市内学芸員 2名
 大阪より  1名

2作品目
絹本の日本画が額装された作品で、こちらにも鯉が描かれている。「こちらの作品をご覧ください。先ほどの作品と比較して、
(ここで比較を強要する必要があるだろうか?比較するよう指示するのではなく、鑑賞者が自ずから比較をしながら考える雰囲気をつくるべきだと思う。2作みることの意味も鑑賞者が考えるようにナビする必要があるのではないか。)

あるいは、この作品について、話をしてください。」と、
(鑑賞者にみることを促す時の声かけをナビはある程度つくっておく必要があると思う。マニュアルにするつもりはないが、例えば「今日は、3作品を鑑賞してもらおうと思っています。3作品鑑賞する意味も併せて考えてみてください。では、最初の作品です。」などと言って1作品目をみ始め、程よく会話が弾んだところで、「みなさん、会話が盛り上がってきましたが、盛り上がってきたところで、2作目にいってみたいと思います。次の作品は・・・。」とつなぎ、最後の作品に入るころには「そろそろ、なぜ作品を1作品目、2作品目とみてきたのかを考えている方もおられると思いますが、最後の作品に移りたいと思います。最後の作品はこれです。」という感じでつないでいくというのはどうだろうか。ナビはあまり自分の主観を交えずに進行し、鑑賞者がしっかり考えるように促すことに腐心するべきだと思う。そのためのナビである。)

ナビは言ったに過ぎないが、壁面のキャプションなどを見れば、同一人物の作品であることは暗黙のうちに知れたことだったかもしれない。
 (キャプションを隠さない場合、キャプションに書かれていることを鑑賞者に周知する必要があるのではないか。キャプションがみえている人とそうでない人がいるのは不平等であると思う。隠さないのなら、機をみて周知することを心がけたいと思うがどうだろう。)

誰も、特に「先ほどの鯉を描いた人の作品だと思います。」とは述べなかった。もっと深く、作品そのものの魅力について述べる人ばかりだった。
(それならなおさら、「皆さんもすでにお気付きと思われますが、先ほどの板絵の鯉を描いた作家が描いたものです。」とネタばらしをし、鯉の描かれ方などから気付いたことを語ることに統一した方が話題が散漫になるのを防げると思う。)

「右下の白い鯉が、画面の構成上のバランスをとっている。」というコメントにも大いに助けられたと思う。また、「水の波紋がくっきり描かれている。」ことも述べられ、「鯉の動きがあまり感じられない。冬眠中のよう。」という指摘もあった。「くっきりと明快に水の波紋が描かれているのに、あまり鯉の群れの動きが感じられない。」という発言は、みごとな対比!(比較したからこそ出た意見かもしれない。)とナビである私も感激して絹本の鯉の作品を見ているうちに、さきほどの四枚の板の襖に描かれた鯉について改めて新たな意見を述べた人が現れた。「先ほど見ていた作品について述べてもいいですか。四枚の板に描かれている鯉の絵は、画面の左側に池のコーナーがあり、そこの岸からエサを投げてもらっている。画面の右側は池が彼方に広がる感じ。」という。その発言の主は、絹本の作品の構図について最初に「右端に描かれた白い鯉が、作品を見る者の視線を右側に促している。白い鯉だけが縦に垂直に描かれていて、四角い画面のなかで、視線を右に引っ張っている。」と構図について述べられた方だ。作品の構図について述べることで、作品そのものの魅力について語られている!と感銘を受けた。
 (感銘を受けたのなら、そこをもっと評価して鑑賞者に返すべきだと思う。また、構図を語ることで作品の魅力に迫っているのなら、そのことをパラフレーズし、鑑賞者全員が構図から受け取る印象と作品の魅力について考えられるようにナビすると、話題が散漫にならなかったと思う。)

もしかしたら、対話をしながら自然な流れで作品の構図について「なぜ、このような構図なのか。」と考えて推察することは、鑑賞のねらいのひとつなのではないかと感じた。
 (鑑賞のねらいのひとつなのではないかと感じた。とあるが、そのことについては、ナビはあらかじめ予測していたのではないのか?3作品をみる中で、描かれているもの(この場合は鯉)とそれらの動き(構図)がこの作品の魅力なのだから、逆にいえば、そこに気付いてくれないとナビの意味がないくらいに思ってないといけないと思うのだが、やりながら感じた手応えだとしたら、もっと、驚き、感動を鑑賞者に返すべきだと思う。)

描き手がどのように作品を構成したのかを考察する視点は、自らも描き、作品制作に携わる人ならではのものかもしれないと、みるみる会員のなかでも話題になる方の発言だった。その後、また別の方が「この作品を描いた人も、さきほどの襖の鯉を描いた人も、何度も何度も鯉を描いた人が描いたように感じる。」と発言したので、ナビである私は「どこから、そのように感じますか。」と根拠を問い、なんだか尋ね方がぎこちないし、間が悪いと感じてすかさず「こちらの鯉の目も、さきほどの鯉の目のように、上から見下ろしたような描かれ方がしていますね。」などと、述べた。後から考えると、もっと別な言い方があったな、と反省するひとコマである。
 (鑑賞者の発言を正しく受け止められていないとナビが感じた時は、発言を正しく受け止めているかを確認する方がよい。自信がないままに、質問を重ねていくのはまずいと思う。何を答えればいいのかがどんどんズレていくからだ。「どこからそう感じますか?」と訊ねたのであるから、その答えを待つべきで、発言の意図が理解できていないのなら、もっとそこを確認するべきだ。この時の発言の意図は、鯉の描写の緻密さから、鯉を描かせたら右に出る者はないくらい熟練の腕をもった画家であるということが言いたかったと私は受けとめている。その発言の中に「どこからそう思ったか。」は語られていたので、ナビが「どこからそのように感じますか。」と問うたことに対して「いやもう、それはさっき言ったから・・・。」というリアクションだったと思う。ナビがそれを拾いきれていないのだ。発言者の言葉を真剣に聴かなくてはならない。次のつなぎに気を取られていて聴くことが上の空になってはいけない。)

ナビとして、相手の発言を「受け取りましたよ!」という受容の合いの手も入れず、まるでスマッシュのうち返しみたいに間髪入れず「そう感じる根拠は!?(どこからそう感じますか!?)」と問うたのである。ものごしは丁寧に、でも、なんだか慇懃無礼な余韻漂わせたかもしれない。それでは、なんだか、気まずい沈黙を誘うに決まっているのに。ナビとしては、根拠を聞かなくちゃ!という焦りでいっぱいなだけではありましたが、変な誤解を生じます。
(何でもかんでも根拠を問わねばと思うのは間違いであると思う。そこに固執するから、会話の大きな流れを見失う。発言者の言わんとするところを汲み、あいまいなところは根拠を示してもらいながら確認し、発言者が自身の意見を構築していくようなナビを心がけたい。)

自分のことをよく知っていてくださっている先輩の発言だったので、今回は許してもらえたかもしれないが、周囲で聞いている人は、なんだかヒヤッとしたのではないだろうか。ナビは、相手の発言を受け取ったというサインを示してから、その根拠を問うべし、という教訓の一コマである。後から考えた返答としては、例えば「さきほどの襖に描かれた鯉について、まるで泳いでいるようだと話題になっていましたが、こちらの作品の鯉も、冬眠しているのかもしれないけれど生命力を感じるという話も出ていますね。生きているような鯉を描くことのできる画家は、何度も鯉を描いたということでしょうか。」など、小まとめをしながら、発言者の意図を言い換えることもできたのではないかと。
 (小まとめも長い。「先ほどの板戸に描かれた鯉と同様に、動きは板戸のほどではないにしても、この鯉の描写力は何度も鯉を描き続けたことによるものではないかと思われるのですね。」くらいにはなるのではないか。私なら「板戸の鯉も、この鯉も、息をひそめるような緻密な描写から、この作家は目をつぶっても鯉が描けるくらいの腕前をもっているのではないかと言いたいわけですね。」とパラフレーズする。)

さて、この後3作品目に突入する。3作品目は鯉ではなく、鶏である。しかも屠られたものである。また、2作品が日本画だったのに対し、3作品目は洋画である。3作品目に関しては描かれているものも重要であるが、作家の人生にも話題が及んでいく。その振り返りを上坂会員がどのようにまとめるのかを楽しみに待ちたい。
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やっと夏休み!!リフレッシュに故郷岡山の牛窓に行って来ました!!

2014-07-23 21:31:25 | 対話型鑑賞
やっと夏休み!!リフレッシュに故郷岡山の牛窓に行って来ました!!


長いような、あっと言う間のような、学校現場としては1学期と言うのは新年度スタートで体制づくりや年度当初の文書作成、報告文書提出、授業準備に追われて気が付いたら学期末・・・なんて冗談じゃないような慌ただしい3か月でした。

皆様、お疲れ様でした。

私も新任校で新たな立場(主幹教諭)で、20年ぶりの体育も受け持って、目の回るような忙しさでした。その上、光中での出前授業・・・。まあ、この授業はとても楽しくて出かけるのはちっとも苦じゃなかったのですが・・・。

やっと、夏休みです。でも、総体やら吹奏楽コンクールが眼前に迫ってたりして、夏休みといえども、気の休まる暇はないのですがね・・・。それでも、どこかホッとしてしまうのは私だけではないはずです。

先週の1週間が疲労のピークだったので、夏休みに入ったら、この仕事臭のする出雲の地から脱出してやるう~~~っと切羽詰っていた私は、実家しかまったりできるところはないと、岡山に車を走らせたのでした。切羽詰っていたのは私だけでなく、愛車もだったようで、終業式の帰り際に見事に休暇に突入!!シフトレバーが無気力に反応なし・・・。これ以上走りたくないという愛車も休暇に入りまして、赤いMARCHが代車に寄越され、その赤いMARCHで一路岡山に向かったのでした。

実家では両親が二人仲睦まじくとは言わないけれど、まあ、夫婦漫才しながら暮らしています。娘が帰ると、何かにつけて出かけたがるので、幼少の海水浴以来ゆっくり出かけたことのない牛窓にランチがてらドライブに出かけ、ちょっぴりまったりしました。

画像の大半は牛窓風景ですが、水瓶に浮草の画像は我が家の甕で元気に大きくなった金魚が三匹です。人影が近づくと餌をくれると思ってか、水面に顔をのぞかせて口パクするのがとってもかわいい金魚たちです。

これから夏本番ですが、皆様、お元気でお暮しください。

そして、今週末には中学校美術Q&Aでお会いしましょう!!
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