島根県立石見美術館「みるみると見てみる」展での第1回目の実践です
初回のナビゲーターは前回に続いて金谷さんです。金谷さんからのレポートが届きましたので、さっそくUPします。
2月23日(日)グラントワ内、石見美術館にて、コレクション展「あなたはどう見る? -よく見て話そう、美術について-」の関連イベントとして、対話型鑑賞をしました。ナビゲーターは前回に引き続き、金谷です。鑑賞した作品は、「益田元祥像」(狩野松栄 絹本着色、軸、桃山時代)と、「セルフポートレイト(女優)バルドーとしての私」(森村泰昌 1996年)の2作品です。
このコレクション展では、一つの部屋に16作品が展示されています。しかし、このコレクション展のねらいに基づき、どの作品にも作品名や作者名等を記しているキャプションはついていません。鑑賞者は、作品名や作家名にしばられることなく、作品と向かい合うことができます。ちょうどこの日の朝、NHKの日曜美術館で、柳宗悦の言葉が紹介されていました。「見て知りそ、知りてな見そ」(心うた)と。見ることの大切さが、対話型鑑賞に通じているように感じました。
今回の鑑賞では、部屋の入り口近くにある、隣り合った2点を選びました。初めにみた「益田元祥像」は、緑の甲冑を着けて白馬に乗った武人の肖像画です。この作品の鑑賞では、美術館の学芸員さんに作品に関する情報を伝えていただく場面がありました。学芸員さんからの情報は大変貴重ですし、美術館で鑑賞をする際のメリットでもあります。そこでナビゲーターが学芸員さんに質問(イエス・ノーで答えられるようなもの)をすることで、作品をより深く見るためのシンプルで貴重な情報を得ることができるのではないかと思います。情報を得ることで、作品のことを知った気持ちになってしまい、よく見ることをしなかったら、もったいないですもんね。やはり基本は「見て知りそ」ですが、情報をどのように扱うのか、まだまだ修行中の私です。
2作品目は、大阪の通天閣をバックに、商店街の真ん中で金髪の美女がハーレー(大型バイク)にまたがっている作品(写真)です。「益田元祥像」とは対照的に、派手で要素が多くて、複雑さをあわせ持っています。鑑賞後のふりかえりで、「パッと見のインパクトは強いが、下敷きになっている文化を知らないと楽しめないかもしれない」、「この作品は情報を出すことによって、味わえるのではないか」という意見がでました。見えているものから対話するのが基本ですが、この作品ではナビゲーターが積極的に情報を出したり、鑑賞者にこの作品について知っていることを話してもらえるように意識をしたりすることも必要だと思いました。
今回は、「益田元祥像」→「セルフポートレイト」→2作品の共通点、という流れで鑑賞しました。しかし、せっかく作品が並べて展示してあるので、そのことにふれ鑑賞者が2つの作品が並べてある意図を考えて楽しむことができれば、より深く楽しい鑑賞ができたのではないかと思います。たとえば、「益田元祥像」から「セルフポートレイト」を見ながら、「セルフポートレイト」と「益田元祥像」の2作品を見比べるという流れです。比較して見ることで、共通点や相違点にも気づきやすいのではないかと思います。
さて、次回の「みるみると見てみる?」は、3月2日(日)14:00~です。さあ、次はどんな作品との出会いが待っているのでしょうか?日曜日はグラントワへ、レッツ・ゴー!
初回のナビゲーターは前回に続いて金谷さんです。金谷さんからのレポートが届きましたので、さっそくUPします。
2月23日(日)グラントワ内、石見美術館にて、コレクション展「あなたはどう見る? -よく見て話そう、美術について-」の関連イベントとして、対話型鑑賞をしました。ナビゲーターは前回に引き続き、金谷です。鑑賞した作品は、「益田元祥像」(狩野松栄 絹本着色、軸、桃山時代)と、「セルフポートレイト(女優)バルドーとしての私」(森村泰昌 1996年)の2作品です。
このコレクション展では、一つの部屋に16作品が展示されています。しかし、このコレクション展のねらいに基づき、どの作品にも作品名や作者名等を記しているキャプションはついていません。鑑賞者は、作品名や作家名にしばられることなく、作品と向かい合うことができます。ちょうどこの日の朝、NHKの日曜美術館で、柳宗悦の言葉が紹介されていました。「見て知りそ、知りてな見そ」(心うた)と。見ることの大切さが、対話型鑑賞に通じているように感じました。
今回の鑑賞では、部屋の入り口近くにある、隣り合った2点を選びました。初めにみた「益田元祥像」は、緑の甲冑を着けて白馬に乗った武人の肖像画です。この作品の鑑賞では、美術館の学芸員さんに作品に関する情報を伝えていただく場面がありました。学芸員さんからの情報は大変貴重ですし、美術館で鑑賞をする際のメリットでもあります。そこでナビゲーターが学芸員さんに質問(イエス・ノーで答えられるようなもの)をすることで、作品をより深く見るためのシンプルで貴重な情報を得ることができるのではないかと思います。情報を得ることで、作品のことを知った気持ちになってしまい、よく見ることをしなかったら、もったいないですもんね。やはり基本は「見て知りそ」ですが、情報をどのように扱うのか、まだまだ修行中の私です。
2作品目は、大阪の通天閣をバックに、商店街の真ん中で金髪の美女がハーレー(大型バイク)にまたがっている作品(写真)です。「益田元祥像」とは対照的に、派手で要素が多くて、複雑さをあわせ持っています。鑑賞後のふりかえりで、「パッと見のインパクトは強いが、下敷きになっている文化を知らないと楽しめないかもしれない」、「この作品は情報を出すことによって、味わえるのではないか」という意見がでました。見えているものから対話するのが基本ですが、この作品ではナビゲーターが積極的に情報を出したり、鑑賞者にこの作品について知っていることを話してもらえるように意識をしたりすることも必要だと思いました。
今回は、「益田元祥像」→「セルフポートレイト」→2作品の共通点、という流れで鑑賞しました。しかし、せっかく作品が並べて展示してあるので、そのことにふれ鑑賞者が2つの作品が並べてある意図を考えて楽しむことができれば、より深く楽しい鑑賞ができたのではないかと思います。たとえば、「益田元祥像」から「セルフポートレイト」を見ながら、「セルフポートレイト」と「益田元祥像」の2作品を見比べるという流れです。比較して見ることで、共通点や相違点にも気づきやすいのではないかと思います。
さて、次回の「みるみると見てみる?」は、3月2日(日)14:00~です。さあ、次はどんな作品との出会いが待っているのでしょうか?日曜日はグラントワへ、レッツ・ゴー!