最近、沖縄のドキュメンタリー映画を2本見たので思うところを。
「うりずんの雨」
凄惨な沖縄戦、占領下の沖縄、米軍基地による凌辱(日本政府も黙認していると言えるが)、現在抱えている普天間移設問題などについて、米軍の映像や関係者へのインタビューを通して語られキュメンタリー。特に、沖縄戦で生き残った元日本軍兵士や、元米軍人、20年前の少女暴行事件犯人の一人へのインタビューは臨場感がある。
いずれも活字を通して見たり知っていたり事実だが、改めて映像で見ると、戦後70年経つのに今なお米軍基地の過剰な負担に苦しみ、さらに恒久的な新基地が建設されようとしているこの状態に対して、自分としてもできる行動をとっていきたい、という思いを新たにした。映画を見た人同日にすぐ近くで開催されていた新宿エイサーまつりを観覧していた大勢の人に、沖縄のそのような側面も考えてほしいと感じた。
「戦場ぬ 止み(いくさばぬ とぅどぅみ)」
辺野古の新基地建設の動きと、それに反対する人々、基地と隣り合わせに活きている人々の日々を撮影したドキュメンタリー。
2014年8月14日、海上保安庁と沖縄防衛局の数十艇の艦艇・ゴムボードが辺野古の海を埋め尽くし、反対派市民の4席の小型船と20艇のカヌーを取り押さえる風景、建設資材を運ぶトラックを命がけで阻止する人々を強制排除する風景は、まさに民意を無視し力ずくで物事を推し進める日本政府の横暴さであり、その映像に戦慄が走る。
一方、見慣れた沖縄の日常風景や、先の県知事選挙で基地建設反対派の翁長知事が勝利した瞬間を祝う人々の様子、旧盆のエイサーや正月のかぎやで風節の風景などにみられる穏やかで明るい人々の表情が、基地反対へと必死の形相で立ち向かう人々の怒りを一層際立たせる。
もっと本土のメディアにも、これら市井の人々の反対運動と、政府が沖縄で進めていることの酷さを報道してほしいと思う。また、改めて、今の自分の立場でできることがないかと考えさせられる。
「うりずんの雨」のジャン・ユンカーマン監督の
「(沖縄を解放する責任を負っているのは)沖縄の人々ではなく、アメリカの市民、そして日本の市民です。その責任をどう負っていくのか、問われているのは私たちなのです。」という言葉が重くのしかかる。